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29 海洋

2021年1月19日 (火)

海鳥の保護が気候変動からサンゴ礁を守る助けとなる可能性

和訳協力:手塚 珠真子、校正:JWCS

海鳥の大きな繁殖コロニーがある島の周辺のサンゴ礁は、死滅の原因となる気候変動がもたらす危機から比較的早く回復する可能性があり、危機的状況にある海鳥の保護が、サンゴ礁も保護する現実的な対策となり得る。

2019年7月17日 Anthropocene Daily Science News

生涯、もしくはその大半を海で生きる海鳥は、周辺環境で最も危機にさらされている動物だ。
20世紀半ば以降、海鳥たちは個体数がおよそ2/3減少しており、その保護は急を要する人道的課題となっている。
そしてそれは、気候変動からサンゴ礁を守ろうとする人々にとっても、現実的な対策になり得るかもしれない。

島に近いサンゴ礁の環境耐性を、島に海鳥の大きな繁殖地があるかないかで比較したところ、海鳥の繁殖地がある島の方がサンゴ礁が白化現象からより早く回復することがわかった。
白化現象は、海水温の上昇により、サンゴの体内に生息する藻類が抜け出すことによるものである。
サンゴはこの藻類に依存して生きているため、多くのサンゴはやがて死んでしまう。
白化現象はより頻繁に起き、またより規模が大きくなりつつあり、地球のサンゴ礁を待ったなしで脅かしている。

だが、科学雑誌「グローバル・チェンジ・バイオロジー」に掲載された、ランカスター大学の生態学者であるCassandra Benkwitt氏とNicholas Graham氏を代表とする研究者たちが書いた論文によれば、海鳥が「サンゴ礁の回復を促進する」可能性があるという。
海鳥の保護は、特効薬にはならないが助けにはなるだろうというのだ。

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2020年11月10日 (火)

科学者らが2030年までに世界の3分の1の海洋を保護する手法を立案

和訳協力:森田 みゆき、校正協力:佐々木 美穂子

2019年4月4日 PHYS ORG News

ヨーク大学の科学者らは、野生動物の保護と気候変動の影響緩和のため、2030年までに世界の1/3以上の海洋を保護する手法を打ち出した。
この研究では、30%または50%におよぶ世界の海洋を完全に保護する重要性を調査している。
2億3千万km2におよぶ国の管轄区域を超えた海域の保護を目的とした、Global Ocean Treatyの採択に向けた国連での協議の一環で、これらの数値目標は広く話し合われてきた。

研究者らは、類似する大規模なある研究で、地球のほぼ半分をカバーする範囲の海を、縦100x横100kmの正方形で2万5千個に分けて分析した。
次に、野生生物とその生息環境や主要な海洋学的特徴を含む、458の異なる保全上の特徴の分布を地図上で示し、有害な人間活動の影響がおよばない、地球規模の海洋保護区ネットワークとはどのような姿になるのかという、何百ものシナリオを作成した。

ヨーク大学とオックスフォード大学、およびグリーンピースの研究者からなるチームは、公海の海洋保護区ネットワークを取り入れれば、野生生物のホットスポットの保護目標を達成できると説明した。

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2020年2月 4日 (火)

禁漁海域、漁業者(および魚)に予想以上の効果

和訳協力:下島 深雪、校正協力:鈴木 康子

2019年7月4日 PHYS ORG news

漁の禁止により生物が保護されている海域、つまり、marine protected area(MPA:海洋保護区)は、保護されていない海域に比べ、haあたり少なくとも5倍の魚を生産するとの新たな研究が7月2日に発表された。

この予想を超える結果は、MPAsが海域の保全および隣接する海域での漁獲量の増加において、これまでに考えられてきた以上に重要な役割を担っていることを示している。

この研究で、魚1個体あたりの稚魚の数は、魚の体長が大きくなるにつれて指数関数的に増加することが判明した。
魚の個体数を推定する以前のモデルでは、魚の大きさによる違いを考慮していなかったのだ。
この基本的な前提を改めることで、MPAsの真の価値が一層明確になった。

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2019年9月 6日 (金)

サメの保護のため貧困と生態系の課題に取り組むリベリア

和訳協力:深井 悠、校正協力:木田 直子

2019年1月25日 PHYS ORG news

George Toe氏は、サメを何匹か捕まえれば漁師の懐が潤い、ひもじい家族を養う一助となった古きよき日々を思い起こす。

15年ほど前には、地元の漁師が危険を冒してリベリア沖に出れば、船に魚を200匹、場合によっては300匹載せて戻ってこれると見込めたものだと45歳の男は回想する。

「今は10匹捕まえるのさえ難しいです」とToe氏は語る。
「今は、何か見つけるまでに45mile(72km)は海に出ないといけません」。

Toe氏の懸念には、世界最貧困国の1つであるリベリアが直面するジレンマが集約されている。
リベリアは、絶滅の危機に瀕しつつも過小評価されることの多い、これらの美しい種の保護に努めているからだ。

毎年何千万匹ものサメやエイが、概して東アジアや東南アジアにおけるフカヒレスープや伝統薬に用いられる製品に対する貪欲な需要を満たすために、海から引き上げられる。

乱獲によって海の健康に壊滅的な影響が生じていると専門家は語る。
しかしこれらの種の保護は、漁獲をきわめて重要な収入源と見なす漁師からの反対に遭うことが多い。

漁はリベリアに住む30,000人を超える人々に生計を立てさせ、リベリア国内で消費されるすべての動物性たんぱく質の2/3を占める。

国連の人間開発指数において、リベリアは189か国中181位と低位置につける。
平均給与は月あたり100ドル(約10,630円、2019年8月31日付換算レート:1USドル=106.3円)で、多くのリベリア人は1日当たりわずか1ドル(約106円)でやりくりしている。

サメとエイの保全には、これらの古くから存在する種の存続だけでなく、商用になる魚資源の維持もかかわっている。

「サメを失うことにより、生態系の著しい不均衡が引き起こされる可能性があるのです」と、運動団体であるEnvironmental Justice Foundation(EJF:環境正義財団)は語る。

サメを捕獲すると、頂点捕食者を欠いた中で大型魚が多くの小型魚を捕食するため、食物連鎖が崩れるのだ。

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2018年12月20日 (木)

日本が「科学」のために絶滅の危機に瀕したクジラを殺し、肉を販売。これは取締規定違反だ。

和訳協力:大森 康子

ワシントン条約の決定で、日本のイワシクジラ漁に終止符が打たれる可能性がある。

2018年10月3日 The Washinton Postニュースより一部抜粋

絶滅のおそれのある種の取引を取り締まる国際機関から、北太平洋におけるイワシクジラの「科学的」な捕鯨が実質的に違法であると宣告されてから、日本の捕鯨活動は大き後退した。

10月2日に、ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の常設委員会は、日本が数千tもの絶滅の危機に瀕したイワシクジラの肉を市販することにより、条約の規制に違反していると評決した。

イワシクジラは、地球上に生息する動物としては9番目に大きく、通常、体長約14~18m、体重20tに成長する。
また、毎時55km以上の速度で泳ぐ能力を備え、最も速く泳げるクジラの1種とされる。世界中ほぼすべての海域で見られるが、19~20世紀にかけてほぼ絶滅状態になるまで捕獲された。

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2018年11月27日 (火)

フィジー共和国で、森林保護がサンゴ礁の保全にどのように役立つかを科学者らが調査

和訳協力:伊川 次郎、校正協力:鈴木 洋子

WCSとハワイ大学の科学者らが新モデルを使い、どこで森林保護の取り組みを行えば人間の影響を沖合で最小にするかを特定する。

2018年8月28日 WCS News Releases

ハワイ大学マノア校、WCS(Wildlife Conservation Society:野生生物保護協会)およびその他のグループに所属する研究者らは、フィジーにおける森林保護が、サンゴ礁とその周辺に生息する魚類個体群への人間活動の影響を、どのように最小限に抑えるかを突き止めつつある。

特に、Scientic Reports誌に新しく公表された研究の著者らは、サンゴ群集および関連するサンゴ礁に生息する魚類個体群への害を緩和するという見地から、陸域での保護活動が下流のサンゴ礁に対して最も恩恵をもたらすと思われる具体的な場所を明らかにするために、革新的なモデリングツールを利用した。

『Scenario Planning with Linked Land-Sea Models Inform Where Forest Conservation Actions Will Promote Coral Reef Resilience』という表題の研究論文の著者は、以下の通りである。
Jade M. S. Delevaux、Stacy D. Jupiter、Kostantinos A. Stamoulis、Leah L. Bremer、Amelia S.Wenger、Rachel Dacks、Peter Garrod、Kim A. Falinski、Tamara Ticktin。

研究者らはフィジーのクブラウ地域に焦点を絞った。
そこでは、先住の土地所有者たちがすでに対策を講じつつあり、尾根からサンゴ礁(ridge-to-reef)に至る管理計画に従ってその資源を管理している。

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2018年7月24日 (火)

新たな指針は持続可能な漁業に資金を呼び込むことができるか?

和訳協力:田澤 優子

2018年2月18日 Eco-Businessニュースより一部抜粋

プログラムの採用者と支持者の増加を受けて、Environmental Defense Fund(EDF:環境防衛基金)、Meloy Fund、およびEncourage Capitalは、持続可能な形で管理された漁業の基準策定と私たちの豊かな海の回復に必要な資金を呼び込むために、今月に入って、世界的な漁業への投資に関する新たなガイドラインを発表した。
その声明は、メキシコのリビエラ・マヤで開催されたワールドオーシャンサミット2018の場で出された。

毎年、漁業には多くの公費および私費が投じられているが、大抵の場合、持続可能性はそうした資金の誘因にもならず、意味のある結果ももたらさない。
つまり、私たちは今、世界的な魚の乱獲や食の安全に関する問題を解決する大きなチャンスを失いつつあるということである。
そこには、多様な資金提供者からの、かなり多額で、より連携した投資が求められる。

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2018年5月17日 (木)

海洋プラスチックごみ:サンゴ礁への新たな脅威が拡大中

和訳協力:松岡 真由美、校正協力:木田 直子

2018年3月5日 UN Environment News and Stories

人類のプラスチック製品への依存が、自然界の奇跡であるサンゴ礁を汚染していることを示す新たな証拠が見つかった。

サンゴ礁は美しいというだけでなく、サンゴは生きており、また生きた生態系でもあり、生命に満ち溢れている。
その広さは世界の海洋面の0.1%未満に過ぎないが、全海洋生物の25%の生息地となっている。
また、サイクロンや海面上昇などに対して自然のバリアの役割を果たすなど、沿岸のコミュニティを守るために極めて重要な役割を担っているほか、2億7500万人もの人々が食べ物を手に入れ、生活をしていく上でサンゴ礁に直接依存している。

それでいて、サンゴ礁は様々な方面からの攻撃にさらされている。
この30年間で、気候変動による水温上昇や乱獲、陸上のさまざまな活動の影響によって世界のサンゴ礁の最大50%が失われている。
だが、最近の大規模な研究によると、プラスチックによる包囲攻撃も受けていることが明らかになった。

毎年、800万t以上のプラスチックが海に行き着いていると推測されているが、これは毎分ごみ収集車1台分のプラスチックを海に放り出しているのに相当する。
今日では、1960年代に比べ20倍ものプラスチックが製造されている。
もし我々がプラスチックの使用をこのままの状態で続けていくと、2050年までに330億tものプラスチックを新たに作り出すことになり、そのうちかなりの量が最終的に海に流れ着き、そこに何世紀もとどまることになる。

今年科学雑誌サイエンス誌に掲載された、アジア太平洋地域における159箇所のサンゴ礁での調査によると、研究者は、111億個ものプラスチック製品がサンゴに絡まっていたと推測している。
この数字は、今後7年のうちにさらに40%も増加すると考えられている。

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2018年4月12日 (木)

イルカのための負債:セーシェルは世界初の財政機構による広大な海洋公園を建設

和訳協力:木村 敦子

2018年2月22日 The Guardianニュースより一部抜粋

熱帯の島国セーシェルは、巨額の国債を償還することと引き換えに、新しい2つの広大な海洋公園を建設することこととなった。
このような財政機構によるものは世界初である。

この新しい金融工学は、乱獲の嵐や気候変動の影響を受けるサンゴやマグロ、そしてウミガメに命綱を投じる目的で、国債とイルカや海洋生物らとを効果的に交換し合っているものである。
もしそれが上手く機能すれば、観光と漁業に完全に頼っている国の経済的な将来も保証されるだろう。
後に続くその他の海洋州と共に、この取り組みによって、世界的な問題を抱える広大な海洋地域を変えることができるだろう。

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2018年3月29日 (木)

パプアニューギニアの海洋採掘事業を断行すると開発者

和訳協力:マードック 志保

2018年2月5日 SciDev.Net記事より抜粋

資金難とパプアニューギニア沿岸の地方自治体による法的な異議申し立てをよそに、深海の採掘産業が世界で初めて進められると、ノーチラス・ミネラルズ社の広報担当でもあるプロジェクト開発者が断言する。

カナダに拠点を置くノーチラス社の広報担当マネージャーであるNoreen Dillane氏は、SciDev.Netの取材に対し、会社が「Solwara1(ソルワラ1)」プロジェクトを 「最終的には利益となる」 とみなしているという。電気自動車や蓄電池などの発展に伴い、金属の需要が高まっているためである。

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