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40 保全対策

2018年6月14日 (木)

混獲

和訳協力:アダムス 雅枝、校正協力:ジョンソン 雅子

混獲に関する決議6.2、勧告7.2、決議 8.14、決議 9.18及び決議10.14を含む、これまでの締約国会議での関連する決定を想起し、

海洋法に関する国際連合条約、生物多様性保全条約、分布範囲が排他的経済水域の内外に存在する魚類資源 (ストラドリング魚類資源) 及び高度回遊性魚類資源の保存及び管理に関する1982年12月10日の海洋法に関する国際連合条約の規定の実施のための協定、南極の海洋生物資源の保存に関する委員会及び、特に責任ある漁業のための行動規範を通じた国連食糧農業機関 (FAO、以降FAOとする) などがとりわけ下支えする、持続可能な発展を通じて天然資源を保全する世界的な協同体の義務を承認し、

CMS (移動性野生動物種の保全に関する条約、通称「ボン条約」) を補足する多数の協定及びMemoranda of Understanding (了解覚書、以降MOUとする) において、被害の軽減をするべく優先度の高い脅威として混獲が強調されていることを認識し、

指定される移動性の種に関する漁業の悪影響を減少させるための混獲緩和策を実行する上でかなりの進展があるにもかかわらず、未だに混獲が、海洋環境における人間活動による条約により指定されている移動性の種の死亡率の主要な原因の一つになっていることを懸念し、
加えて、締約国がなしたこれまでの進展にもかかわらず、混獲が未だに水生生物種、特に条約の附属書I及びIIに指定される種 (海鳥類、魚類、カメ類と水生哺乳類を含む) に対する主要な脅威とされており、またこれらの種の保全状況が危機的でないレベルにまで混獲を削減または抑制するためには、かなりの更なる努力が必要とされることを懸念し、

移動性の水生生物種が、種の混獲、乱獲、汚染、生息地の環境の破壊または劣化、海中の騒音の影響、狩猟に加え、気候変動などのような広域にわたる影響を与える可能性がある、多角的かつ累積的、更に多くの場合相乗的な脅威に直面していることを懸念し、

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2018年5月24日 (木)

鳥類と豆類:研究で鳥類多様性に最適なコーヒー豆が明らかに

和訳協力:會田 真弘、校正協力:佐々木 美穂子

2018年2月16日 Wildlife Conservation Society

甘みとやわらかい味のアラビカ豆と、香りが深く力強い味わいのロブスタ豆のどちらを選ぶべきかは、コーヒー愛好家によく知られた議論である。
科学雑誌『Scientific Reports』に掲載されている、WCS(野生生物保護協会)、プリンストン大学、ウィスコンシン大学マディソン校が行った新たな調査では、コーヒーの愛好家ではないであろう生き物の好みを取り上げた。
その生き物とは、鳥である。

WCSの保全科学者であるKrithi Karanth博士をはじめとする研究者たちは、インドの西ガーツ山脈地域におけるコーヒーの混農林地での鳥類の多様性について調査した。
以前の調査では、木陰で栽培されたコーヒー(主にアラビカ種)は相当な種類数の生物多様性をもたらし得ることが判明した。
しかし、コーヒー生産は、国際的にはロブスタ種へと移行しつつある。
ロブスタ種は、太陽光をより集中的に利用する農法を使用するものであり、この手法は森林の野生生物に有害な影響を与える可能性があるとされている。

研究者たちの調査結果は驚くべきものだった。
アラビカ種農園の鳥類集団はより種類数が豊富となっていたが、ロブスタ種農園でもかなりの生物多様性への良い影響が認められ、果実食の鳥類のような、環境の変化に敏感な鳥類の高密度の群れの存在を支えていた。
さらに、病原耐性の高いロブスタ種の農場では、農家の殺虫剤の使用量が少ないことがわかっている。

著者らは、調査対象のコーヒー農園において、オオホンセイインコ(学名:Psittacula eupatria)、ハイガシラヒヨドリ(学名:Pycnonotus priocephalus)、カノコモリバト(学名:Columba elphinstonii)などのIUCNレッドリスト掲載種3種を含む、合計79種の森林依存種が生息していることを発見した。
また、コーヒー農園では哺乳類、両生類や樹木の多様性がもたらされる場合もあるという。

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2018年5月22日 (火)

ワシントン条約の「無害証明」-NDFsに関する最新の方針

和訳協力:原田 智美、校正協力:清水 桃子

生物多様性の持続可能な利用:アディスアベバ原則並びにガイドラインに関する決議13.2において、締約国はNDF (Non-detriment finding:無害証明、以降NDFとする) プロセスを適応し、CITES NDFsを発行する際に、国ごとの状況により定められる科学上、取引上、並びに法施行上の考慮点を踏まえ、生物多様性の持続可能な利用に関する原則とガイドライン (生物多様性条約事務局、2004年) を使用するよう勧奨された。
2007年にハーグで開催されたCITESのCoP14 (第14回締約国会議、以降締約国会議をCoPとする) では、締約国はさらにこの点について、動物委員会及び植物委員会が示すいくつかの勧告を考慮することに同意した。
これらの勧告は決議13.2 (CoP14改定版) の付記2に含まれる。
委員会は、CITESの下での意思決定プロセス、とりわけNDFs発行に関して、アディスアベバ原則並びにガイドラインは常に即座に適応されるものではないものの、NDFs発行のための現行のIUCN (国際自然保護連合) の指針を支持し得るものであるとされ、例えば樹木などの、特定分類群のガイドラインの策定に有益である、と勧告した。
中でも特に原則1、2、4、5、6、7、8、9、11及び12は、個別の場面に応じ、さらなる特定分類群のNDFガイドライン策定の検討余地があるとした。

CoP16 (バンコク、2013年) で最後に改定された、CITES戦略ビジョン:2008-2020に関する決議16.3において、締約国は、入手可能な最良の科学的情報をNDFの根拠としなければならない、という方針を定めた。
締約国会議からの委任を受けて、常設委員会は第57回会議でこの方針の指標について次のように合意した。

a)輸出国が行った次の内容のような調査の件数
i)附属書IIに掲載される種の個体群の状況、及び取引の動向並びに影響、
ii)附属書Iに掲載される種の動向及び状況、及び回復計画の効果
b)NDFs発行のための基本的な手順を採用した締約国の数
c)個体群調査に基づく1年ごとの輸出割当量の分量及び割合
d)Review of Significant Trade ((仮)重要取引の検証) に基づく勧告を実施した結果として、取引が種の生残に無害であると判断された附属書IIの種の数

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2018年5月19日 (土)

生物多様性の持続可能な利用:ブッシュミート及び持続可能な野生生物の管理

和訳協力:小山 史子、校正協力:伊川 次郎

締約国会議は、

自然生息地の広範囲に及ぶ破壊や劣化、景観的なつながりの分断及び損失ならびに、違法な開発や違法な野生生物取引、野生生物製品や資源の持続不可能な利用、気候変動、(違法な)土地利用の転換、汚染、及び侵入外来種といった、野生生物種の存続や再生、および持続可能な開発や人間の福祉に悪影響を及ぼすものが原因で、一部の野生生物種が継続的に減少していることを懸念し、

野生生物の損失は、生物多様性を支える生態学的プロセスに必然的に影響を及ぼし、また社会経済、食料安全保障、人々の栄養や健康等に関する深刻な影響を与え、先住民族及び地域社会の持続可能な慣習的利用、文化、精神性並びにアイデンティティに影響を与えることを意識し、

国の法令に沿った野生生物を利用する先住民族や地域社会の行う野生生物の管理と歴史的な権利を含む、人間のニーズと利益共有の観点からだけでなく、野生生物の保全及び持続可能な利用のためのインセンティブの創出や共有の観点からも、人間側面の重要性を認めながら、生物学的また生態学的な要因と、効果的で公平なプログラムの理解に基づいた健全な野生生物管理プログラムの必要性に留意し、

また、国連総会決議69/314の持続可能な開発のための 2030 アジェンダ、とりわけに目標15の下位目標である15.7及び15.c、並びに生物多様性戦略計画2011-2020の実施に貢献する、野生生物の保全、持続可能な利用及び取引に関して強化された政策協調の可能性に留意し、

ブッシュミートの狩猟を含め、野生生物の持続可能性を改善する方法について、条約の下で多くの活動が行われてきたことを認識し、また、野生生物の持続可能な利用の問題は他分野とも関連し、これらの問題に対処するには戦略的かつ広範囲なアプローチが必要とされることに留意し、

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2018年5月12日 (土)

ジュゴン保護のためのジュゴン生息国の協定 (COP12改訂版)

和訳協力:金子 さえ、校正協力:松岡 淳子

本条約第II条はすべての締約国に対し、同条約の附属書IIに掲載されている移動性動物種の保全及び管理に関する協定の締結に努めるよう求めるものであることを認識しつつ、

ジュゴンの生息域は、熱帯地域及び亜熱帯地域の沿岸部や陸水域を含む、37の国と地域にわたる広い範囲に及ぶことに留意しつつ、

ジュゴンは寿命が長いが、繁殖率が低く、子育てに多大な労力を費やすため、乱獲に対して脆弱であることを想起しつつ、

ジュゴンの個体数は大部分の生息地で残存種となっており、また生息地の多くが、大幅に個体数が減少している生息地、あるいはすでにジュゴンが絶滅している生息地によって分断化されていることに留意しつつ、

ジュゴンが利用し、分布する環境は沿岸域であり、そこでは人間による土地開発や漁業による圧力にしばしば晒されるため、ジュゴンが人間の活動の影響に脆弱であることを理解しつつ、

ジュゴンは、生息域のコミュニティにとって文化的に重要であり、かつ多くの地域で今なお伝統的に捕獲されていることを認識しつつ、

ジュゴンの肉や脂、あるいはジュゴンから作られた薬やお守り、その他のジュゴン由来の産物は、ジュゴンの生息する地域では依然として高い価値が付けられていることを理解しつつ、

Convention on international Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora (CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約) の附属書Ⅰに記載されている種のすべての個体群は、その種および体の部位の国際的取引が禁じられていることを想起しつつ、

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2018年5月 8日 (火)

損なわれた生態系を積極的に再生することが必ずしも自然再生より優れているわけではないとする研究

和訳協力:坂本 義教、校正協力:佐々木 美穂子

2018 年2月28日 Phys.org report

研究者らの国際チームは、損なわれた生態系を復活させようとする人為的活動は、単に自然の再生能力任せにした場合に比べ、必ずしも優れているわけでないことを示唆する証拠を発見した。
科学雑誌『Proceedings of the Royal Society B』に発表されたその論文では、研究グループが、生態系を回復させる活動を詳細に記録した400件以上の研究を分析したことが記され、その所見が報告されている。

人類が地球の自然が有限であることを認識して以来、劣化した自然を修復する試みがなされてきた。
例えば植林やダムの撤去などであり、石油流出により瀕死の状態になった動植物の再導入のような活動もしばしばそれに含まれる。
しかしこうした活動にかかわる研究者達は、このような活動が単に自然の再生能力任せにした場合よりも、果たして優れた取り組みなのかどうかを知りたがっていた。
その答えを見つけるため、研究者らは、個々の生態系を回復させる活動を調べた他の研究者による論文およびその他の資料を詳細に調べた。

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2018年4月21日 (土)

クアンチ省が生物多様性を保全するための保護区を設置

和訳協力:山田 尚子

2018年2月21日 Vietnam+ニュースより一部抜粋

ベトナム中部に位置するクアンチ省では、広がる都市化と違法開発から、生物多様性を保護する目的で緑の回廊の設置計画を決定した。

最近の省の人民委員会の決定を受け、天然資源・環境省の地方組織は、地域ごとに原生林の区画指定に着手する予定で、これにより、クアンチ省は緑被率を省全体の52%確保することとなる。

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2018年4月12日 (木)

イルカのための負債:セーシェルは世界初の財政機構による広大な海洋公園を建設

和訳協力:木村 敦子

2018年2月22日 The Guardianニュースより一部抜粋

熱帯の島国セーシェルは、巨額の国債を償還することと引き換えに、新しい2つの広大な海洋公園を建設することこととなった。
このような財政機構によるものは世界初である。

この新しい金融工学は、乱獲の嵐や気候変動の影響を受けるサンゴやマグロ、そしてウミガメに命綱を投じる目的で、国債とイルカや海洋生物らとを効果的に交換し合っているものである。
もしそれが上手く機能すれば、観光と漁業に完全に頼っている国の経済的な将来も保証されるだろう。
後に続くその他の海洋州と共に、この取り組みによって、世界的な問題を抱える広大な海洋地域を変えることができるだろう。

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2018年2月13日 (火)

カナダが珍しいガラス海綿礁を保護区に指定

和訳協力:木村 敦子、校正協力:石原 洋子

2017年2月23日  IUCN News

カナダ古来の珍しいガラス海綿礁が新たな海洋保護区(MPA)に指定されたことを、自然保護業界の人々が讃えている。
このガラス海面礁は、絶滅に瀕したRockfish(キチジ:日本では北海道で周辺で多くみられるカサゴの仲間の深海魚)を含め、多様な海洋生物に不可欠な生息地を提供するものだ。
この指定は、Canadian Parks and Wilderness Society(CPAWS:カナダ国立公園原生協会)やその他のNGO、科学者たちによるたゆみない努力、そして地元の漁業組合の支援の賜物である。

この新しい海洋保護区は、「Hope Spot」として指定されている地域の中にある。
Hope Spotは、世界中の海洋(および私たち人間)の健全性にとって重要だと国際的に認識されている場所である。

「海綿礁は国際的にも貴重なもので、世界的にも珍しく、非常に重要なものです。また、次世代の人々にとっての驚きや畏敬の源として残していくため、しっかりと保護すすることが望まれます」と、CPAWSのNational Ocean Program((仮)国家海洋プログラム)代表であり、Hope Spot councilのメンバーでもあるSabine Jessen氏は言う。

これらの海綿礁は、世界中の海でただ一つの大きく、生きているガラス海綿礁で、ブリティッシュコロンビア州北部沿岸の沖合、ヘカト海峡とクイーンシャーロット湾で海底調査を行ったカナダの科学者たちのチームによって1987年に発見された。
その後、ブリティッシュコロンビア州とアラスカ州で、小さな海綿礁がわずかに見つかっている。

海洋保護区は2,140㎢の広さがあり、9千年以上(ピラミッドより古い)の歴史を持ち、8階建ての高さにも及ぶ驚異的なガラス海綿礁を保護するだろう。

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2018年1月30日 (火)

ユキヒョウを絶滅の縁から救え

和訳協力:青木 恵子、校正協力:榛木 久実

2017年2月6日  CMS News

ハリウッドのヒット作「LIFE!(原題:The Secret Life of Walter Mitty(ウォルター・ミティの秘密の生活))」(2013)で、冒険好きな写真家のSean O’Connell氏は、捕え難くて美しい「幻のネコ」を見つけるという貴重な瞬間を心から大切にして欲しいと願い、ユキヒョウの写真を撮らないと決心する。

将来的には、この絶滅危惧種は絶滅してしまうか、写真や画像の題材として見られるだけになる可能性がある。
2008年から2016年の間、1日につき1匹の割合でユキヒョウが殺され、また取引されており、現在野生下で生き残っているものは3,500~7,000頭ほどとされている。
この割合では、今後10年以内に絶滅するかもしれない。
ユキヒョウは現在、違法取引、密猟、餌動物の減少、生息地の喪失、気候変動などに脅かされており、16年間で20%減少するに至っている。
現在は、Convention on Migratory Species(CMS:移動性野生動物種の保全に関する条約、通称「ボン条約」)の附属書Iに指定されており、Central Asian Mammals Initiative(CAMI:(仮)中央アジア哺乳類イニシアティブ)も適用されている。

Global Snow Leopard and Ecosystem Protection Program(GSLEP:世界ユキヒョウ生態保護プログラム)は、2017年1月17~18日にかけて、ネパールのカトマンズでSnow Leopard Landscape Management Planning Stocktaking Workshopを主催し、引続き1月19日~20日にかけてGSLEPの第2回運営委員会を開催した。
このワークショップと第2回運営委員会は、この種の保護に対して決定的なもので、ユキヒョウが生息するアジアの12か国が、2020年までに少なくとも20頭のユキヒョウを保護する方法について議論した。

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