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40 保全対策

2021年10月19日 (火)

ディスコライトでパニック:ボツワナのチョベ地区におけるアフリカゾウの侵入を防ぐ太陽光発電ストロボライト

和訳協力:片山 亜衣子、校正協力:山田 寛

2020年7月7日 Oryx掲載論文要約部分抜粋

要約

人間と野生のゾウの相互作用を管理することは、保護地域の内部または保護地域沿いに農地や都市が拡大した結果として増加している複雑な問題である。
負の相互作用を緩和するには、人間とゾウの競合を減らし、共存を促進する新しいツールの開発が必要である。
多くの研究では、アフリカとアジアのゾウの生息域でいろいろな緩和技術が検証されているが、成功の度合いはさまざまである。
最近では、ライオン(学名:Panthera leo)を村落や柵囲いから遠ざけるための潜在的な緩和戦略としてストロボライトが提案されているが、この技術はこれまで、人間とゾウの負の相互作用を減らすかどうかの検証は行われていない。

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2021年10月 5日 (火)

霊長類の保護対策の効果、いまだ不十分

和訳協力:矢内 一恵、校正協力:清水 桃子

2020年8月26日 PHYS ORG news

霊長類は、他の分類群に比べて、その人類学的な意義とカリスマ性により、多くの研究者の注目を集め、保護のための資金が提供されている。
にもかかわらず、霊長類の保全はいまだ効果的になされているとはいえない。
現在までに、霊長類の約60%の種が絶滅の危機に瀕しており、75%は個体数が減少している。

今回の新しい研究の著者らは、この矛盾の原因は、世界中の霊長類を効果的に保護するための根拠が圧倒的に不足しているためだとしている。
研究は、ケンブリッジ大学のConservation Evidenceイニシアティブの科学者だけでなく、59人の霊長類研究者と専門家からなるチームによってまとめられ、約13,000件の霊長類研究を調査した。
これらの研究のうち、霊長類の保全対策の有効性を調査したのはわずか80件で、他の分類群に比べて非常に少ない。
さらに、これらの保全対策の実施に関する研究の対象となったのは、絶滅の危機に瀕している霊長類のわずか12%と、現在認識されている全霊長類種のわずか14%だけであった。

保全対策の実施に関する研究では、体格の大きな霊長類や旧世界ザル、特に大型類人猿に焦点を当てていたが、メガネザルやヨザルのような、サル目全体には及んでいなかった。
「研究対象を選ぶ際、種が危機に瀕しているかどうかは、科学者にとっては何の役割も果たしません」と、ケンブリッジ大学動物学部のSilviu Petrovan博士とともにこの研究を主導した、iDiv(ドイツ統合生物多様性研究センター)、MLU(マルティン・ルター大学)およびMPI-EVA(マックス・プランク進化人類学研究所)に所属するJessica Junker博士はいう。
「それゆえ、多くの脆弱種を効果的に保護し、管理するために必要となる科学的根拠に基づいた情報が不足しているのです」。

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2021年8月31日 (火)

コロナ禍でのトロフィー・ハンティングの禁止がアフリカの野生動物と人々の生計を脅かす

和訳協力:大前 美子、校正協力:黒木 摩里子


2020年6月29日 PHYS ORG News


グリフィス大学の科学者らは、トロフィー・ハンティングの禁止がアフリカの野生動物保全と人々の暮らしに与えるであろう極めて深刻な影響を明らかにした。
問題となっている行為ではあるが、トロフィー・ハンティングの習慣が行われていなければ保護されない土地が存在するのだ。


Environmental Futures Research Institute(環境未来研究所)のResilient Conservation Research Groupを率いているDuan Biggs博士は、国際団体と共同で、トロフィー・ハンティングを禁止が、アフリカの狩猟市場の大半を担う南アフリカの土地所有者に対して与える影響を調査した。


The Conversation』誌の今週の記事の中で、研究者らは、アフリカの旅行産業に壊滅的な被害を与えているCOVID-19の世界的な感染拡大に焦点を当て、調査報告の適時性と重要性を強調している。


「トロフィー・ハンティングは残虐で非倫理的だという認識から、多くの団体が完全に禁止することを求めていて、大きな抑圧に直面しています」とBiggs博士は述べている。

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2021年8月17日 (火)

最後に残された最上級の熱帯林が緊急に保護の必要があることが、最新の研究により明らかとなる

和訳協力:清水 桃子、校正協力:伊川 次郎

2020年8月10日 PHYS ORG News

Nature Ecology and Evolution誌に本日発表された論文によると、世界の"最後に残された最上級の"熱帯林が消失の重大な危機にあるとのこと。
炭素貯蔵 、病気の伝染防止そして水の供給を含む、主要な生態系サービスをもたらすこれら原生林のうち、正式に保護されているのはわずか6.5%にすぎない。

この研究では、United Nations Development Programme (UNDP:国連開発計画)、National Aeronautics and Space Administration (NASA:アメリカ航空宇宙局)、Wildlife Conservation Society (野生生物保護協会) と8つの主要研究機関の科学者ら-Northern Arizona University' School of Informatics, Computing, and Cyber Systems(北アリゾナ大学情報学・コンピューティング・サイバーシステム学部)のScott Goetz教授、Patrick Jantz研究教授、Pat Burns研究員を含む―は、国際的な森林保全戦略に重大な欠陥があるとした。
現在の世界的な目標は単に森林の広がりだけに焦点を当てており、森林の完全性または構造的な状態の重要性を考慮しておらず、人類と地球の幸福に必要な生態系を保護する活動に危機的なずれが生じているとしている。

地球上の貴重な湿潤熱帯林を保護するため、森林の質を認識した新たな目標が早急に必要とされている。
生態学的価値の高い森林を維持するための協調戦略を推進するため、この研究では世界の190万haの湿潤熱帯林のうち、41%の地域の新たな保護、7%の地域での積極的な回復、19%の地域での人間による経済活動の削減を提唱した。

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2021年8月10日 (火)

ウミガメと陸ガメの受難

和訳協力:手塚 珠真子、校正協力:伊川 次郎

ウミガメと陸域のカメの世界的専門家が、絶滅の危険性に関する最も包括的な研究結果を発表し、回復に向けてのロードマップを提示

2020年6月22日 Turtle Survival Allince News

International Union for Conservation of Nature's(IUCN:国際自然保護連合)のTortoise and Freshwater Turtle Specialist Group(淡水ガメ・陸上カメ類専門家グループ)所属の51名の専門家らは、2020年6月22日、ウミガメと陸域のカメの絶滅の危機に関する最も包括的な研究結果をまとめ、学術雑誌Current Biologyに発表した。
ウミガメと陸域のカメ全360種のうち、半分以上が絶滅の危機に瀕しているが、論文の著者らは、減少している状況を逆転させ、多くの種を救うために推奨することがあると述べている。
専門家らの分析と調査によると、世界的な保全戦略として重要なのは、野生のカメの食用やペットとしての飼育目的の取引をやめることだという。

毎年何十万匹もの野生のウミガメと陸域のカメが捕獲され、取引されている。
どちらも寿命が長く、成長は遅い。
つまり、野生から捕獲された分の個体数を回復するのに十分な速さで繁殖できないということだ。
この数年間で最大規模の押収劇が何度か発生している。
昨年5月、メキシコ当局はかつてなく大量の生きたウミガメを押収した。
メキシコから中国に15,000匹のカメが密輸されようとしていたのだ。
2018年にはマダガスカルで、わずか数か月のうちに2回ホウシャガメが押収され、合わせると18,000匹近かった。

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2021年7月20日 (火)

国際的規制当局の世界最大のマグロの売り尽くし方

和訳協力:伊川 次郎、校正協力:木田 直子

2020年6月16日 Yale Environment 360 news

地中海と東大西洋におけるマグロ類の乱獲が世界中で何年にも渡って報道された後、2010年になって、絶滅の危機にさらされているこの魚を管理している国際的な規制当局が屈服した。
当局が、年間の総漁獲可能量を、記録上最低レベルである12,900tに削減したのだ。
この世でもっともジューシーな寿司ネタとして珍重される、世界中で一番価値のある魚の資源量回復が有望視された。

しかしながら10年後、タイセイヨウクロマグロの状況は再び厳しいものになってきている。
個体数回復のかすかな兆候をつかみ、条約によりこのすばらしい生き物の保護を命じられた組織であるInternational Commission for the Conservation of Atlantic Tunas (ICCAT:大西洋マグロ類保存国際委員会)は、方針を転換した。
2017年末に、マグロ類の資源量回復のための6年間の漁獲量削減圧力は十分なものであったと結論づけたICCATは、東大西洋と地中海における総漁獲量を2010年の最低水準から3倍に増やし、2020年の漁獲量割り当てを過去最高の36,000tに設定したのである。
闇市場が急増している中、総t数の計算に用いられるデータには前々から違法あるいは無報告な漁獲量が含まれていないという事実があるにもかかわらず、である。
2018年の欧州刑事警察機構の報告が明らかにしたところによれば、国際的な合意や密漁を防止するための追跡技術があるにもかかわらず、東大西洋のマグロ類の闇市場の規模は合法市場の2倍に上るという。

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2021年1月19日 (火)

海鳥の保護が気候変動からサンゴ礁を守る助けとなる可能性

和訳協力:手塚 珠真子、校正:JWCS

海鳥の大きな繁殖コロニーがある島の周辺のサンゴ礁は、死滅の原因となる気候変動がもたらす危機から比較的早く回復する可能性があり、危機的状況にある海鳥の保護が、サンゴ礁も保護する現実的な対策となり得る。

2019年7月17日 Anthropocene Daily Science News

生涯、もしくはその大半を海で生きる海鳥は、周辺環境で最も危機にさらされている動物だ。
20世紀半ば以降、海鳥たちは個体数がおよそ2/3減少しており、その保護は急を要する人道的課題となっている。
そしてそれは、気候変動からサンゴ礁を守ろうとする人々にとっても、現実的な対策になり得るかもしれない。

島に近いサンゴ礁の環境耐性を、島に海鳥の大きな繁殖地があるかないかで比較したところ、海鳥の繁殖地がある島の方がサンゴ礁が白化現象からより早く回復することがわかった。
白化現象は、海水温の上昇により、サンゴの体内に生息する藻類が抜け出すことによるものである。
サンゴはこの藻類に依存して生きているため、多くのサンゴはやがて死んでしまう。
白化現象はより頻繁に起き、またより規模が大きくなりつつあり、地球のサンゴ礁を待ったなしで脅かしている。

だが、科学雑誌「グローバル・チェンジ・バイオロジー」に掲載された、ランカスター大学の生態学者であるCassandra Benkwitt氏とNicholas Graham氏を代表とする研究者たちが書いた論文によれば、海鳥が「サンゴ礁の回復を促進する」可能性があるという。
海鳥の保護は、特効薬にはならないが助けにはなるだろうというのだ。

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2020年12月22日 (火)

地球規模の生物多様の新たな研究が、陸と海の生命の統一マップを利用可能に

和訳協力:多田 薫 校正協力:長井美有紀(Myuty-Chic)

2020年2月5日 PHYS ORG News

モントレーベイ水族館と協力団体が率いる新たな研究は、陸と海の両方における生命の分布を表した、初めての包括的な地球規模の生物多様性マップを作成した。

PLOS ONE(プロス ワン:オープンアクセスの科学雑誌)で本日公開された研究によれば、地球上のどこに生命が分布するのか、またなぜその特定の場所に分布するのかを決定づける最も重要な環境要因について、可能な限りの全体像を提供している。
著者らは、地球全体の生態系を気候変動が崩壊させつつある中、生態系管理の方策に適応できる情報の提供を想定している。

「マップは通常、自分たちがどこにいるかを示してくれるものですが、この調査は今後我々がどこに向かうかも示してくれます」と、モントレーベイ水族館の主任科学者であり、主著者であるKyle Van Houtan博士は述べている。
「以前の生物多様性マップは、陸または海のどちらかを示すもので、対象としない方はグレーアウトされていました。この2つの領域およびこれら2つの科学的領域を組み合わせて、あらゆる動物が複雑な全体像の不可欠な部分であることを示しています」。

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2020年12月 1日 (火)

トッケイヤモリがCITESの保護下に:それが本当に意味することとは

2019年9月18日 The Revelator Essays

和訳協力:石原 洋子、校正協力:成田 昌子

絶滅危惧種の取引制限に対して反対意見もあるが、新たな制約はtokay gecho(トッケイヤモリ)とその生息国の両方に利益をもたらすことになる。

トッケイヤモリ(学名:Gekko gecho)は地球上で最も取引されている動物の1種だが、Convention On International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称「ワシントン条約」)が先月、トッケイヤモリの今後のいかなる取引も規制すると合意したことで、強力な後ろ盾が得られることになった。

CITESの締約国は183ヵ国で、国際取引によって野生の動植物の存続が脅かされないよう尽力することを目的としている。
今回トッケイヤモリは、CITESの附属書IIとして知られる、取引に規制を課す枠組みに追加された。
野生のトッケイヤモリの生息国15カ国のうち、インドとフィリピンが附属書への掲載を提案した。
2か国は、主に輸入する側であるEuropean Union(EU:欧州連合)と米国の提案に加わったのだ。

これまでも議論されたように、トッケイヤモリの附属書IIへの掲載提案は、南アジアや東南アジアから東アジアに向けた大量かつほとんど無秩序の取引が野生個体数の大幅な減少を引き起こしているのではないか、という懸念に端を発していた。
すでに個体数の減少や地域的な絶滅が報告されている国もあり、この新たな規制がこの流れを止め、さらには逆転への一助となることが望まれる。

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2020年11月17日 (火)

4億5000万年生き抜いてきたカブトガニが中国で絶滅のおそれ

和訳協力:岩城 小百合、校正協力:榛木 久実

2019年9月30日 Chinadialogue Ocean News

製薬業界でカブトガニの青い血液への需要が高まり、数が激減

中国のカブトガニの数が過去30年間で急激に減少している。
銅を含むカブトガニの血液への需要が高まったことが、その主な原因である。
カブトガニの血液は、これまで開発された中で最も敏感な細菌汚染の検出薬として用いられている。

カブトガニは、恐竜よりも前の4億5000万年前から生き抜いてきた生物である。
今年の3月、International Union for Conservation of Nature(IUCN:国際自然保護連合)が、カブトガニ(Chinese horseshoe crab、tri-spine horseshoeとして知られる)を絶滅危惧種としてレッドリストに加えた。
しかし、中国ではその危機的な状況を気にかける人が少なく、専門家たちはカブトガニを守るためのより強固な保護策を講じるよう警鐘を鳴らしている。

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