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31 生物多様性条約

2018年8月30日 (木)

野生生物保護区の3分の1が道路や町の建設により破壊されている―研究論文

和訳協力:福田 志保

2018年5月18日 ロイターニュースより一部抜粋

世界の野生生物保護区の3分の1が、道路建設や農場拡大、その他の人間が生み出す脅威の被害に遭っており、そうした脅威は、地球上の生命の多様性を守るという目標を台無しにするものである、と科学者らが2018年5月17日木曜日に述べた。

2010年に約200カ国が、汚染、土地開墾、および気候変動から動植物を守る計画の基礎として、2020年までに公園やその他の保護区の枠組みで、世界の陸地の少なくとも17%を確保することで合意した。

しかし、多くの保護区でこの目標に達していないということが、科学雑誌『Science』に報告された。
この研究はオーストラリアのクイーンズランド大学の研究者らが中心となって進めたものである。

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2018年5月19日 (土)

生物多様性の持続可能な利用:ブッシュミート及び持続可能な野生生物の管理

和訳協力:小山 史子、校正協力:伊川 次郎

締約国会議は、

自然生息地の広範囲に及ぶ破壊や劣化、景観的なつながりの分断及び損失ならびに、違法な開発や違法な野生生物取引、野生生物製品や資源の持続不可能な利用、気候変動、(違法な)土地利用の転換、汚染、及び侵入外来種といった、野生生物種の存続や再生、および持続可能な開発や人間の福祉に悪影響を及ぼすものが原因で、一部の野生生物種が継続的に減少していることを懸念し、

野生生物の損失は、生物多様性を支える生態学的プロセスに必然的に影響を及ぼし、また社会経済、食料安全保障、人々の栄養や健康等に関する深刻な影響を与え、先住民族及び地域社会の持続可能な慣習的利用、文化、精神性並びにアイデンティティに影響を与えることを意識し、

国の法令に沿った野生生物を利用する先住民族や地域社会の行う野生生物の管理と歴史的な権利を含む、人間のニーズと利益共有の観点からだけでなく、野生生物の保全及び持続可能な利用のためのインセンティブの創出や共有の観点からも、人間側面の重要性を認めながら、生物学的また生態学的な要因と、効果的で公平なプログラムの理解に基づいた健全な野生生物管理プログラムの必要性に留意し、

また、国連総会決議69/314の持続可能な開発のための 2030 アジェンダ、とりわけに目標15の下位目標である15.7及び15.c、並びに生物多様性戦略計画2011-2020の実施に貢献する、野生生物の保全、持続可能な利用及び取引に関して強化された政策協調の可能性に留意し、

ブッシュミートの狩猟を含め、野生生物の持続可能性を改善する方法について、条約の下で多くの活動が行われてきたことを認識し、また、野生生物の持続可能な利用の問題は他分野とも関連し、これらの問題に対処するには戦略的かつ広範囲なアプローチが必要とされることに留意し、

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2016年2月 5日 (金)

ヨーロッパに生息する野生ミツバチ類の約10%が絶滅に直面しており、50%以上の状況が不明

和訳協力:赤瀬 エリサ、校正協力:山本 麻知子

2015年3月19日 IUCN News story

ヨーロッパに生息するすべての野生のミツバチ類に対する史上初の評価書では、9.2%が絶滅の危機にさらされており、5.2%が近い将来絶滅する可能性があるとされた。
また全体の56.7%にも上る種が情報不足として評価されており、専門家やデータ、資金の不足により、これらの種の絶滅の危険性の評価は不可能な状況となっている。

本評価書は、European Commission(EC:欧州委員会)より資金提供されたIUCN European Red List of Bees((仮)ミツバチ類に関するIUCN欧州版レッドリスト)およびStatus and Trends of European Pollinators(STEP:(仮)ヨーロッパ花粉媒介者の状況と動向調査)プロジェクトの一環として、本日公表された。
これにより、ヨーロッパに生息する1,965種すべての野生のミツバチ類の状況や分布、個体数の動向、脅威などの情報が、今回初めて提供されたことになる。

「本書は、ヨーロッパの野生ミツバチ類の状況をこれまでで最もよく把握した評価書です」とIUCN(国際自然保護連合)のGlobal Species Programme(グローバル種プログラム)副代表のJean-Christophe Vie氏は語る。
「しかしながら、我々の持つ専門知識と資源はあまりにもわずかで、野生のミツバチ類に対する理解は不完全なものです。ミツバチは作物への花粉媒介に必要不可欠な役割を果たしています。ミツバチの減少をどのようにして覆すかということにおいて、考えられる最良の提言を提供するため、さらなる研究に早急に投資しなければならないのです」。

報告書によると、ミツバチの個体数は7.7%の種で減少し、12.6%の種では安定しており、0.7%の種で増加となっている。
ミツバチ類の残り79%の個体数の動向は不明である。

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2015年8月25日 (火)

気候変動に脆弱な生物の評価ガイドラインに関する最新の研究

和訳協力:工藤 英美、校正協力:高橋 哲子

2015年4月30日 ICUN Redlist News Release

ICUN(国際自然保護連合)Species Survival Commission(SSC:種の保存委員会)のClimate Change Specialist Group(気候変動専門家グループ)が、世界の専門家たちと共同で行った研究で、気候変動に脆弱な生物種の評価方法の再評価が行われ、自然保護活動家にとって貴重な指針が示された。
この研究で、研究対象となっている生物種群や地域に偏りがあることが明らかになった。
北アメリカやヨーロッパ、オーストラリアにおける鳥類、哺乳類、植物がその大多数を占めていたのである。

筆頭著者であるSapienza University of Rome(ローマ・ラ・サピエンツァ大学)のGlobal Mammal Assessment Program((仮)世界哺乳類評価プログラム)のMichela Pacifici氏は、「今後数十年で、気候変動が生物多様性を減少させる主な要因となるでしょう。気候変動の影響を受けると思われる生物種を正確に予測することは、自然保護活動を進めるのに十分な時間を確保するために不可欠です。始めるのが早ければ早いほど、私たちの選択肢は広がるのです」と言う。

本研究の著者グループは、1996年から2014年に発行された気候変動に脆弱な生物種に関する97の研究を再評価し、対象とする種や適用基準、地域に偏りがあることを明らかにした。

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2015年6月17日 (水)

IUCNが地中海地方東部における淡水生物多様性の危機的状況に警鐘を鳴らす

和訳協力:森田 猛、校正協力:オダウド 陽子

2015年2月2日 IUCN News story

International Union for Conservation of Nature(IUCN:国際自然保護連合)は、地中海地方東部における淡水生物多様性の包括的評価から憂慮すべき結論を発表した。
この調査のねらいは、現在この地域において知名度の低い淡水生物多様性保全の喚起、総合水資源管理の実践の促進、政策立案者に対する信頼性の高い最新データの提供である。

World Wetlands Day(世界湿地の日)である2月2日に、地中海地方東部に生息する1,236種(魚類、軟体動物、トンボ類、イトトンボ類、植物、鳥類、両生類、哺乳類、節足動物)の保護状況の評価の研究が発表された。
これらの種のうち3分の1近くは地球上のほかの地域ではみられない種であり、この地域が生物の宝庫であることを示している。

今回の調査により対象種のほぼ5分の1(19%)、ならびにこの地域の固有種の半数以上(58%)が絶滅の危機に晒されていることが明らかになった。
6種(すべて魚類)は地球全体で絶滅(EX)、さらに18種(魚類7種と軟体動物11種)についてはCritically Endangered Possibly Extinct((仮)絶滅寸前で絶滅した可能性がある種)とされ、早急に実態調査を行い、これらの種がまだ存続しているかの確認を要すると判定された。

トルコの草の根保護団体Doğa DerneğiのEngin Yilmaz会長は、「調査によりこの地域の淡水生物の生育・生息環境が切迫した状況にあることがわかります。淡水環境に生息する種を守り、そして社会的、経済的、環境的側面で将来必要とされる、淡水環境がもたらす価値を守るためには、早急に湿地の復旧および保護を行う必要があります」、としている。

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2015年4月 2日 (木)

付録: ペット、水族館・動植物園での生体展示、生き餌あるいは生食の用途での外来種の導入に伴うリスクに対処するための措置の考案及び実施に関する指針

和訳協力:久保 直子、校正協力:高島 裕以

2014年10月17日 UNEP/CBD/COP/DEC/XII/16

本指針の目的と特徴

1.本指針は、国家、地域、その中の小さな地域や、その他の基準の地域において、ペット、水族館・動植物園での生体展示、生き餌あるいは生食の用途(以降、「ペット等の用途」とする)での外来種の導入に伴うリスクに対処するための措置の考案及び実施について、各国や関連組織を支援することを目的とするものである。本指針は、関係当局が規制または行動規範の策定の際、または国際機関、産業界及び市民社会の組織が自主的に設けた行動規範や、その他の指針に利用できる要素を提供するものである。

2.ペット等の用途での侵略的外来種の導入は、侵入経路が「逸出」であるとされる。逸出は、生物が捕獲または閉じ込められた状態から自然環境へと移動することを意味する。この侵入経路を通じて、生物は最初、意図的に輸入または移送されて閉じ込められた状態におかれ、その後逃げ出す。逸出には、生きた生物を意図的に、偶発的に、または不注意で自然環境へ解放することを含み、生食用の食糧を野外へ廃棄処分する場合や、制限域外の水系における生き餌を使用するような場合も含まれる。

3.本指針では、ペット等の用途で導入された外来種には、下位分類群及び交雑により得られた種(故意に輸入または移送された、その地域では外来種となる生物と在来生物との雑種を含む)も含めるものとする。

4.本指針は、インターネット取引も含め、外来生物を国内または国内の特定の生物地理区へ、ペット等の用途で輸入または移送する場合に適用する。本指針は、国、関連組織、産業界、消費者など、価値連鎖に沿って関わるすべての人々(輸入業者、繁殖業者、卸売業者、小売業者及びその顧客など)と関わりがある。生食用の種においては、さらに飲食店及び市場もその対象に含まれる。

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2015年3月18日 (水)

侵略的外来種: 外来種をペット、水族館・動植物園での生体展示、生き餌あるいは生食を目的として導入する際にともなうリスク管理および関連事項

和訳協力:久保 直子、校正協力:高島 裕以

2014年10月17日 UNEP/CBD/COP/DEC/XII/16

締約国は、

侵略的外来種が、ペット、水族館・動植物園での生体展示、生き餌あるいは生食の用途(以降、「ペット等の用途」とする)で導入されることによる、生物多様性への悪影響、および逃げ出したり野外に放たれたりした場合のリスクを認識しつつ、

締約国、その他の国の政府、関連組織および生物多様性のあらゆる利害関係者が、決議Ⅵ/23*の付録にある、生態系、生息地または種を脅かす外来種の影響の予防、導入、緩和のための指針原則を、今後も指針となることを再確認しつつ、

決議Ⅸ/4において、締約国に対し、International Plant Protection Convention(国際植物防疫条約)、World Organisation for Animal Health(国際獣疫事務局)、その他の関連組織が策定した、リスク評価指針およびその他の手順並びに基準の利用が奨励されていることを想起しつつ、

また決議Ⅺ/28における、決議Ⅸ /4 Aの第11、12、13節および決議Ⅹ/38の第13節で述べられている事柄、特にWorld Trade Organization(世界貿易機関)により基準策定機関と認められている組織(国際植物防疫条約、国際獣疫事務局、Codex Alimentarius Commission(国際食品規格委員会)およびその他の関連組織との関係向上について、引き続き努力するための事務総長への要請を想起しつつ、

1.本決議の付録として記載されている、ペット等の用途での外来種の導入に伴うリスクに対処するための措置を考案し、履行することについての任意な指針を採択する。ついては、この指針に従ってとられた措置は、適用する国内並びに国際的義務に整合するものであると認める。

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2015年1月25日 (日)

エボラ出血熱の大流行により注目される生物多様性の損失と人間の健康との重大な関係についてIUCN野生生物保健専門家グループが声明を発表

和訳協力:山田 由加里、校正協力:河村 美和

2014年10月8日  IUCN statement

国際自然保護連合(IUCN)は、現在韓国で開催されているConvention on Biological Diversity(CBD:生物多様性条約)の締約国会議でIUCN生物多様性保全グループ代表のJane Smart博士の声明を発表した。

現在世界はエボラ出血熱の大流行により非常に危機的な状況に直面している。

この病気の潜在的な原因が、開発と生物多様性の損失に関連していることに気づいている人はおそらくまだ少なく、ほとんど関係はないと思われている。

しかし、現実には関係があり、生物多様性条約がこの問題のリーダーシップを示し、生息地の変化とそれに関連する生物多様性の損失とが、人間の健康とどのように関わっているかを明らかにすることの重要性について、人々に注目してもらうことが必要であると、IUCNは考えている。
人間の健康と生物多様性の両者を守る「原点回帰」の取り組みがいかに必要であるかを明確に説明することが、本来的に重要なことなのだ。

たとえば、生物多様性の専門家の間でさえ認識は広まってはいないが、森林破壊による土地の利用の変化が人間の病気発生の主な原因となっている。

当然のことながら、生息・生育環境の変化によって、生態系の機能が根本的に変わってしまうだけでなく、食の安全は脅かされ、人間が伝統的な薬を利用することもできなくなる。

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2015年1月17日 (土)

生物多様性の危機回避に向け、いまだ足取り重い各国政府

和訳協力:河島 佳代子、校正協力:K.M

2014年10月17日 IUCN International news release

生物多様性の危機と、それが人類の健康に及ぼす影響への認識が高まりつつあるにも関わらず、政府の対応の規模は被害の大きさに全く見合っていない。
International Union for Conservation of Nature(IUCN:国際自然保護連合)は、本日韓国で幕を閉じたConvention on Biological Diversity(生物多様性条約)の12th meeting of the Conference of the Parties(COP12:第12回締約国会議)で、このように述べている。

「今年の生物多様性に関する協議は、2020年までの生物多様性目標を達成しようとするならば、状況は切迫したものであるという新たな認識をもって終結しました」と語るのは、IUCNのJulia Marton-Lefevre事務局長である。
「生物多様性の危機に対する独創的で興味深い対応が発表され、自然がどのようにして非常に多くの社会的課題に対する解決策を提供できるのかが強調されました。しかし、UN Decade on Biodiversity(国連生物多様性の10年)に残された数年間で強い影響力をもたらすには、進行中の効果的な活動の大幅な規模拡大を念頭に置く必要があるでしょう」。

10月6日の会議初日に公表されたfourth edition of the Global Biodiversity Outlook 4(GBO-4:地球規模生物多様性概況第4版)の結果は、生物多様性の現状改善をもたらすには、各国が生物多様性保全措置を強化し、Strategic Plan for Biodiversity(生物多様性戦略計画)の加速度的実施の責任を果たす必要があることを明らかにした。

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2015年1月15日 (木)

愛知目標は失敗?

和訳協力:金子 さえ、校正協力:久野 陽子

2014年10月6日  IUCN Article

2010年に日本で開催されたConvention on Biological Diversity(CBD:生物多様性条約)の締約国会議において、世界のほとんどの政府が、2020年までに絶滅の危機と地球の自然資本の回復に取り組むために設定された20の目標に同意した。
しかし最新のデータによれば、それらの目標の多くは達成できそうにない。
2014年のCBDの締約国会議が今日大韓民国で始まり、IUCN(国際自然保護連合)は目標達成に向けた努力を促進するための活動と資金の緊急投入を要求する。

「自然のための大きな計画の中間点において、2010年に私たちが発した緊急の呼びかけに対する答えがまだ得られていないことは明らかです。世界が同意した目標の多くは、期限内に達成できないでしょう」と、IUCNのJulia Marton-Lefevre事務局長は言う。
「政府が自然と国民の幸福のための努力と資源を増強させる必要性について、いくら言っても大袈裟すぎることはありません。これはすべての生き物にとって持続可能な未来を確保するために、私たちができる、そしてしなくてはならない、最良の投資なのです」。

保護地域のよりよい保護

陸域の17%と海域の10%を保護するという国際目標の達成に向けた経過は著しい進展を見せてはいるが、設定された保護地域の多くは十分な管理と資金供給がなされていない。

「各国は、保護地域の範囲を広げることに最も関心があるように思えます」と、IUCNのBiodiversity Group(生物多様性グループ)のJane Smart局長は言う。
「しかしそのほかの点については、大きな課題が残っています。効果的な管理や、生物多様性にとって特に重要な地域と生態学的に代表的な地域の保全などです」。

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