63%がミネアポリスのロック(閘門)閉鎖で外来魚防除に賛同
翻訳協力:鳥取 薫子、校正協力:鈴木 洋子
2013年8月7日 National Wildlife Federetaion Current News
自然保護団体により本日発表された新しい世論調査によると、Asian Carp(アジアンカープ、米国に人為的に移入された数種のコイ科の魚)の侵入拡大を抑制するためミネアポリスのロックを閉鎖することに、ミネソタ州の様々な政党の支持者が賛同している。
多くの共和党員、民主党員、無所属派らが、政党の垣根を越え、ロックの閉鎖を支持しているのだ。
ロックの閉鎖は、アジアンカープの侵入から五大湖を含むミネソタ州の河川や湖を守る戦いの重要な足掛かりとなる。
「我々の世論調査では、ミネソタ州の河川や湖をアジアンカープから守ることで、共和党員、民主党員、そして無所属派が団結していることが明らかになりました。」と、世論調査を作成、実施したワシントンD.C.を本拠地とするBelden Russonello Strategist社のシニアディレクターEmma White氏は述べた。
「アジアンカープがさらに上流へ上り、ミネソタ州の河川や湖へ侵入するのを防ぐ手段として、ミシシッピ川のロックをふさぐことを全政党の投票者が支持しているのです」。
アジアンカープ侵入防止を唱える団体Stop Carp Coalition((仮)ストップ・カープ連合)はこの世論調査結果を公開し、ミネソタ州の河川や湖へのアジアンカープのさらなる侵入を防ぐよう政府へ求めた。
「我々の河川や湖はミネソタ州を特徴づけるものであり、それを守るために我々は自分たちにできることをするべきなのです」と、National Wildlife Federetaion(NWF、全米野生生物連盟)のシニアディレクターのJason Dinsmore氏は述べた。
「アジアンカープはミシシッピ川のツイン・シティー(ミネアポリスとセントポールの二都市を中心とした大都市圏のこと)の少し南側で確認されており、これ以上私たちの河川や湖に侵入させないようにしなければなりません。アジアンカープは他の魚たちが必要とする食糧までも食い散らかし、かつ、そのほかの魚や生息環境を傷つけ、私たちが生きる生態系を脅かしているのです。一旦アジアンカープが侵入してしまえば、排除するのは不可能です。今ならミネアポリス付近のミシシッピ川のロックを閉鎖し、アジアンカープの侵入を防ぐことができますが、今すぐ対応しなければ手遅れになるかもしれません」。
「私たちミネソタ州が大切にしてきたものや私たちの生活様式が危機にさらされています。これらの大切にしてきたものには、素晴らしいアウトドアリクリエーションの伝統を守ること、ミネソタ州の在来魚のウオールアイ(スズキ目の魚)や、内陸湖遺産、そして、Mississippi National River and Recreation Area(ミシシッピ国立河川・レクリエーション地域)やSt.Croix National Scenic Riverway(セント・クロイ(仮)国立景勝河川)などの国立公園の保護が含まれます」と、National Parks Conservation Association(国立公園保全協会)の中西部北部地域のプログラム・マネージャーであるChristine Goepfert氏は述べた。
「一旦ロックを閉鎖すれば、アジアンカープの拡大を遅らせるために他のロックにも防壁を設置することによって、ミシシッピ川下流を守るための更なる戦略に関する取り組みに集中することができ、また、この脅威に立ち向かうための研究のサポートも続けることができるのです」。
世論調査の結果
6月27日から30日の間、ミネソタ州で登録している404名の投票者を対象に調査が実施された。
信頼水準95%でサンプリング誤差は±4.9%である。
調査の資金はMcKnight Foundation(マックナイト財団)が助成した。
調査の重要項目は下記のとおり:
1.ミネソタ州の投票者のほとんどがアジアンカープをよく知っている。
投票者の10人に6人が「アジアンカープという魚」について「よく聞いたことがある(32%)」、「ある程度聞いたことがある(31%)」と回答する一方、22%が「少し聞いたことがある」と回答し、「聞いたことがない」と回答したものはわずか15%だった。
2.ミネソタ州民はアジアンカープのミネソタ州への侵入に不安を感じている。
93%の投票者が、アジアンカープがミネソタ州の河川や湖に侵入するのでないかと不安を感じている。政党別にみると、民主党員がアジアンカープの分布の拡大に最も関心があるが(64%が非常に不安を感じると回答)、共和党員の大多数(53%)、無所属派ら(56%)も同様に高い関心を寄せている。
3.投票者はアジアンカープの分布の拡大を防ぐためロック閉鎖を支持している。
アジアンカープの分布の拡大を防ぐためにロックを閉鎖することに対し、二大政党からの高い支持がある。63%が「ミネアポリス付近のミシシッピ川のロックやゲートを閉鎖し、アジアンカープの侵入拡大を食い止める物理的な障害物を建設する」提案に賛成している。賛同者の内訳は、民主党員(66%)、共和党員(66%)、無所属(59%)。
アジアンカープはツイン・シティーのすぐそばまで来ており、自然保護団体はミネソタ州の河川や湖にこれ以上外来魚が定着しないよう、セントアンソニー滝の上流のロックを閉鎖するよう求める連邦法案「Upper Mississipi CARP ACT(H.R. 709/S. 365)」を成立させるよう、強く政府へ求めている。
「ロックを閉鎖することが上流への分布の移動を阻止するために最も効果的な解決方法です」と、Minnesota Coalition of Lake Associations((仮)湖沼団体ミネソタ連合)のBarb Halbakken Fishburg氏は述べた。
「私たちは環境や経済を守るため、ミネソタ州連邦議会代表団に対してセントアンソニー滝の上流のロックを閉鎖する法案の成立を強く求めています。私たちはこれらの陸水、そして自然の生態系を守らなければならないのです。それはミネソタ州にとって最も重要なことなのです」。
野生生物管理者らは、この外来魚が在来種を絶滅させ、それらの生息環境を破壊するのではないかと心配している。
アジアンカープはミシシッピ川やイリノイ川の広範囲に定着しており、ある水域では生息している生物の90%以上がアジアンカープであるとの報告が上がっている。
「アジアンカープは過去に経済破壊、環境破壊を引き起こしています」と、Minnesota Conservation Federation((仮)ミネソタ自然保護連盟)理事のGary Botzek氏は述べた。
「ミネソタ州ではそうならないようにしたいのです。幸運にも、私たちにはアジアンカープがさらに上流に侵入するのを防ぐ解決策があります。しかし、ぐずぐずしている暇はありせん。政府は早急に対応しなければならないのです」。
ミネソタ州天然資源省によると、ミネソタ州では漁業が43,000人もの雇用を支え、年間28億ドルの直接支出を生み、そして、州政府・連邦政府への税収入として年間6億4千万ドル以上も貢献しているという。
「アジアンカープは、ミネソタ州の経済にとって年間何十億ドルもの価値を生みだす商業的かつ娯楽的な漁業に多大なる損害を与える可能性があるのです」と、Anglers for Habitat(自然保護団体)の代表であるLance Ness氏はいう。
「我々が何も行動しなければ、雇用や経済に対する脅威は大きくなるばかりです。この問題には解決策があります。今まさに行動するべき時なのです」。
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