陸棲脊椎動物の絶滅が加速していることが調査により判明
和訳協力:熊倉 健司、校正協力:木田 直子
2020年6月1日 PHYS ORG News
2015年、スタンフォード大学の生物学者Paul Ehrlich氏は、世界で6度目の大量絶滅が進行中であるとする研究論文を共同執筆した。
5年後、Ehrlich氏と他の組織に所属する同僚たちは情報を更新し、さらに厳しい状況になったとしている。
それによると、絶滅率は以前考えられていたよりもはるかに高く、人々が生きるために不可欠なサービスを提供する自然の能力を蝕んでいるという。
米国科学アカデミー紀要に今週掲載されたEhrlich氏らの新しい論文には、野生生物の売買やその他の人間活動による影響により、何百もの種が殺され、前例のない速度で絶滅の危機に追いやられていることが示されている。
ちなみに、科学者らは、20世紀の間に少なくとも543種の陸棲脊椎動物が絶滅したと推定している。
Ehrlich氏と共同著者らは、今後20年間だけでほぼ同数の種が絶滅する可能性が高いと推定している。
研究者らによると、この傾向の連鎖的な影響には、COVID-19のような人間の健康上の脅威の激化も含まれている。
「人類が、他の生物の個体群や、他の生物種を絶滅させることは、自身が腰かけている木の枝を切り落とすことと同じで、私たち自身の生命維持システムの機能を破壊することなのです」と、スタンフォード大学文理学部・大学院の個体群動態研究のビング教授であり、名誉教授にして、スタンフォード大学ウッズ環境研究所名誉シニアフェローのEhrlich氏は述べている。
「絶滅危惧種の保全は、関連性がある気候変動問題と同様に、政府や組織により全国的、また世界的な緊急課題として昇格させるべきです」。
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