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17 海洋生物

2021年9月21日 (火)

ガラパゴス諸島の貴重な海洋生物を中国の巨大漁船団からどのように守るか

和訳協力:二之方 わかさ、校正協力:真井 悠美子

2020年8月26日 PHYS ORG News

ほとんどが中国籍の船からなる300隻を超える外国漁船が、7月下旬からガラパゴス諸島周辺の公海に停泊し続けている。
エクアドルの海岸からおよそ1,000kmに位置する同諸島は、珍しい野生生物がいることでよく知られている。

これらの漁船は公海上に停泊しているため、論理的には合法である。
情報によると、漁船はイカ釣り漁船で、この海域に4年にわたりやってきているという。
しかし、生態学的な現実として、魚は海の境界線を認識しないため、ガラパゴス海洋保護区に近接して大規模な漁獲を行うと、ジンベイザメやシュモクザメなどの保護区域内でみられる回遊性の絶滅危惧種を脅かすことになる。

このニュースはガラパゴス諸島においてはげしい抗議を引き起こした。
2017年、海洋保護区内で発見された中国漁船から絶滅危惧種を含む何千匹ものサメが見つかった事件は、現地の人々の記憶にいまだ鮮明に残っている。

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2021年9月14日 (火)

増大する中国漁船団により世界の海洋資源が枯渇

和訳協力:福田 志保、校正協力:花嶋 みのり

2020年8月17日、Yale Environment 360 News

中国近隣海域で資源を捕獲し尽くした中国漁船の大群が、他国の海域に移動して、海洋資源を枯渇させている。中国は東アジアからラテンアメリカに至るまでの海域で自らの権利を主張し、さらには地政学的な野望も明らかにしており、海産物以上のものが危険にさらされている。


何年にもわたり、何十隻もの木製の朽ちた「幽霊船」が、多くの場合、餓死の末に白骨化した北朝鮮の漁師の死体を乗せ、日常的に日本沿岸に漂着する理由は不明だった。

だが、新しい衛星データに基づき、私がNBCニュースのために行った最近の調査で、今海洋研究者たちが言っている説が最も可能性の高い説明であることが明らかになった。
中国が北朝鮮海域で違法に漁業を行うために、以前は公にはされていなかった商業漁船の大群を送り込み、北朝鮮の小型船を追い出したことで、かつては豊富だったイカの数が70%以上減少したのである。
日本に漂着した北朝鮮の漁師たちは、危険を冒して沿岸から遠く離れてイカを探し求めたが、その努力もむなしく、命を落としたようである。

昨年は700隻以上にも上る中国の漁船が、北朝鮮海域での外国籍船による操業を禁止する国連制裁に違反したとみられる。
北朝鮮の核実験に応じて2017年に出された制裁では、貴重な外貨と引き換えに北朝鮮海域での漁業権の販売を許可できないようにして、北朝鮮に制裁を加えることが目的とされていた。

この新しい発見は、世界の海洋に悲惨なほど管理が欠如していることを浮き彫りにしており、中国が海洋でかつてないほどの力を増した結果と、それが中国の地政学的願望とどう結びついているかという点について、一筋縄ではいかない疑問を投げかけている。

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2021年8月10日 (火)

ウミガメと陸ガメの受難

和訳協力:手塚 珠真子、校正協力:伊川 次郎

ウミガメと陸域のカメの世界的専門家が、絶滅の危険性に関する最も包括的な研究結果を発表し、回復に向けてのロードマップを提示

2020年6月22日 Turtle Survival Allince News

International Union for Conservation of Nature's(IUCN:国際自然保護連合)のTortoise and Freshwater Turtle Specialist Group(淡水ガメ・陸上カメ類専門家グループ)所属の51名の専門家らは、2020年6月22日、ウミガメと陸域のカメの絶滅の危機に関する最も包括的な研究結果をまとめ、学術雑誌Current Biologyに発表した。
ウミガメと陸域のカメ全360種のうち、半分以上が絶滅の危機に瀕しているが、論文の著者らは、減少している状況を逆転させ、多くの種を救うために推奨することがあると述べている。
専門家らの分析と調査によると、世界的な保全戦略として重要なのは、野生のカメの食用やペットとしての飼育目的の取引をやめることだという。

毎年何十万匹もの野生のウミガメと陸域のカメが捕獲され、取引されている。
どちらも寿命が長く、成長は遅い。
つまり、野生から捕獲された分の個体数を回復するのに十分な速さで繁殖できないということだ。
この数年間で最大規模の押収劇が何度か発生している。
昨年5月、メキシコ当局はかつてなく大量の生きたウミガメを押収した。
メキシコから中国に15,000匹のカメが密輸されようとしていたのだ。
2018年にはマダガスカルで、わずか数か月のうちに2回ホウシャガメが押収され、合わせると18,000匹近かった。

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2021年7月20日 (火)

国際的規制当局の世界最大のマグロの売り尽くし方

和訳協力:伊川 次郎、校正協力:木田 直子

2020年6月16日 Yale Environment 360 news

地中海と東大西洋におけるマグロ類の乱獲が世界中で何年にも渡って報道された後、2010年になって、絶滅の危機にさらされているこの魚を管理している国際的な規制当局が屈服した。
当局が、年間の総漁獲可能量を、記録上最低レベルである12,900tに削減したのだ。
この世でもっともジューシーな寿司ネタとして珍重される、世界中で一番価値のある魚の資源量回復が有望視された。

しかしながら10年後、タイセイヨウクロマグロの状況は再び厳しいものになってきている。
個体数回復のかすかな兆候をつかみ、条約によりこのすばらしい生き物の保護を命じられた組織であるInternational Commission for the Conservation of Atlantic Tunas (ICCAT:大西洋マグロ類保存国際委員会)は、方針を転換した。
2017年末に、マグロ類の資源量回復のための6年間の漁獲量削減圧力は十分なものであったと結論づけたICCATは、東大西洋と地中海における総漁獲量を2010年の最低水準から3倍に増やし、2020年の漁獲量割り当てを過去最高の36,000tに設定したのである。
闇市場が急増している中、総t数の計算に用いられるデータには前々から違法あるいは無報告な漁獲量が含まれていないという事実があるにもかかわらず、である。
2018年の欧州刑事警察機構の報告が明らかにしたところによれば、国際的な合意や密漁を防止するための追跡技術があるにもかかわらず、東大西洋のマグロ類の闇市場の規模は合法市場の2倍に上るという。

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2021年1月19日 (火)

海鳥の保護が気候変動からサンゴ礁を守る助けとなる可能性

和訳協力:手塚 珠真子、校正:JWCS

海鳥の大きな繁殖コロニーがある島の周辺のサンゴ礁は、死滅の原因となる気候変動がもたらす危機から比較的早く回復する可能性があり、危機的状況にある海鳥の保護が、サンゴ礁も保護する現実的な対策となり得る。

2019年7月17日 Anthropocene Daily Science News

生涯、もしくはその大半を海で生きる海鳥は、周辺環境で最も危機にさらされている動物だ。
20世紀半ば以降、海鳥たちは個体数がおよそ2/3減少しており、その保護は急を要する人道的課題となっている。
そしてそれは、気候変動からサンゴ礁を守ろうとする人々にとっても、現実的な対策になり得るかもしれない。

島に近いサンゴ礁の環境耐性を、島に海鳥の大きな繁殖地があるかないかで比較したところ、海鳥の繁殖地がある島の方がサンゴ礁が白化現象からより早く回復することがわかった。
白化現象は、海水温の上昇により、サンゴの体内に生息する藻類が抜け出すことによるものである。
サンゴはこの藻類に依存して生きているため、多くのサンゴはやがて死んでしまう。
白化現象はより頻繁に起き、またより規模が大きくなりつつあり、地球のサンゴ礁を待ったなしで脅かしている。

だが、科学雑誌「グローバル・チェンジ・バイオロジー」に掲載された、ランカスター大学の生態学者であるCassandra Benkwitt氏とNicholas Graham氏を代表とする研究者たちが書いた論文によれば、海鳥が「サンゴ礁の回復を促進する」可能性があるという。
海鳥の保護は、特効薬にはならないが助けにはなるだろうというのだ。

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2020年12月15日 (火)

絶滅危惧種のサメの遺伝子がペットフードと化粧品から発見される

和訳協力:佐藤 正根、校正協力:長井 美有紀(Myuty-Chic)

2019年9月4日 Conservation Genetics掲載論文要約部分抜粋

ヒレや肉、肝油などサメ由来製品の一時的なグローバル需要が、過去30年内に観察されたサメの乱獲傾向の主要な要因であることは間違いないだろう。
サメ由来製品で通常最も取引されるのはヒレであり、アジアの様々な国でスープ用の珍味として使用されている。
それにもかかわらず、サメ肉の取引は過去10年で実質的に増加している一方で、肝油の取引についてはあまり分かっていない。
サメの肝油は、化粧品業界では保湿剤として非常に価値があり、サメ肉に関しては多くの国で直接消費されているが、その使用用途については全容は分かっていない。
今回、筆者はマルチプレックスミニバーコードPCRプロトコルを使用し、化粧品とペットフードからサメのDNAを検出し、検出したDNAから属と種、またはそのどちらかのレベルまで特定した。

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2020年11月17日 (火)

4億5000万年生き抜いてきたカブトガニが中国で絶滅のおそれ

和訳協力:岩城 小百合、校正協力:榛木 久実

2019年9月30日 Chinadialogue Ocean News

製薬業界でカブトガニの青い血液への需要が高まり、数が激減

中国のカブトガニの数が過去30年間で急激に減少している。
銅を含むカブトガニの血液への需要が高まったことが、その主な原因である。
カブトガニの血液は、これまで開発された中で最も敏感な細菌汚染の検出薬として用いられている。

カブトガニは、恐竜よりも前の4億5000万年前から生き抜いてきた生物である。
今年の3月、International Union for Conservation of Nature(IUCN:国際自然保護連合)が、カブトガニ(Chinese horseshoe crab、tri-spine horseshoeとして知られる)を絶滅危惧種としてレッドリストに加えた。
しかし、中国ではその危機的な状況を気にかける人が少なく、専門家たちはカブトガニを守るためのより強固な保護策を講じるよう警鐘を鳴らしている。

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2020年11月10日 (火)

科学者らが2030年までに世界の3分の1の海洋を保護する手法を立案

和訳協力:森田 みゆき、校正協力:佐々木 美穂子

2019年4月4日 PHYS ORG News

ヨーク大学の科学者らは、野生動物の保護と気候変動の影響緩和のため、2030年までに世界の1/3以上の海洋を保護する手法を打ち出した。
この研究では、30%または50%におよぶ世界の海洋を完全に保護する重要性を調査している。
2億3千万km2におよぶ国の管轄区域を超えた海域の保護を目的とした、Global Ocean Treatyの採択に向けた国連での協議の一環で、これらの数値目標は広く話し合われてきた。

研究者らは、類似する大規模なある研究で、地球のほぼ半分をカバーする範囲の海を、縦100x横100kmの正方形で2万5千個に分けて分析した。
次に、野生生物とその生息環境や主要な海洋学的特徴を含む、458の異なる保全上の特徴の分布を地図上で示し、有害な人間活動の影響がおよばない、地球規模の海洋保護区ネットワークとはどのような姿になるのかという、何百ものシナリオを作成した。

ヨーク大学とオックスフォード大学、およびグリーンピースの研究者からなるチームは、公海の海洋保護区ネットワークを取り入れれば、野生生物のホットスポットの保護目標を達成できると説明した。

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2020年8月18日 (火)

最新の調査により、ウミガメの違法取引がインドネシア、マレーシアおよびベトナムで長年横行していることが判明

和訳協力:矢口 陽子、校正協力:高橋 公貴

2019年11月19日 CITES JOINT PRESS RELEASE

CITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称ワシントン条約)事務局の委託によりTRAFFICが実施した新しい調査の報告によると、インドネシア、マレーシアおよびベトナムにおいて、現物市場とオンライン市場の両方での押収物から、数千匹のウミガメとその体の一部が見つかったとのことである。

2015年から2019年7月までに、上記3か国において法執行が行われた163件の事件で、丸1匹の生きたウミガメと死んだウミガメを合わせて、少なくとも2,345匹が押収された。
91,000個以上の卵(そのうち75,000個はマレーシアだけで押収された)も、3,000個近い甲羅と1.7tの肉とともに押収された。

上記3か国以外の国で2016年と2017年に実施された押収データの分析では、ウミガメの国際的な違法取引に、インドネシアとベトナムが関与していることが示された。
ベトナムは精査された8件の押収事案のうち、原産国または消費国として6件に関わっていた。
この8件の押収事案において、少なくとも782匹のオサガメが押収され、そのうち380匹以上はハイチで捕獲されたもので、フランスからベトナムへ送られようとしていた。

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2020年6月23日 (火)

公海での生物多様性保護に求められる移動性海洋保護区

和訳協力:長縄 英里香、校正協力:鈴木 康子

2020年1月16日 PHYS ORG News

各国指導者は、世界の海洋環境の大部分を占める公海に適用される法律の改訂に取り組んでいる。
これは気候変動下における生物種の移動に合わせて、保護区を移動させることを可能にする新たな取り組みを導入するまたとない機会であると、今週、海洋科学者が述べている。

1月17日発刊の科学雑誌『サイエンス』に掲載された論文において、科学者らは1982年に採択された「海洋法に関する国際連合条約」(UNCLOS、通称「国連海洋法条約」の改訂において、国連が移動性海洋保護区を盛り込むよう主張している。

「動物がひとつの場所にとどまっていないことは明らかです。多くが広大な海域を移動しており、その範囲は時と場所によって異なります」と、この論文の筆頭著者であるワシントン大学ボセル校で回遊性海洋生物の研究を行っているSara Maxwell助教授は述べている。
「固定した海洋保護区を設けても、気候変動が起これば保護しようとしている動物がその場所から移動してしまう可能性があります」。

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