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42 野生生物の暮らす環境

2020年7月28日 (火)

計画中の水力発電用ダム、ガボンの魚類への脅威に

和訳協力:堀込 奈穂子、校正協力:伊川 次郎

2020年2月6日 PHYS ORG News

新たな研究によると、ガボンで計画中の水力発電用ダムは、アフリカ諸国の特に文化的にも経済的にも重要な魚類にとって大きな驚異となっている。

本日、科学雑誌『Ecosphere』に掲載された本研究は、博物館の記録を生態学的データに関連付けることにより、中央アフリカの淡水魚の分布を予測する初めての研究である。
データの統合により、研究者らはガボンで建設予定の40基近くのダムが多くの魚類にどのようび影響を与えるかを推定することができた。

ガボンの文化的、経済的に重要な魚類の多くは、海から川に移動する。
この中には、400㎞も遡上し、純粋な淡水域まで達する種もいることが知られている。

ガボンには世界でも有数の、構造物のない原生的な水系があり、淡水生物の多様性が豊かである。
計画中のダム群は、海洋種にとっても適した環境である多くの淡水生息地への移動を阻むものであり、少なくとも350の魚種に影響を与えるだろうと、オレゴン州立大学の准教授であり、研究共著者でもあるBrian Sidlauskas氏は言う。

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2020年6月16日 (火)

エルニーニョがアマゾンに生息する昆虫の急減の一因であることが最新の調査で明らかに

和訳協力:木村 敦子、校正協力:鈴木 洋子

2020年2月10日 PHY ORG News

暑さと乾燥を激化させるエルニーニョ現象はアマゾンの熱帯雨林の生物多様性に憂慮すべき影響を与え続けており、さらに不安を与えるような全世界の昆虫の急減に拍車をかけていることが科学者たちにより明らかにされている。

地味ではあるが生態学的に重要な糞虫類に重点をおいた最新の研究から、最近のエルニーニョ気候現象の間に起こった深刻な干ばつと山火事は、人間の干渉と組み合わさって糞虫類の個体数を半数以下に減少させ、この影響が少なくとも2年間以上続いていることが初めて明らかになった。

2015-2016年に起きたエルニーニョは、2019年の森林破壊火災よりも注目を集めなかったが、非常に著しい干ばつをもたらした。
また農業や森林破壊などの人間活動と相いまって、一つの地域だけでの100万haが焼けた火災を含め、アマゾンの森林の300万ha以上を焼いた巨大規模の山火事の一因となった。

アマゾン川流域の熱帯樹林での山火事と干ばつの影響は数十年間にわたって調査されてきたが、研究者達は、干ばつと山火事が動物相に及ぼす影響および生態系の機能におけるそれらの役割についてはあまり理解していなかった。

糞虫類は栄養分と種子を分散させる重要な役割を果たしており、また生態系の全体の健全性を評価するために用いられている重要な指標昆虫である。

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2020年4月21日 (火)

アフリカゾウの生息域分布はヒトの占有する生態系では採餌機会により強い影響を受ける

和訳協力:石山 彩子、校正協力:プリチャード 若菜

2019年10月2日 Ecography掲載論文要約部分抜粋

種の空間利用における基本的な行動パターンは、採餌とそれに伴う危険性との兼ね合いにより決まる。アフリカゾウについては、密猟や人間との軋轢が個体数減少の主要因とされるが、ヒトの活動地域で襲撃されることに直面したアフリカゾウがとる空間利用および行動パターンは、ほとんど知られていない。我々は、ゾウが主に生息する保護区の柵外のコミュニティの放牧地という動的な生態系において、ゾウが資源へのアクセスと、ヒトの存在および襲撃される危険性(密猟や人との軋轢によるもの)といった要素をどのようにバランスを取りながら行動するかの理解を試みた。

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2020年3月27日 (金)

違法な伐採、漁業、野生生物取引の実質費用は年1兆~2兆ドルに

和訳協力:深井 悠、校正協力:鈴木 洋子

2019年10月29日 World Bank Blogs

違法な伐採、漁業、野生生物取引により、世界から貴重な天然資源が、そして最終的には開発の利益や人々の暮らしが奪われている。
統計値は厳しい現実を示しており、象牙を得るために約30分に1頭のゾウが、また角を取る目的で8時間に1頭のアフリカのサイが密猟され、魚は5匹のうち1匹は不法に漁獲されており、そして特にアフリカと南アメリカにおけるある特定の国々では、木材の50~90%が違法に切り出されて取引されている。
すべての違法取引額のうち35%はシタン材に由来すると推定される。

世界銀行は先週「Illegal Logging, Fishing and Wildlife Trade: The Costs and How to Combat It((仮)違法な伐採、漁業、野生生物取引-そのコストと戦い方)」という新たなレポートを発表した。
本レポートでは、これらの違法行為の年間のコストを1兆~2兆ドル(約110兆~220兆円、2020年2月18日付換算レート:1USドル=109.75円)という膨大な金額であると計算した。
こうした損失のうち90%以上が、森林や野生生物、沿岸資源がもたらし、炭素貯蔵、生物多様性、水のろ過、洪水貯留など、現在は市場によって評価されていない生態系サービスに由来しているものだ。

この市場の失敗は、地球の生態系保全の取り組みについての大きな政策課題となっている。
天然資源の原産国政府は、地球の生態系保全のための財政的な利益を獲得するべきなのだ。
そして地域の暮らしを改善し財政的な収益を増やすために、合法的で持続可能な伐採や森林管理、合法的な漁業と野生生物取引を促進する必要がある。

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2020年3月17日 (火)

50年以上にわたりタグ装着・再捕獲したサメから得られた最新のサメアトラス

和訳協力:鈴木 康子、校正協力:伊川 次郎

2020年2月3日 PHYS ORG News

52年間にわたり大西洋に生息する35種のサメの分布と移動を記録したデータベースによって、ほとんど知られていない種の新たな情報が明らかとなった。
さらに、サメがどの海域を移動し、どの程度の年数を生きているかも含めた驚くべき発見も得られた。

科学者らは、1962年から2013年の間、サメにタグを装着あるいは再捕獲、またはその両方を行って、データを収集した。
サメは大西洋と、メキシコ湾、カリブ海、地中海を含むその関連海域で発見された。
この期間中にタグが付けられたサメは合計35種229,810個体におよび、再捕獲されたのは31種13,419個体であった。
この結果得られたデータは、2019年12月に発行された科学雑誌『Marine Fisheries Review』に発表された。

この新しい追跡データにより1962年から1993年に収集されていたデータが更新され、さらに22種の情報が追加された。
オオメジロザメやイタチザメおよびイヌホシザメを含めた14種のサメについては、詳細データが提供されている。
データの更新により、サメの分布域や行動に関する既存の情報が大幅に拡充されることとなった。

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2020年2月25日 (火)

研究によりカーリー盆地の水不足と自然植生の減少のつながりが明らかに

和訳協力:アダムス 雅枝、校正協力:佐々木 美穂子

2019年2月22日 Mongabay-India news

・ベンガルール出身の生態学者チームがカリ川流域を調査し、水と生物学的多様性、水文学、生態学および土地被覆または土地利用の変遷との間の相互関係を明らかにした。
・本研究は非計画的な開発事業や大規模な森林の分断化の悪影響にも注目した。
・ガンジス川の上流域における別の研究でも同様の結果が得られた。

インドの科学者らによる、インド半島の西ガーツ山脈にあるカリ川流域で、その水とエコロジカル・フットプリントの評価を行う新しい手法により、この流域の自然植生の減少が明らかになった。
これはこの地域における水の持続可能性に影響を及ぼすものである。

ベンガルールにあるIndian Institute of Science(IISc:インド科学研究所)の生態学者らが開発したこの手法は、最初にカルナータカ州内の河川の研究に使用され、河川流域における生物多様性、水文学、生態学および土地被覆または土地利用の動的な相互関係を評価した。

カリ川流域にはトラとサイチョウの保護区があり、また野生のゾウが生息している一方で、カリ川河口には37種の魚類や二枚貝、あるいは軟体動物が生息している。
この河川には1980年から2000年の間に築かれた6つの主要なダムもある。

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2020年1月28日 (火)

研究:食料の安全保障を脅かす世界の農業の動向

和訳協力:長谷川 祐子、校正協力:長井美有紀(Myuty-Chic)

2019年7月11日 EurekAlert News Release

柑橘類、コーヒー、アボカド、我々の食卓に載る食べ物はこの数十年でより多様化した。
しかしながら、世界の農業はこの動向を反映していない。
単一作物の大規模栽培が世界各地に広がっており、利用される土地は過去最大規模になっている。
それとともに、栽培されている作物の多くが虫やその他動物による授粉に頼るようになっている。
このことが食料の安全保障をますます脅かしていると、Martin Luther University Halle-Wittenberg(MLU:マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク)の支援を受けた研究チームが、科学雑誌Global Change Biologyに投稿した。
研究者らはこの研究のために、過去50年間の世界の農業開発を分析した。

研究者らは、1961~2016年の農作物の栽培に関するFAO(国連食糧農業機関)のデータを分析した。
それによると、世界各地でますます多くの土地が農地として利用されていることに加え、栽培作物の多様性も失われたという評価が出された。
一方で、最も早く成長する20種類の作物のうち16種類が、虫やその他の動物による授粉を必要とする。
「つい数か月前に、世界的な生物多様性の評価組織であるIPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間プラットフォーム)は、最大で100万種の動植物が絶滅の危機に瀕していることを世界に向けて公開しました。その中には花粉を運ぶ虫や動物も多く含まれています」と、この新しい研究の著者の1人であり、MLUに所属する生物学者のRobert Paxton教授は述べる。
特に影響を受けているのはハチである。
ミツバチ類は病原体や殺虫剤の脅威にますますさらされており、野生のミツバチ類の数は数十年間のうちに世界各地で減少し続けてきた。

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2019年11月26日 (火)

地域住民による森林管理が森林破壊と貧困を減らすことが新たな研究で判明

和訳協力:堀込 奈穂子、校正協力:日高 穂香

2019年5月8日 Phys org news

ネパールの地域コミュニティにその地域の森林を管理する機会を設けたところ、その地域の森林破壊と貧困が同時に減少したことが新たな研究で判明した。

同様の研究の中でも最大規模の研究において、マンチェスター大学率いる国際チームは、地域コミュニティが森林を管理することによって森林破壊の37%、貧困の4.3%が相対的に減少するに至ったことを発見した。

これは低所得国において特に顕著で、そうした国では、国内の1/3分以上の森林が国内人口の1/4分によって管理されている。

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2019年11月19日 (火)

大豆と関連した森林伐採を支えている中国銀行のリスクがレポートから判明

和訳協力:坂本 義教、校正協力:伊川 次郎


2019年5月30日 Mongabay


・情報開示プラットフォームである非営利団体のCDPから5月31日に発表されたレポートによれば、大豆サプライチェーンにおける森林伐採のリスクについて、中国の金融機関はほとんど意識していないという。
・中国は世界の大豆の60%以上を輸入しており、これは中国の会社や銀行が穀物栽培のための森林伐採の停止に重点的に取り組んだ場合、森林伐採の抑止と気候変動の減速に重要な役割を担うことができることを意味している。
・2017年にはブラジルの土地約490km2(189mile2)が中国向け大豆用に開墾された-これはその年のブラジルの「転用された」全土地の約40%に相当する。
・米国と中国の貿易戦争が続くにつれて、中国は大豆を求めてますますラテンアメリカに目を向け、穀物栽培のために土地が開墾される機会がさらに増える可能性がある。

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2019年10月18日 (金)

ダム撤去に対する生態系の反応は複雑だが予測可能

和訳協力:川端 裕二、校正協力:花嶋 みのり

2019年2月21日 Phys.org news by USDA Forest Service

米国では、1970年代以降1,400基以上ものダムが廃棄されており、ダムの撤去はいまや新規建設を上回るペースで進んでいる。
最新の研究によれば、ダム撤去による生態系への影響は予測可能だという。

学術雑誌『Bioscience』に掲載されたその研究は、ダム撤去に対して起こる生態学的反応を制御する一連の物理的、生物学的過程が同質のものであることを明らかにした。
これらの過程は、各ダムで見られる特有の環境条件と相まって、河川の生態系がいかなる反応を示すのかを最終的に決定付けるものである。

「流域の場所、大きさ、歴史が異なることから、各ダムの撤去が一つとして同じでないということを我々は発見しました。にもかかわらず、生態学的反応は大筋においてよく似た傾向を示していることが分かったのです」と述べるのは、論文の筆頭著者であり、アラスカのジュノーを拠点とする魚類生態学者で、U.S. Forest Service(米国森林局)のPacific Northwest Research Stationに所属するRyan Bellmore博士だ。

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