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42 野生生物の暮らす環境

2020年3月27日 (金)

違法な伐採、漁業、野生生物取引の実質費用は年1兆~2兆ドルに

和訳協力:深井 悠、校正協力:鈴木 洋子

2019年10月29日 World Bank Blogs

違法な伐採、漁業、野生生物取引により、世界から貴重な天然資源が、そして最終的には開発の利益や人々の暮らしが奪われている。
統計値は厳しい現実を示しており、象牙を得るために約30分に1頭のゾウが、また角を取る目的で8時間に1頭のアフリカのサイが密猟され、魚は5匹のうち1匹は不法に漁獲されており、そして特にアフリカと南アメリカにおけるある特定の国々では、木材の50~90%が違法に切り出されて取引されている。
すべての違法取引額のうち35%はシタン材に由来すると推定される。

世界銀行は先週「Illegal Logging, Fishing and Wildlife Trade: The Costs and How to Combat It((仮)違法な伐採、漁業、野生生物取引-そのコストと戦い方)」という新たなレポートを発表した。
本レポートでは、これらの違法行為の年間のコストを1兆~2兆ドル(約110兆~220兆円、2020年2月18日付換算レート:1USドル=109.75円)という膨大な金額であると計算した。
こうした損失のうち90%以上が、森林や野生生物、沿岸資源がもたらし、炭素貯蔵、生物多様性、水のろ過、洪水貯留など、現在は市場によって評価されていない生態系サービスに由来しているものだ。

この市場の失敗は、地球の生態系保全の取り組みについての大きな政策課題となっている。
天然資源の原産国政府は、地球の生態系保全のための財政的な利益を獲得するべきなのだ。
そして地域の暮らしを改善し財政的な収益を増やすために、合法的で持続可能な伐採や森林管理、合法的な漁業と野生生物取引を促進する必要がある。

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2020年3月17日 (火)

50年以上にわたりタグ装着・再捕獲したサメから得られた最新のサメアトラス

和訳協力:鈴木 康子、校正協力:伊川 次郎

2020年2月3日 PHYS ORG News

52年間にわたり大西洋に生息する35種のサメの分布と移動を記録したデータベースによって、ほとんど知られていない種の新たな情報が明らかとなった。
さらに、サメがどの海域を移動し、どの程度の年数を生きているかも含めた驚くべき発見も得られた。

科学者らは、1962年から2013年の間、サメにタグを装着あるいは再捕獲、またはその両方を行って、データを収集した。
サメは大西洋と、メキシコ湾、カリブ海、地中海を含むその関連海域で発見された。
この期間中にタグが付けられたサメは合計35種229,810個体におよび、再捕獲されたのは31種13,419個体であった。
この結果得られたデータは、2019年12月に発行された科学雑誌『Marine Fisheries Review』に発表された。

この新しい追跡データにより1962年から1993年に収集されていたデータが更新され、さらに22種の情報が追加された。
オオメジロザメやイタチザメおよびイヌホシザメを含めた14種のサメについては、詳細データが提供されている。
データの更新により、サメの分布域や行動に関する既存の情報が大幅に拡充されることとなった。

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2020年2月25日 (火)

研究によりカーリー盆地の水不足と自然植生の減少のつながりが明らかに

和訳協力:アダムス 雅枝、校正協力:佐々木 美穂子

2019年2月22日 Mongabay-India news

・ベンガルール出身の生態学者チームがカリ川流域を調査し、水と生物学的多様性、水文学、生態学および土地被覆または土地利用の変遷との間の相互関係を明らかにした。
・本研究は非計画的な開発事業や大規模な森林の分断化の悪影響にも注目した。
・ガンジス川の上流域における別の研究でも同様の結果が得られた。

インドの科学者らによる、インド半島の西ガーツ山脈にあるカリ川流域で、その水とエコロジカル・フットプリントの評価を行う新しい手法により、この流域の自然植生の減少が明らかになった。
これはこの地域における水の持続可能性に影響を及ぼすものである。

ベンガルールにあるIndian Institute of Science(IISc:インド科学研究所)の生態学者らが開発したこの手法は、最初にカルナータカ州内の河川の研究に使用され、河川流域における生物多様性、水文学、生態学および土地被覆または土地利用の動的な相互関係を評価した。

カリ川流域にはトラとサイチョウの保護区があり、また野生のゾウが生息している一方で、カリ川河口には37種の魚類や二枚貝、あるいは軟体動物が生息している。
この河川には1980年から2000年の間に築かれた6つの主要なダムもある。

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2020年1月28日 (火)

研究:食料の安全保障を脅かす世界の農業の動向

和訳協力:長谷川 祐子、校正協力:長井美有紀(Myuty-Chic)

2019年7月11日 EurekAlert News Release

柑橘類、コーヒー、アボガド、我々の食卓に載る食べ物はこの数十年でより多様化した。
しかしながら、世界の農業はこの動向を反映していない。
単一作物の大規模栽培が世界各地に広がっており、利用される土地は過去最大規模になっている。
それとともに、栽培されている作物の多くが虫やその他動物による授粉に頼るようになっている。
このことが食料の安全保障をますます脅かしていると、Martin Luther University Halle-Wittenberg(MLU:マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク)の支援を受けた研究チームが、科学雑誌Global Change Biologyに投稿した。
研究者らはこの研究のために、過去50年間の世界の農業開発を分析した。

研究者らは、1961~2016年の農作物の栽培に関するFAO(国連食糧農業機関)のデータを分析した。
それによると、世界各地でますます多くの土地が農地として利用されていることに加え、栽培作物の多様性も失われたという評価が出された。
一方で、最も早く成長する20種類の作物のうち16種類が、虫やその他の動物による授粉を必要とする。
「つい数か月前に、世界的な生物多様性の評価組織であるIPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間プラットフォーム)は、最大で100万種の動植物が絶滅の危機に瀕していることを世界に向けて公開しました。その中には花粉を運ぶ虫や動物も多く含まれています」と、この新しい研究の著者の1人であり、MLUに所属する生物学者のRobert Paxton教授は述べる。
特に影響を受けているのはハチである。
ミツバチ類は病原体や殺虫剤の脅威にますますさらされており、野生のミツバチ類の数は数十年間のうちに世界各地で減少し続けてきた。

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2019年11月26日 (火)

地域住民による森林管理が森林破壊と貧困を減らすことが新たな研究で判明

和訳協力:堀込 奈穂子、校正協力:日高 穂香

2019年5月8日 Phys org news

ネパールの地域コミュニティにその地域の森林を管理する機会を設けたところ、その地域の森林破壊と貧困が同時に減少したことが新たな研究で判明した。

同様の研究の中でも最大規模の研究において、マンチェスター大学率いる国際チームは、地域コミュニティが森林を管理することによって森林破壊の37%、貧困の4.3%が相対的に減少するに至ったことを発見した。

これは低所得国において特に顕著で、そうした国では、国内の1/3分以上の森林が国内人口の1/4分によって管理されている。

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2019年11月19日 (火)

大豆と関連した森林伐採を支えている中国銀行のリスクがレポートから判明

和訳協力:坂本 義教、校正協力:伊川 次郎


2019年5月30日 Mongabay


・情報開示プラットフォームである非営利団体のCDPから5月31日に発表されたレポートによれば、大豆サプライチェーンにおける森林伐採のリスクについて、中国の金融機関はほとんど意識していないという。
・中国は世界の大豆の60%以上を輸入しており、これは中国の会社や銀行が穀物栽培のための森林伐採の停止に重点的に取り組んだ場合、森林伐採の抑止と気候変動の減速に重要な役割を担うことができることを意味している。
・2017年にはブラジルの土地約490km2(189mile2)が中国向け大豆用に開墾された-これはその年のブラジルの「転用された」全土地の約40%に相当する。
・米国と中国の貿易戦争が続くにつれて、中国は大豆を求めてますますラテンアメリカに目を向け、穀物栽培のために土地が開墾される機会がさらに増える可能性がある。

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2019年10月18日 (金)

ダム撤去に対する生態系の反応は複雑だが予測可能

和訳協力:川端 裕二、校正協力:花嶋 みのり

2019年2月21日 Phys.org news by USDA Forest Service

米国では、1970年代以降1,400基以上ものダムが廃棄されており、ダムの撤去はいまや新規建設を上回るペースで進んでいる。
最新の研究によれば、ダム撤去による生態系への影響は予測可能だという。

学術雑誌『Bioscience』に掲載されたその研究は、ダム撤去に対して起こる生態学的反応を制御する一連の物理的、生物学的過程が同質のものであることを明らかにした。
これらの過程は、各ダムで見られる特有の環境条件と相まって、河川の生態系がいかなる反応を示すのかを最終的に決定付けるものである。

「流域の場所、大きさ、歴史が異なることから、各ダムの撤去が一つとして同じでないということを我々は発見しました。にもかかわらず、生態学的反応は大筋においてよく似た傾向を示していることが分かったのです」と述べるのは、論文の筆頭著者であり、アラスカのジュノーを拠点とする魚類生態学者で、U.S. Forest Service(米国森林局)のPacific Northwest Research Stationに所属するRyan Bellmore博士だ。

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2019年3月12日 (火)

ゾウの空間利用は作物被害の指標に適さず

和訳協力:下島 深雪、校正協力:鈴木 洋子

2018月12月  Biological Conservation掲載論文要約部分抜粋

ゾウによる作物被害は、人間と、人々の暮らしや生物多様性保全への取り組みに影響を与えるゾウとの間の相互作用の結果もたらされるものである。
人間とゾウとの衝突は通常、ゾウと人間の空間利用に重なりが生じ、資源の争奪に発展した時に起こる。
従って、ゾウによる空間利用パターンを理解することが、人間とゾウの負の相互作用を緩和する鍵となる。

ボツワナの東部オカバンゴ地区では、16,000人を超える人々が18,000頭のゾウと資源を共有している。
我々は、GPS付きの首輪を装着した20頭のゾウのデータを使用し、1年中昼夜を通して、また乾季、雨季および作物被害のある時期を通して、景観の変化とゾウの空間利用との関係を調査した。

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2019年2月14日 (木)

過小評価されすぎている熱帯林の生物多様性に及ぼす森林破壊と野生生物取引の複合的な影響

和訳協力:清水 桃子、校正協力:杉山 朝子

2018年3月 Biological Conservation掲載論文要約部分抜粋

生育・生息環境の喪失と野生生物取引のための乱獲の双方により、熱帯林の生物多様性は脅かされている。
種の保全のための定量的な評価では、従来これらの危機要因は個別に考えられてきたが、その影響はしばしば同時に働く。
我々は、2000年と2015年の森林区域の地図と、生物種の商業的価値および森林への侵入しやすさに基づき乱獲の影響力を定量化する手法とを統合させた。
また我々は東南アジアの生物多様性のホットスポットであるスンダランドの森林に生息する鳥類308種を対象とし、そのうち、商業的に取引されている種は77種であった。

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2019年2月 2日 (土)

セーシェルの景勝地グランドポリスの保全策決定のための新たな調査

和訳協力:長谷川 祐子

2018年10月23日  Seychelles News Agency記事より一部抜粋

グランドポリス・ビーチで、動植物の生物多様性の評価とともに、この地域の環境保護政策を決定するための新たな調査が現在実施されている。

調査は、昨年閣議で同地域を保護地域として維持すると決定したことに従い、非営利団体であるセーシェル海洋保護協会(MCSS)が実施することになる。

「グランドポリスは島内に最後に残された原生自然地域です。一般には30年以上公開されていません。おかげでこの地域の生物多様性は非常に特別なのです」と、MCSSの代表であるDavid Rowatt氏は述べた。
調査プロジェクトの詳細は今月上旬にタカマカ地区に公開されていた。

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