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06 クマ

2021年8月24日 (火)

クマに注目―パンデミックでインドネシアのマレーグマの違法取引が悪化する可能性

和訳協力:加藤 有起枝、校正協力:木田 直子

2020年5月27日 The Revelator News

世界最小のクマが密猟、漢方薬、違法なペット取引などによる強大な圧力に直面している。
COVID-19のパンデミックは事態をさらに悪化させかねない。

先月、世界がコロナウイルスによるパンデミック危機の対応に追われている最中に、中国国家衛生健康委員会は、思いもよらない、そして破壊的な結果となり得るウイルスの治療法を提案した。
クマの胆汁を使った「漢方薬」を注射するというのだ。

飼育下のマレーグマに対する中国のひどい扱い―小さく狭い檻に閉じ込め、漢方で使用する胆のうから出る胆汁を絶えず採取し続けること―は、長らく自然保護主義者や動物の権利活動家たちから非難されてきた。

しかし、COVID-19の治療薬としてクマの胆汁を使用するという提案は、コロナウイルス患者にとって薬としての価値はありそうもないが、飼育下にあるクマに影響を与えるにとどまらない。
胆汁やその他のクマ製品の需要を作り出し、密猟や野生生物の違法取引が多発しているインドネシアの野生のクマにとっても状況を悪化させかねない。

 

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2018年8月 4日 (土)

ラオス人民共和国におけるクマの飼育および取引に関する再評価

和訳協力:加藤 有起枝、校正協力:久保 直子

2018年1月 Global Ecology and Conservation掲載論文要約部分抜粋

この調査は、ラオス人民共和国でのクマ飼育産業に関する再評価を行うものであり、現在の商業用クマ飼育施設(いわゆるクマの胆汁および、またはクマやクマの体の部位を取り引きしていると判断されたクマの飼育繁殖施設)の数や、これらの施設に収容されているクマの数を記録し、Livingstone and Shepherd(2014)で発表された、2000年から2012年の間の調査以降の変化に言及するものである。

我々はすでに把握されている商業用クマ飼育施設のすべてを調べ、これまで記録されていない施設も調査した。
そして今回の記録をLivingstone and Shepherd(2014)の調査結果と比較し、彼らの記録と重複するいくつかの記録を修正した。

2017年、我々はクマ専用飼育施設4つ、クマも収容していると報告されたトラ飼育施設3つの計7つの商業用飼育施設を記録した。
2012年から2017年の間に記録されたクマ専用飼育施設の数は2つ減り、クマも収容しているトラ飼育施設の数は1つ増えたことが分かった。
同期間内で、ラオス人民共和国にあるすべての施設で飼養されていたクマの総数にはほとんど変化はない(1頭増)が、各施設のクマの数には変化があった。
華僑が北部に所有するいくつかの施設は2012年から拡張し、中部および南部にある施設は規模を縮小または閉鎖した。

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2018年7月12日 (木)

絶滅の危機に瀕するツキノワグマの救助が、ラオスでの野生動物取引に対抗する困難な闘いを際立たせている

和訳協力:小川 聖子

2018年2月18日 Radio Free Asiaニュースより一部抜粋

絶滅危惧種のツキノワグマは、概して輸出販売され、各部位が医薬品目的で利用されるが、東南アジアの国での野生動物の密猟と密輸を減らそうとする努力や、密猟や密輸に関った者を厳重に取り締まるという当局の公約にも関わらず、その捕獲がラオスで継続的に行われている。

3月初旬に発生した最新の事件では、3頭の絶滅危惧種のツキノワグマがラオス北部のボーケーオ県の当局によって押収された。
ラオスの農林省によると、子熊を森で捕獲したことのある村民の話から、3頭の推定年齢は5~7歳とのことだ。

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2015年7月10日 (金)

ロシアの北極圏北東部のにおけるホッキョクグマのチュクチ-アラスカ個体群

和訳協力:河村 美和、校正協力:鈴木 洋子

2014年12月4日 The Polar Bear Programme News

チュクチ(チュクトカ)-アラスカホッキョクグマ個体群(World Conservation Union (IUCN:国際自然保護連合)の専門用語ではより大きな個体群の一部である、sub-population(亜個体群)とされている)は、ロシアの北極圏の北東部に生息している。
その生息地は、チュクチ海全域、東シベリア海の東部、ボーフォート海の西部を含む。
そのため、このホッキョクグマ個体群はロシアとアメリカの管轄下に置かれている。

チュクチ-アラスカホッキョクグマ個体群はロシアの北極圏に生息する3つの個体群の内の一つである。
中央シベリア個体群と、バレンツ海-カラ海個体群の生息地はそれぞれ、ラプテフ海とバレンツ海である。
カラ海個体群は別個の亜個体群として記載される場合もあるが、そうすることに説得力のある科学的証拠はない。
バレンツ海個体群もまた、ロシアとノルウェーの二か国の管轄下に置かれている。

チュクチ-アラスカ個体群はロシアのホッキョクグマの中で最も研究が遅れている。
1970年代始めに本個体群に関する系統的なデータ収集が開始された。
著名なロシアの極地動物学者のSavva Uspensky氏がこの取り組みの先駆者であった。
Stanislav Belikov氏もまた、ウランゲリ島で冬眠するホッキョクグマに関する生態の研究に長年を費やした。

1990年以降、我々はウランゲリ島保護区に生息するホッキョクグマの行動や個体群生態学を研究するための長期プロジェクトを実施してきた。
このプロジェクトは、地球の気候変動によって引き起こされる群の崩壊等、個体群内部の変遷のパターンを評価することを目的としている。
特定のわずかな変化を突き止めるには長期にわたる研究が不可欠である。
個体群内部の変遷の地上観察など、基本的な個体群の特徴の長期観測が、本プロジェクトの本質的側面である。

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2015年5月 4日 (月)

クマ・パトロール隊、ホッキョクグマの毛皮の違法取引を監視

和訳協力:池田 磯香、校正協力:松尾 亜由美

2015年1月15日 The Polar Bear Programme News

2014年12月初め、WWF(世界自然保護基金)ロシアのクマ・パトロールの専門家らは、インターネット上でホッキョクグマの毛皮の違法取引の証拠の探索を行った。
2003年以来行われているこのようなキャンペーンは9回目を迎える。
データは過去22カ月にわたって集められた。

クマ・パトロールのメンバーは、ホッキョクグマの毛皮の販売に関する38件の書き込み、そして、数頭(3頭から8頭まで)のホッキョクグマの毛皮の購入が可能であると買い手に情報提供している7つのウェブサイトを発見した。

結果として、価格は10年前に監視活動を始めて以来最高レベルに達していることが判明した(最高で毛皮1枚当たり290万ルーブル(約540万円、2015年2月24日付換算レート:1ルーブル=1.86円))。
ホッキョクグマの毛皮1枚の平均価格は現在22,280ドル(約265万円、2015年2月24日付換算レート:1ドル=118.91円、以降同レートとする)で、前回の調査時より200ドル(約24万円)上がっている。

価格の高騰はおそらく、カナダから合法的に輸出された毛皮の増加が原因だろう。
しかし、最近ロシア産の毛皮も高値で売られている。
これは、ロシア製の毛皮がカナダ製と偽られているということであろう。

「ホッキョクグマの毛皮の違法取引に対しての罰則が強化されたにもかかわらず、彼らは依然としてインターネットでの販売を続けているのです」と、WWFロシアのクマ・パトロール隊のリーダー、Viktor Nikiforov氏は述べた。
「ロシアでのオンライン販売は、地理的に言えば、モスクワとサンクトペテルブルグに集中しています。そしてかなりの数(25%以上)がウクライナ地区の市場(キエフで3件、そしてさらにドニプロペトロウシクとドネツクで3件)で見つかっています」。

ニュースソース
http://programmes.putin.kremlin.ru/en/bear/news/24998

 

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2015年2月26日 (木)

ハドソン湾南部におけるホッキョクグマの狩猟割当量を自主的に削減

和訳協力:菅原 美香子、校正協力:藤木 香

2014年10月22日 Polar Bears International News

カナダのヌナブト準州のイヌイットとクリー族の狩猟者らは、保全と協調の精神をもって、ハドソン湾南部でのホッキョクグマの狩猟割当量を自主的に削減することに同意した。

科学者らは、およそ1000頭と見積もられているホッキョクグマの個体数に対し、現在の60頭の狩猟割当量は多すぎると指摘しているが、一部の地元の狩猟者らからは反対の声が上がっている。

Nunavut land claim(ヌナブト土地請求権)に関する協定事項を管理・運営する団体であるNunavut Tunngavik Inc.のPaul Irngaut氏は、「我々はハドソン湾南部に生息しているホッキョクグマは多すぎるくらいだと訴え続けていますが、生物学者は理解していないようです」、と述べた。

それにも関わらず、ハドソン湾の海氷の状態の変化や、カナダ環境省が国際貿易の管轄権を行使してついにはこの地域の毛皮の輸出を禁止する可能性があることを懸念し、狩猟者らは自主的にホッキョクグマの狩猟割当量を45頭に削減することに同意した。
今回の成果は、2年以上にわたる管理当局間の交渉および情報共有の賜物である。

「カナダのホッキョクグマの管理は20以上の団体が携わり、大部分は地方または地域の管理団体が管理を行っています。意思決定には時間がかかり、関係者全員の多大な努力を必要とします」と、Polar Bears Internationalの保全事業の代表であるGeoff York氏は述べ、以下のように続けた。
「今回の自主的な狩猟割当量の削減は、ケベック州、オンタリオ州およびヌナブト準州をまたいで生息するホッキョクグマの個体群を、より正式な形で協力的に管理することに向けた確実な一歩なのです」。

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2015年1月13日 (火)

ホッキョクグマ、ボン条約での保護指定にむけ前進

和訳協力:星野 友子、校正協力:清水 桃子

2014年11月7日  CMS News

全体委員会で、ホッキョクグマをCMS(「移動性野生動物の種の保全に関する条約」、通称「ボン条約」)の附属書Ⅱ(国際協定の対象となる移動性の種)に加えるというノルウェーの提案が、CMSの締約国会議の本会議の採決案件として推薦されることが決定し、第一関門を突破した。

締約国からのすべての参加者がこの提案を支持した。
ホッキョクグマの生息国で、条約の非加盟国である、COP(締約国会議)にオブザーバーとして出席していた米国も、ノルウェーの提案に賛同した。
同じくホッキョクグマの生息国で条約非加盟国のカナダは、動議に反対こそしなかったものの、CMSの附属書Ⅱにホッキョクグマを追加する意義について疑問を呈した。

いくつかの自然保護NGOがノルウェーに賛同する一方、イヌイットを代表するオブザーバーは、既存の保護政策ですでに国際合意がなされており、またカナダ北部の地域社会には、ホッキョクグマと密接に関わり生活をしてきた数世紀に渡る歴史がある点に触れ、反対を表明した。

ニュースソース
http://www.cms.int/en/news/polar-bear-%E2%80%93-one-step-closer-listing-under-cms

 

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2014年12月21日 (日)

ホッキョクグマのボン条約附属書IIへの追加の提案―その3

和訳協力:石塚 信子、校正協力:杉山 朝子

2014年11月4日 UNEP/CMS/COP11/Doc.24.1.11/Rev.2より抜粋(19~22ページ)

4.4 国際的な保護状況

4.4.1 CITESとの整合性

ホッキョクグマ(学名:Ursus maritimus)は、Convention on International Trade in
Endangered Species of Wild Fauna and Flora (CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称「ワシントン条約」)の附属書Ⅱ掲載種で、上位の分類群であるクマ科が附属書Ⅱに指定されている。
すべてのホッキョクグマ生息国がCITESの締約国であり、どの国もホッキョクグマの附属書Ⅱへの登録の決議について留保していない。
CITESは、適宜、国際商取引に関係する問題に取り組んでおり、ホッキョクグマのCMS(移動性野生動物の種の保全に関する条約、通称「ボン条約」)の附属書掲載については、この進行中の活動に全面的に協力すべきである。

4.4.2 ACPB(ホッキョクグマ保護に関する国際協定)との整合性

ホッキョクグマが北極圏の重要な資源だと認識し、さらなる保護を求めるカナダ、デンマーク(グリーンランドを含む)、ノルウェー、ロシア、アメリカ合衆国の5か国の政府間で、1973年に北極周辺のAgreement on the Conservation of Polar Bears(ACPB:ホッキョクグマ保護に関する国際協定)が調印された。
ACPBは、協定調印国政府それぞれの法に基づく伝統的な権利の行使を含む、第III条に規定される場合を除き、ホッキョクグマの捕獲を禁じている。
1973年のPolar Bear Agreement((仮)ホッキョクグマ合意)は、ホッキョクグマが属する生態系を保護する適切な行動をとるよう、すべての加盟国に求めている。
特に、巣穴や餌場など生息環境の構成要素と移動パターンには、特別な注意が要される。
また、最良の科学的データに基づいた適切な保護対策に従い、ホッキョクグマの個体数を管理するためにも、適切な行動が求められている。
2009年の加盟国の会合で、ACPBの加盟国は、ホッキョクグマが属する生態系の保護に関する協定第Ⅱ条を実施する方法として、生息環境保護の重要性を強調した。
それは、保護地域の拡大がホッキョクグマの個体数の減少防止および生態系の脆弱性改善の潜在的可能性があること、また保護地域は、気候変動による海氷状態の長期的な変動と、ホッキョクグマの存続に必須の生息環境の総合的な健全性を考慮して、設定すべきであるとされた(Parties to the 1973 Agreement on the Conservation of Polar Bears, 2009,2009b)。
2009年の加盟国の会合以降、ホッキョクグマ生息国は、この種のためのCircumpolar Action Plan((仮)環北極圏行動計画)を練り上げてきた。
この包括的行動計画は、IUCN/SSC(国際自然保護連合/種の保存委員会)のPBSG(ホッキョクグマ専門家グループ)の助言を受けた、ホッキョクグマが直面するすべての脅威の評価、また同時にその脅威の軽減方法を含むものだ。
軽減方法には、Best Management Practices(BMP's:最適管理手法)の採用を含む。
ホッキョクグマのCMSへの掲載は、どのような形であってもこの活動をサポートし、調和するものでなくてはならない。
ホッキョクグマの非生息国のCMS締約国は、その国に適した関連するBMP(たとえば、海運業やクルーズ船運航のBMP)を採用することで、ホッキョクグマ保護に関わることができる。
Circumpolar Action Planは、2015年の加盟国会合で成立する予定である。

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2014年12月19日 (金)

ホッキョクグマのボン条約附属書IIへの追加の提案―その2

和文協力:清田 美弥子、校正協力:木田 直子

2014年11月6日 UNEP/CMS/COP11/Doc.24.1.11/Rev.2より抜粋(10~12ページ)

3.4 国内外における利用

生息地の破壊により、いくつかの亜個体群では利用と取引の影響が悪い方向に拡大するだろう(Aars, Lunn et al. 2005年)。
そのため、生息地各国では、捕獲量調整のための情報を提供するにあたって、科学的かつ伝統的な知識に基づいた順応的管理戦略の重要性を強調している(Declaration of the Responsible Ministers of the Polar Bear Range States(「(仮)ホッキョクグマ生息諸国担当大臣による宣言)、2013年12月4日」参照)。
Polar Bear Specialist Group(PBSG:ホッキョクグマ専門家グループ)は、決議(IUCN Polar Bear Specialist Group 2006)を通じて、温暖化の進む北極圏という環境で、捕獲制限を設定する際には、予防的なアプローチをとるよう要請した。
北極圏では、捕獲やさまざまな形での駆除が持続可能なレベルを超えることがないよう、継続的な努力が必要となっているのだ。

3.4.1 捕獲

ホッキョクグマ(学名:Ursus maritimus)は、その生活史の特性により乱獲の影響を受けやすい。
歴史的に見ても、無秩序な狩猟は多くの亜個体群の深刻な個体数の減少をもたらしてきた(Prestrud and Stirling 1994)。
1973年に生息国全5か国が調印したPolar Bear Agreement((仮)ホッキョクグマ合意)では、許容される捕獲を、「地域住民が昔ながらの権利にのっとった伝統的手法を用いて」、「それまで国民が伝統的な手段で捕獲を行ってきたか行ってきた可能性のある地域」で行うものに限定した。
しかしながら、この協定は「捕獲により得られた皮やその他の価値のある部位」を「商業目的に利用」することは認めている。
ノルウェーの北極圏やロシアでは、ホッキョクグマは問題になっている場合や正当防衛による殺害を除き、あらゆる形式での捕獲から保護を受けているが、ロシアでは密猟が保護対策上の深刻な問題になっている(Belikov, Boltunov et al. 2010)。

グリーンランド、アメリカ合衆国、カナダでは、ホッキョクグマの合法的な捕獲が行われている。
これら3つのいずれの国でも、ホッキョクグマは生計を立てることを目的として捕獲されており、捕獲したクマから制作した工芸品の売買は、国の法律で許可されている。
ホッキョクグマの部位の国際取引(例、皮や科学的な標本)は、CITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称「ワシントン条約」)の附属書Ⅱで認められている。

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2014年12月17日 (水)

ホッキョクグマのボン条約附属書IIへの追加の提案―その1

和訳協力:池田 磯香、校正協力:榛木マエ 久実

2014年11月6日 UNEP/CMS/COP11/Doc.24.1.11/Rev.2より抜粋(2・3ページ)

2.2 個体群

2009年、International Union for Conservation of Nature/Species Survival Commission(IUCN/SSC:国際自然保護連合/種の保存委員会)のPolar Bear Specialist Group(ホッキョクグマ専門家グループ)は、19のsubpopulation(亜個体群)の一部から導き出した個体数推定に基づき、全世界に生息するホッキョクグマ(学名:Ursus maritimus)は約20,000~25,000頭であるとした(Obbard, Thiemann et al. 2010; Vongraven and Peacock 2011)。
2013年12月、ホッキョクグマ専門家グループはホッキョクグマに関する現状を評価し、19の亜個体群について以下のことを明らかにした。

・4つの亜個体群(バフィン湾、ケーン海盆、ボーフォート海南部、ハドソン湾西部)は減少傾向にあると判断される
・9つの亜個体群(北極海盆、バレンツ海、チュクチ海、東グリーンランド、カラ海、ランカスター海峡、ラプテフ海、Norwegian Bay(カナダ)、バイカウントメルビル海峡)は不明・データ不完全と判断される
・5つの亜個体群(デービス海峡、フォックス湾、ブーシア湾、ボーフォート海北部、ハドソン湾南部)は安定しているとみなされる
・1つの亜個体群(マクリントック海峡)は増加傾向にあるとみなされるも、その個体数は、歴史的水準(およそ25年前)と比較すると、依然として減少している状態にある

2008年にIUCNは、IUCN criterion A3c(IUCN基準A3c)に基づき、ホッキョクグマをVulnerable(絶滅危惧II類)のカテゴリーにリストアップした。
「優占する面積や分布域の減少、そして生育環境の悪化」により、「3世代(45年)以内に30%を超える個体数の減少が予想される」ためである(Schliebe, Wiig et al. 2008)。
さらに、Canadian Polar Bear Technical Committee((仮)カナダ・ホッキョクグマ技術委員会)は、カナダ北極圏内の13の亜個体群の1年ごとの状態を評価し、揃った調査結果について考察を行った。

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