ブラジルの先住民グループが違法伐採をめぐる数十年の争いに勝利
和訳協力:仲野 文貴、校正協力:JWCS
2020年4月28日 Yale Environment 360 News
ブラジルのアシャニンカ先住民コミュニティは、違法伐採による利害を訴えた20年におよぶ連邦裁判所での裁判に勝訴し、300万ドル(約3億円、2020年10月5日付換算レート:1USドル=106円)の賠償金の支払いと、Kampa do Rio Amonia先住民族保護区内の何千本ものマホガニーやスギ、その他の木々を伐採したことに対する企業からの公式な謝罪を勝ち取った。
連邦検察の報道発表によると、この調停は2020年4月1日に成立した。
1980年代初めから、カメリ家が経営する製材会社は、アシャニンカ族に代々伝わる土地の成木を違法に伐採し、ヨーロッパの家具業界に供給していた。
新しい調停内容の一部として、製材会社は「生じたすべての苦しみ」に対する謝罪を述べ、「環境の保護に熱心な森の保護者としての、アシャニンカ族の計り知れない大切さ」を認めた。
300万ドルの補償はアシャニンカ族コミュニティとアマゾンの森の保護プロジェクトに直接送られる予定だ。
専門家たちは、今回のケースはブラジルにおける他の先住民と環境をめぐる訴訟の法的前例になってくれるだろうと語った。
「この訴訟で我々が行ったのは、先住民の人々にはマグナ・カルタによって保証された神聖な権利があるというのを理解した上で、憲法に従うことでした」と、ブラジルのAugusto Aras法務長官は声明でこのように述べている。
「あなたたちにはまっとうな生活を送る権利があります、具体的に言えば、自分の運命を選択し、孤立したコミュニティに関する政治判断に参加する権利があるのです」。
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