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2022年2月15日 (火)

CITES附属書に掲載されるヘビの44年間の国際取引について:保全と公衆衛生に関わる傾向とその影響

和訳協力:高橋 公貴、校正協力:矢船 仁美

2020年6月8日 Biological Conservation掲載論文要約部分抜粋

要約

毒ヘビおよび毒のないヘビの取引は、野生のヘビの個体群に悪影響を及ぼし、ヒトがヘビ咬傷を負う潜在的危険性を高める。
しかし、ヘビ個体数の減少およびヘビ咬傷の潜在的なリスクが最も高い地域を特定するのに十分なヘビの取引に関するデータがない場合が多い。
現在、164種のヘビの合法的な国際取引が、Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称「ワシントン条約」)によって規制されている。
我々は、CITES附属書に掲載されているヘビに関わる1975年から2018年までの取引について、近年公表されたCITES Trade Database(CITES取引データベース)上の出荷量値を用いて分析を行った。
それにより、ヘビの取引に関する時空間的傾向を明らかにし、ヘビの保全およびヘビ咬傷による公衆衛生上の潜在的危険性についての洞察を得た。

商業目的のニシキヘビ取引が世界のヘビ取引の大勢を占め、取引全体の38.8%となった。
生きたヘビの輸出国は、主としてガーナ、インドネシア、トーゴ、ベニンであり、中国およびアメリカが輸入している。
毒ヘビの取引は取引全体の10.8%を占め、野生の毒ヘビはインドネシア産が75%を超えた。
近年の取引では、人工繁殖されたヘビの割合が増えつつあるが、取引されるヘビのほとんどは今もなお野生のヘビ(2015年から2017年までの間では60%を超える)であり、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに掲載されている種も含まれ、種の保全上、悪影響を与える可能性がある。
さらに、CITES取引データベースでは、野生の毒ヘビが捕獲された地理的地域についても明らかにしており、捕獲者、取引業者および飼い主に潜在的リスクをもたらしている。
またこのデータベースには、外来種となるヘビの移動も記録しており、在来ヘビの保全へも影響を及ぼしている。
本研究は、CITES取引データベースを利用し、CITES附属書に掲載されているヘビ取引に特化した、はじめての世界的な分析の結果を示すものである。

ニュースソース:
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0006320720306595

 

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