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2021年12月14日 (火)

陸棲脊椎動物の絶滅が加速していることが調査により判明

和訳協力:熊倉 健司、校正協力:木田 直子

2020年6月1日 PHYS ORG News

2015年、スタンフォード大学の生物学者Paul Ehrlich氏は、世界で6度目の大量絶滅が進行中であるとする研究論文を共同執筆した。
5年後、Ehrlich氏と他の組織に所属する同僚たちは情報を更新し、さらに厳しい状況になったとしている。
それによると、絶滅率は以前考えられていたよりもはるかに高く、人々が生きるために不可欠なサービスを提供する自然の能力を蝕んでいるという。

米国科学アカデミー紀要に今週掲載されたEhrlich氏らの新しい論文には、野生生物の売買やその他の人間活動による影響により、何百もの種が殺され、前例のない速度で絶滅の危機に追いやられていることが示されている。

ちなみに、科学者らは、20世紀の間に少なくとも543種の陸棲脊椎動物が絶滅したと推定している。
Ehrlich氏と共同著者らは、今後20年間だけでほぼ同数の種が絶滅する可能性が高いと推定している。

研究者らによると、この傾向の連鎖的な影響には、COVID-19のような人間の健康上の脅威の激化も含まれている。
「人類が、他の生物の個体群や、他の生物種を絶滅させることは、自身が腰かけている木の枝を切り落とすことと同じで、私たち自身の生命維持システムの機能を破壊することなのです」と、スタンフォード大学文理学部・大学院の個体群動態研究のビング教授であり、名誉教授にして、スタンフォード大学ウッズ環境研究所名誉シニアフェローのEhrlich氏は述べている。
「絶滅危惧種の保全は、関連性がある気候変動問題と同様に、政府や組織により全国的、また世界的な緊急課題として昇格させるべきです」。

この研究は、野生生物および野生生物製品の違法取引をやめさせる手段として、4月7日に両党の上院議員からなるグループが提出した、生きた動物を食料として販売する市場と未規制の野生生物市場の禁止をトランプ政権に求める書簡に続くものだ。

人口増加、生息地の破壊、野生生物取引、環境汚染や気候変動など、人間に由来する抑圧により、世界中で何千もの種の絶滅が危惧されている。
サンゴ礁やマングローブ林からジャングル、砂漠まで、生態系がその機能を維持し、変化から回復できるかどうかは、長い時間をかけて築かれてきたこれらの種との関係に依存している。
これにより得られる頑健さに支えられなければ、生態系は今後ますます、気候を安定させ、淡水を提供し、農作物に受粉させ、人類を自然災害や疾病からという機能がますます乏しくなっていくだろう。

最後のチャンス

絶滅の危機をより良く理解するために、研究者らは絶滅が危惧される種の個体数や分布を調べた。
それにより、陸棲脊椎動物の515種―分析対象とした全種の1.7%―が絶滅寸前、つまり1,000個体未満しか残っていないことがわかった。
調査した種のうち約半分は250個体未満しか残っていない。
調査によれば、絶滅が非常に危惧される種のほとんどは、人間による侵略の影響を受けている熱帯および亜熱帯地域に集中している。

絶滅率の上昇に加え、個体群―特定の種の個別で局所的な集団―や地理的範囲の累積的な損失は、1900年以降、それら515種の237,000以上の個体群の絶滅につながっていると研究者は推定している。
個体群の数が少なくなると、生物種は生態系の中でその役割を果たすことができなくなり、連鎖反応を引き起こす可能性がある。
たとえば、1700年代には、海藻を食べるウニの主な捕食者であるラッコの乱獲により海藻が激減し、結果として海藻を食べるカイギュウ類が絶滅した。

「現在起きている絶滅の危機を防ぐために我々が今後20年の間に取る行動が、何百万の種の今後の運命を決めるでしょう」と、メキシコ国立自治大学、生態額研究所の上級研究員であるGerardo Ceballos氏は述べた。
「私たちは、自然が提供してくれる多くの恩恵が完全に失われてしまうことを防ぐ、最後の機会に直面しているのですす」。

研究者らによると、絶滅危惧種の消失は、ドミノ倒しに他の種に影響を及ぼす可能性があるという。
個体数が5,000未満の種の大半―84%―は、個体数が1,000未満の種と同じ地域に生息している。
1つの種の絶滅が生態系を不安定にし、他の種の絶滅の危険性を高くする連鎖反応を引き起こす条件が整っているのだ。

「絶滅は絶滅を生み出す」とこの論文の著者らは書いている。
絶滅の連鎖という脅威ゆえに、個体数5,000未満のすべての種を、世界規模で保全活動のために情報が利用される国際データベースであるIUCNレッドリストに絶滅危惧種として掲載するよう彼らは求めている。

時宜を得る意味合い

今回の知見は、最も早急な対処を必要とする種や地域に焦点を当てることで、保全活動の役にも立つ可能性がある。
どの種が危機にさらされているかを知ることは、絶滅率の上昇に最も大きく影響する要因を特定する役に立つからだ。

その他のいくつかの対応策とともに、研究者らは野生種の取引を禁止する世界的な合意を提案している。
食用、ペット、医薬品を目的とした野生動物の違法な捕獲または狩猟は、絶滅の危機にある種だけでなく、人間の健康に対しても根本的で継続的な脅威であると主張している。
コウモリに由来し、生きた動物の取引をする市場で別の生物を通じて人間に伝染したと考えられているCOVID-19は、野生生物取引がどうやって人間に危害を加えるかを示した一例だ。
生息地の侵略され、食料としての捕獲されたことが原因で、野生動物はここ数十年の間に他にも多くの感染症を人間や家畜に伝染させていると研究者らは指摘している。

「後世にどんな世界を残すかを決めるのは私たちです―持続可能な世界か、それともそれとも過去の成功の上に築かれた文明が崩壊する荒涼とした世界か」と、論文の共同著者でミズーリ植物園の名誉会長であるPeter Raven氏は述べている。

ニュースソース:
https://phys.org/news/2020-06-loss-land-based-vertebrates.html

 

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