絶滅寸前のヨーロッパウナギが香港のスーパーマーケットに流通
和訳協力:大前 留奈、校正協力:長縄 英里香
2020年3月4日 Science Advances掲載論文要約部分抜粋
要約
ヨーロッパウナギ(学名:Anguilla anguilla)は、国際取引の際にCITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称「ワシントン条約」)の許可を要する絶滅危惧種である。
しかし香港では、過去2年以内の輸入申告がないにも関わらず、ヨーロッパウナギが依然として大手スーパーマーケットチェーンで一般に販売されていることが、今回の研究で明らかになった。
13チェーンが展開する49の小売店に対してCOIバーコード領域を用いた検査を実施したところ、13のうち9つのチェーンがヨーロッパウナギを取り扱っており、49の小売店で購入可能なウナギ製品全体の45%が紛れもなくヨーロッパウナギであることが確認された。
ウナギ種は外見が似通っている事実と、申告されていないヨーロッパウナギが消費市場に過剰に出回っている現状を考慮すると、今回の発見はCITESによる国際取引規制の施行に警鐘を鳴らすものであるといえる。
さらに、スーパーマーケットへのヨーロッパウナギの流通は、特殊な裕福層だけが違法な野生生物製品を購入しているわけではないこと、すなわち一部の野生生物種が一般消費者向けの主要な流通網に入り込んでいることに光を当てた。
ニュースソース:
https://advances.sciencemag.org/content/6/10/eaay0317
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