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2021年1月12日 (火)

チリの気候変動が悪化するにつれ激しさを増す畜産農家と野生動物の対立

和文協力:大島 文貴、校正協力:赤瀬 エリサ

2020年2月6日 PHYS ORG News

ラ・セレナ大学、英国のニューキャッスル大学、教皇庁立チリ・カトリック大学の科学者らは牧場主を対象として、彼らが考える人間とグアナコ(ラマと近縁のラクダ科の野生動物)間の対立の原因を明らかにするために調査を行った。

牧場主らは、土地の乾燥化が進むことによって利用できる放牧地が減少し、その結果、家畜とグアナコの間で牧草をめぐる競争が増していると訴えた。

土地の乾燥化が進んだため、グアナコがより良い牧草を求めて山を下り、牛の群れと衝突を起こしていると思われていた。

この問題を軽減するため、一部の農家は自分たちの家畜を守る目的でグアナコの処分を希望した。

チリ中央部に暮らす伝統的な畜産農家は夏にアンデス山脈の牧草地を利用するが、そこは家畜と野生動物が共に草を食む場所だ。

この地ではここ数年、希望する野生動物の管理法が異なることが原因で、家畜を放牧する人々と野生動物を保護する州機関の間の対立が激しくなっている。

農家は、国際自然保護連盟(IUCN)レッドリストの絶滅危惧II類に指定されている土着の草食動物グアナコ(Lama guanicoe)を、家畜の放牧地を奪っていると非難する。
この争いは、バルパライソ州ペトルカ県の夏の放牧地に牧草を求めて集まるグアナコの数が増加したことで近年激しさを増したと彼らは考えている。

研究論文の筆頭筆者であるラ・セレナ大学のSolange Vargas氏はこう語る:

「問題は、当初考えていたよりも複雑でした。

一見、農家は牧草獲得争いによって最終的に原因としてグアナコだけを非難しているようでした。しかし突き詰めていくと、そこには争いを引き起こす根本的な原因としての重要な要素がありました:気候変動です。」

農家たちは、牧草の奪い合いによる問題に最終的に影響を及ぼすものを含めた、山地部で起きているすべての変化の原因は気候変動にあると主張した。

ニューキャッスル大学のNiki Rust博士と研究論文の著者の一人はこう付け加える:

「気候変動によって我々の環境が変わり始めてから、すでに人間と野生生物の間で資源をめぐる競争が増加しています。」

「今年のオーストラリアの山火事は気候変動の影響で激化したと広く言われていますが、人間と野生生物が希少な水を奪い合う結果となりました。」

「このような人間と野生生物の争いは、地球の気温が上昇するにつれて酷くなるでしょう。ですから、人間と野生生物双方のためにも温室効果ガスの排出を制限する行動を今起こすことがとても重要なのです。」

ラ・セレナ大学のPablo Castro-Carrasco氏と研究の著者の一人は、
「農家たちの考えを理解することが大切なのです。というのも、彼らの考えは行動に結びつくからです」、
と話す。

「主観的理論は、人々の行動の変化を抑制または阻止することがあるため、保全の文脈で捉えることが重要です。」

「この研究では、グアナコと人間の活動が共存できる解決策を探る上で、農家が持つ一般的な知識が非常に重要であることが分かりました。」

グアナコと家畜の間の保全上の対立は、別のさらに深い要求を反映したものでもあります。

Vargas氏は次のように説明する。
「州政府や公共政策から見捨てられたと訴える農家たちは、自分たちが絶滅が危惧される野生動物よりも低い位置に追いやられていると感じており、動物への不満を通じてその思いを州政府に訴えているのです。」

「今回の研究が、こうしたタイプの複雑な社会生態学的問題を分析する際に、地域コミュニティがもつ生態学的知識を考慮することが最も重要であると、人々が考える助けになることを願います。」

Rust氏はこう締めくくる。
「人間の行動とは、現実そのものよりも現実をどう認知するかによって引き起こされることが多いので、我々は人々の世界の捉え方を理解するようにもっと努力し、教育のみで人々の行動を変えようとするよりも、人々の現実の認知の仕方を基盤にした保全活動にもっと時間を割くべきなのです。」

ニュースソース:
https://phys.org/news/2020-02-conflict-ranchers-wildlife-climate-worsens.html

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