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2020年9月29日 (火)

「自然のためのマニフェスト」: 選挙を控える今生物多様性は崩壊寸前

和訳協力:アダムス 雅枝、校正協力:佐々木 美穂子

2020年1月20日 Green News

アイルランドの自然はひどい状態にあり、その崩壊寸前の状況からの回復を目指す選挙候補者を後押しする市民からの全面的な支援が必要だと、主要な自然保護団体が警告した。

本日の午後、自然のためのマニフェストを発表したBirdWatch Ireland(BWI:バ-ドウォッチ・アイルランド)は、アイルランドの病める自然の現状を赤裸々に提示した。

アイルランドでは野鳥の2/3が保護の対象となっていることに加え、水鳥の種もここ20年以内に40%減少した。

野生のハチの1/3は絶滅の危機に瀕しており、国際的に重要かつ保護されている生息地の85%はひどい状態となっており、生垣の1/3以下は良い状態だが、水質は低下している。

昨年欧州委員会に送られたアイルランドの最新の生物多様性評価報告書も、原生林、砂丘、沼地、高地、海洋生息地の状態が悪いことを指摘している。

BWIの政策提言部門の副責任者であるOonagh Duggan氏は、候補者が個別訪問をした際に、これらの問題を前面、中心に取り上げるよう一般市民に呼びかけた。

我々が「種や生息地の減少を食い止め、回復させる」ためには、現在「A&E」にいるアイルランドの動植物に、すべての関係者の全面的な支援が必要だ、と彼女は付け加えた。

「 [次の]政府に対し、生物多様性の損失を食い止め、回復させると同時に自然を復元し、強靭な気候変動対策を実施し、新たな食料・農業政策を策定するための健全な道筋を確立すること、また自然と人々のために我々の海を保護することを我々は求めているのです。ぐずぐずしている暇はありません」と、Duggan氏は警告した。

主要政策の変更が必要

BWIが求める主要政策の概略は、陸地と海の30%を2030年までに保護することであり、それには泥炭地、森林、草原の回復も含まれる。これは、国連が本年のうちに提出すると予想されている画期的な計画とほぼ一致している。

これは農業の集約化、泥炭の抽出、そして生息地の破壊と排気ガスの放出において現在重要な役割を果たしている針葉樹皆伐単一樹種植林モデルとともに、気候と自然の両方に利益をもたらすだろうとBWIは語る。

共通農業政策の次の段階で、低集約的で自然価値の高い農業への優先的な支援を確保することが、ダイシャクシギ属の鳥類のような草原に依存する種や、花粉媒介者、野草、その他多くの生物にとって重要である。

「人は自然を必要とするもので、また私たちは自然の一部です。鳥のさえずりを聞いたり、野草を見たり、海のそばや森の中を歩いたりするのが大好きです。そういうことが心の健康にもいいのです。私たちは食物や繊維の入手先として、また大気、水、気候を調節するものとして、自然に依存しています。それは私たちの生活を支援システムであり、私たちも今、それをなければならないのです」とDuggan氏は述べた。

BWIは、針葉樹のみの植林の代わりに、重要な生息地の保護を保証する在来種に焦点を当てた植林政策を実現したいと考えている。同団体はまた、多くの種にとって重要な生息地である生垣や、アイルランドの景観全体の重要な炭素吸収源を保護するための新たな法律制定も求めている。

資金不足のNational Parks and Wildlife Service(NPWS:国立公園野生生物保護局)もまた、資金を大幅に増やす必要があるとBWIは述べ、レンジャーが仕事を効果的にできるように1億ユーロ(約12億円)の予算を要求している。

最近の国の生物多様性への支出の調査によれば、NPWSの予算に「継続的な前年比削減」があり、それが「危機的な状態で」になっていることがわかった。2019年度予算は、Greyhound Racing BoardとHorse Racing Irelandが8,400万ユーロ(約106億円、2020年9月15日付換算レート:1ユーロ=125.6円)だったのに対して1,400万ユーロ(17億円)弱だった。

加えて、2019年5月に下院が生物多様性緊急事態を宣言した時の合意に基づく、生物多様性の損失に対処するための市民会議に、すべての政党がに参画することをBWIは望んでいる。

生物多様性への緊急の対応が必要

多くの人が気候変動選挙と呼んでいるキャンペーンの最初の1週間の間は、生物多様性はあまり注目されなかったが、今週は状況が好転している。

今朝、社会民主党は包括的な生物多様性計画を立ち上げた。
一方、緑の党は明日の午後、ブル島の自然保護区で独自の生物多様性政策を開始する予定だ。

社会民主党の政策には、利益の出ない農地を有志が購入して自然林に転換することも含まれている。
これは、保護された自然保護区の面積を島全体で2倍にするという党のもう一つの目標の達成に役立つだろう。

また、都市の生物多様性を改善し、全国に野生生物の移動経路となる緑の回廊を拡大し、洪水緩和のために上流での自然に基づいた対応策を検討するための新たな法律を導入したいとも考えている。

さらに、絶滅の危機に瀕した在来種や脆弱な在来種の保護のための「多額の州政府資金」を提供するとともに、侵略的外来種の監視と対策のための追加的な資金提供も計画している。

アイルランド警察に野生生物犯罪班を設置し、計画段階で既存の低木や樹木を保護すること、また農地以外での農薬の使用を完全に排除する可能性も、社会民主党の野心的な計画の一部である。

生態学者で、ウィックロー市の党の候補者でもあるJennifer Whitmore議員は、生物多様性の損失はアイルランドが直面している「最も緊急を要する課題の一つ」であり、政策立案者が正面から取り組まなければ、「破滅的な結果」を招くと述べた。

「私たちと自然界の関係を根本的なところから再考することにつながる、政治的意思のある解決策があります。回復するための時間と支援が与えられている限り、私たちをとりまく環境と野生生物は強靭なものです」と、Whitmore議員は付け加えた。

「私たちは、環境との関わり方を変え、生物多様性を回復させるための一連の野心的な対策を実施するために、国や地方政府とともに考えて行動し、農家や地域社会と協力する必要があるのです」。

ニュースソース:
https://greennews.ie/manifesto4nature-ge2020/

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