マリンパークの区画整理で、サメの保全をさらなるものに
マリンパークの区画整理で、サメの保全をさらなるものに
和訳協力:丸岡 咲耶花、校正協力:プリチャード 若菜
2019年4月4日 PHYS ORG News
西オーストラリア大学の最新の研究によると、オーストラリア領海の絶滅が危惧されている外洋性のサメに対する保全対策は、生息環境の保護が不十分なことが原因で停滞しているという。
しかし、Global Ecology and Conservation誌に掲載された研究では、海洋公園に少し手を加えるだけで、アオザメやその他の外洋性のサメの保全に大きな変化をもたらす可能性が示唆された。
西オーストラリアの大学海洋研究所および生物科学部に在籍し、博士の学位を取得する予定の筆頭筆者であるCharlotte Birkmanis氏は、サメは世界中の海洋における頂点捕食者であると述べた。
「サメは、私たちの海を健全に保ち、世界中の何十億人もの人々が依存している漁業をにとっても必要なのです」とBirkmanis氏は語る。
「サメには観光資源としても高い価値があります。オーストラリアでは、サメを見るためのダイビングだけでも、年間2550万ドル(約28憶円、2020年2月29日付換算レート:1USドル=108.1円)の収益が得られます」。
商業漁業における漁獲データと環境因子を分析することにより、本研究ではオーストラリアの周辺海域で、7種もの外洋性のサメが生息するホットスポットが発見された。
「海洋保護区ネットワークにおいて私たちが保護しているのは、このようなホットスポットのうちたった1%だけであり、しかもこれらすべてのエリアが漁業による抑圧に晒されている状況であることが、この研究によりわかりました」と、Birksmanis氏は述べ、次のように続けた。
「この研究で最も重要なのは、私たちが既存の海洋公園の区画を再編し、これらのホットスポットにおける漁業を制限すれば、オーストラリア領海内のアオザメやその他のサメにとって安全な生息地を確保することができるということです」。
「絶滅危惧種に分類されているアオザメは、長期にわたり繰り返し同じ場所に戻ってくることが観測されています。そのためこれらのホットスポットを保護することで、アオザメやその他の種が安心して生息できる場所をオーストラリア領海に作り出すことができるでしょう」。
ニュースソース:
https://phys.org/news/2019-12-rezone-marine-sharks.html
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