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2020年1月31日 (金)

有機畜産農業が野鳥を増やす

和訳協力:岩城 小百合、校正協力:長井 美有紀(Myuty-Chic)

2019年5月24日 Anthropocene News

新しい研究で、フィンランドの有機畜産農業が、野鳥にとって独特で驚くべき利益をもたらしていることが示唆された。
農業はヨーロッパにおける生物多様性の喪失を引き起こす主要な要因だが、PLOS Oneの研究により、有機農業を支援する特定の補助金がよい影響をもたらしていると思われることを初めて示した。
一方で、他の農業補助金は期待した利益をもたらしていなかった。

ヨーロッパでこのような発見がなされたことはもっともなことで、ヨーロッパでは最も優勢な土地利用タイプが農地で、毎年数えきれないほどの野生生物を追いやっている。
この喪失を食い止めるために、近年EU(欧州連合)は、高価な農業補助金システムを展開した。
これは、農地利用の度合いを減らし、生物多様性を守るために農家に動機づけするためのものである。
それには、農地に生垣を設ける方策や有機農業の教義に基づいた農業を実施する方策も含まれる。

しかし、地域全体におけるこのような個別の努力の真の利益を評価することは難しいため、意図された効果が得られたかどうかにより判断することとした。
そこで研究者らは、農地の90%が補助金プログラムの基で行われている、または有機農業を実施しているフィンランドを対象とすることにより、この問題について調査することとした。
また、ある種の野生生物、つまり野鳥に絞って影響を分析することにした。

研究者らは本研究において、フィンランド全土における46種の野鳥の出現に関する6年間のデータを対象とした。
その結果、有機畜産農場は、その他の土地利用タイプと比較すると、より長距離を移動する渡り鳥や食虫性の種(ツバメやムクドリなど)を支えていることが明らかになった。
実際に、EUによる補助金を受ける農地での生物多様性向上のためのすべての対策の中で、有機畜産農業だけが野鳥の数の多さと有意に相関していた。

有機栽培農地と比較しても、有機畜産農場では鳥の数が2倍多かった。

なぜこのようなことが起こるのかは十分に明らかにされておらず、研究者らはこの関係は相関的であり、因果関係ではないと指摘する。
しかし研究者らは、よく管理されていれば畜産がその土地にもたらし得る、昆虫の増加と土地が生息地として保護されるという利点に関係していると考えている。

家畜には牧草地が必要で、半自然の放牧地と低湿地を兼ねる場合は、それが野鳥の営巣場所にもなり得る。
(研究者らはこのタイプの生息地もまた、フィンランドで最も危機的な状況にあると指摘しており、そのため、野鳥は積極的にこのような場所を探している可能性がある。)
同様に、EUの補助金制度では有機畜産農業において抗生物質の使用は制限されるべきだとしており、その規制がより多くの昆虫が生息し、野鳥に充分な食料を提供する健全な環境を支えている可能性がある。

家畜やその糞の存在も、野鳥が食べる昆虫の個体群を増加させているようだ。
『そのような農場管理により、野鳥にいくらかの必要不可欠な資源をもたらしている』と、研究者は記述している。

研究者らは、フィンランドの農地全土にわたる市民科学者から集めた野鳥データと、各地の土地利用タイプに関する情報とを統合することによって、有機畜産農場が野鳥に想定以上の効果をもたらすことを示すことができた。
そして、自然の緩衝機能や有機農法のような種々の補助金施策と、種の存在や種の豊かさ、生息地、食物、および渡りの状況などとが、どのように相関するかについて調査した。

家畜農場において野鳥種が豊かになっている要因について厳密に特定するには、更なる研究が必要である。
しかし研究者らは、持続可能な形で動物を飼育することが、危機に瀕する生態系を復元し、EU内の絶滅危惧種を支援するための、過小評価されている1つの方策である可能性を示唆している。

この結果は、EU内で農場補助金に何十億ユーロも投じられたことを考えると、特に重要である。
『資金は生物多様性に最も効果がある施策に投じられるべきである』と、研究者らは結論付けている。
そして短期的には、少なくともフィンランドでは、肉を食べる消費者が有機肉を購入しても害はないことを示唆している。
結局のところ、これは野鳥のためになるのである。

ニュースソース:
http://www.anthropocenemagazine.org/2019/05/organic-livestock-farms-give-wild-birds-a-boost/

 

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