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2019年10月11日 (金)

沖縄のジュゴン保護のための飛行場建設の中断を米下院軍事委員会に要請

和訳協力:矢野 雅彦、校正協力:鈴木 康子

2019年3月19日 Center for Biological Diversity, Immediate Release

12以上のアメリカの環境保護団体と動物保護団体は本日(3月19日)、米下院軍事委員会に対し、沖縄のジュゴンを絶滅させる恐れのある辺野古の在日アメリカ軍基地の建設を一時中断させるよう要請した。
沖縄のジュゴンは、地球上で最も絶滅の危機に瀕した海洋哺乳類の1種である。
沖縄の有権者はこれに先立ち、この飛行場の計画に反対する民意を示した。

下院軍事委員会のAdam Smith委員長と幹部委員のMac Thornberry氏に宛た書簡は、沖縄におけるこの基地計画はジュゴンの生存に不可欠な生物多様性に富む2つの湾を破壊すると警告している。
米国国防総省は、絶滅危機に瀕するマナティーの近縁種である沖縄のジュゴンを危険にさらす建設計画につき、徹底的な評価を求める合衆国の環境法に違反しているとして、提訴されている。

「繊細な海洋環境と絶滅危惧種を危険にさらすということは、ほかならぬ我々が受け継いできた自然を危険にさらすことです。米国内で許されないそのような行動は、国外でも許されるべきではありません」と、書簡には記されている。
書簡は、Center for Biological Diversity(CBD:生物多様性センター)、Natural Resources Defense Council(NRDC:自然資源防衛協議会)、Animal Welfare Institute(AWI:動物福祉研究所)ほか、10の非営利団体が連名で提出した。

「論争の的となっているこの基地を建設するために、ジュゴンという穏やかな生き物を絶滅させることになれば、国際社会におけるアメリカの評判は大きく損なわれるでしょう」と、生物多様性センターで海洋プログラムの指揮をとるMiyoko Sakashita氏は述べている。
「下院軍事委員会は、国防省にこの無謀な建設を中断させ、計画がジュゴンと沖縄の文化に与える悪影響を徹底調査させるべきです」。

現在進められている工事は、2月に実施された県民投票の結果を無視したものだ。
その県民投票では、沖縄の有権者の圧倒的多数が基地の建設に反対を表明した。
基地の建設には沖縄の新しい知事である玉城デニー氏も反対している。
玉城氏は日本の防衛省に対し基地の建設に関する工事の中止を強く要請している。

基地の建設は、わずかに生き延びている沖縄ジュゴンにとって不可欠な、豊富なサンゴと海草藻場からなる、数百エーカーにおよぶ生息環境の埋め立てを伴うものだ。

CBDおよびその他の諸団体、そして沖縄住民らは先日、基地の建設を認める判決の控訴審に対する冒頭陳述書を、共同で提出した。
米サンフランシスコ第9巡回区控訴裁判所に提出されたこの陳述書は、基地建設がジュゴンに与える脅威を強調している。
2017年に同裁判所で出た判決では、沖縄住民の懸念を最大限に聞くべきとしていた。

沖縄住民は古くからジュゴンを畏れ敬ってきた。
日本の法律においてもジュゴンの文化的重要性が定められている。
米国のNational Historic Preservation Act(NHPA:国家歴史保存法)および国際法に基づき、米国は他国において文化的に重要な場所および物に害を及ぼすのを防ぐか、または緩和しなければならない。

ニュースソース
https://www.biologicaldiversity.org/news/press_releases/2019/okinawa-dugong-03-19-2019.php?fbclid=IwAR2Tbo2LC83YzjQwfJkmBTrPwrKLEZTDGuK9YNdacSfcsdN6UL9bQjUtbqU

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コメント

沖縄の辺野古基地建設は、自然環境のみならず周辺住民を含む生活環境の破壊そのものである。
12以上のアメリカの環境保護団体と動物保護団体が、米下院軍事委員会に対し、沖縄のジュゴンを絶滅させる恐れのある辺野古の在日アメリカ軍基地の建設を一時中断させるよう要請した意義は、極めて大きい。
辺野古のジュゴンを含む生態系の破壊が、いずれ人類をも含む生態系の悪化につながることは明らかである。
ワイルドライフニュースを通じて、沖縄の辺野古の問題を、全世界で共有されることを望む。

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