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2019年8月20日 (火)

ゾウ密猟監視システム(MIKE)の報告

和訳協力:多田 薫、校正:JWCS

MIKEの目的 ii): ゾウの密猟に対するCITESの決定の効果の評価

41. 締約国会議(Conference of the Parties:CoP)および常設委員会(Standing Committee:SC)へのこれまでの報告は、承認された取引相手国(中国および日本)への、附属書IIに含まれているアフリカゾウ(Loxodonta africana)の4個体群(ボツワナ、ナミビア、南アフリカおよびジンバブエの個体群)の政府が所有する未加工在庫象牙の国際販売に関するCITESの決定の、ゾウの密猟レベル(CoP16 Doc. 53.1文書およびSC65 Doc. 42.1文書)に対する潜在的な影響を反映したものであった。これらの報告は、一回限りの象牙取引または9年間のモラトリアムの結果として、ゾウの密猟が増加または減少したことを示唆する証拠はないことを示している。違法な象牙取引は、取引網に沿った多くの場所で、多様な時間的および空間的規模で働くさまざまな原動力によって、多くの国や関係者を巻き込む複雑で動的なシステムである。したがって、特定の出来事や政治的決定を原因として認定することは困難である。特定の出来事がゾウの密猟や象牙の違法取引に影響を及ぼしたかどうかを判断するためには、その出来事が果たした役割を、象牙取引のその他のすべての原動力となるものとの関連で評価する必要がある。したがって分析を行う際には、いかなる変化も単一の原因が寄与していると捉えず、さまざまな原動力の相対的な寄与を見なければならない。しかし、CITESの管理の範疇を超えた、より広範な取引の動向において、これらの影響を解釈することは非常に困難であり、おそらく不可能である。

42. 密猟率の変化に関連して考えられるCITESの決定には、国家象牙行動計画(National Ivory Action Plan:NIAP)プロセスおよび、CoP17で合意された決議Conf.10.10(CoP17改正版)「ゾウの標本の取引」の改正が含まれる。決議Conf.10.10(CoP17改正版)は、とりわけ、管轄区域内に密猟または違法取引に寄与している象牙の合法的国内市場が存在するすべての締約国および非締約国が、緊急の課題として未加工象牙および加工象牙の商業取引をする国内市場を閉鎖するために必要なすべての立法、規制および強制措置を講じることを勧告することを含むものである。

43. 多くのアフリカゾウ生息国はNIAPプロセスに関与している。関係国におけるゾウの密猟レベルに対するこのプロセスの潜在的な影響はまだ分析されていない。CoP18に提出されたゾウ取引情報システム(Elephant Trade Information System:ETIS)の報告(CoP18 Doc 69.3文書)では、ETISの分析で違法取引された象牙の量が最近減少したことを示唆している。この結果がNIAPプロセスを実施した満4年と一致することから、違法な象牙取引の全体的な動きに対するCITESの監視プロセスのプラスの影響を反映した結果だと捉えられがちである。しかしながら、CoP18のための分析に続く次の分析で対象となる象牙の押収がこの年に多数行われており、2017年のETISの傾向分析における、今後も繰り返されるであろう違法象牙取引量の増加の見込みは無視できない。ただし、違法象牙の摘発量が増加する可能性は、違法取引の増加だけでなく、締約国による法執行努力の向上の結果であるかもしれないことにも留意すべきである。

44. SC70において、事務局は決議Conf.10.10(CoP17改正版)(SC70 Doc 49.1)の段落8に従い、密猟または違法取引に寄与する国内市場を閉鎖する取り組みを含む、決議Conf.10.10(CoP17改正版)を実施するための取り組みに関して締約国から受け取った回答についての情報を提供した。ETISの報告(CoP18 Doc 69.3文書)では、これらの措置の潜在的な影響が反映されているが、象牙の違法取引の最近の減少および、PIKE(ゾウの違法捕殺率)の漸進的で継続的な減少が維持されるかどうかを認定するためには、その帰属にかかわらず、継続的な監視が必要となる。

ゾウの密猟レベルに関する要因

45. ここで報告された共変量解析では、激しい密猟の潜在的な要因として考えられる変量を、既存の研究および分析(Laurance, W. F. 他, 2001、SC65 Doc 42.1文書およびCoP16 Doc 53.1文書)を基にして選択した(表1)。

46. 使用されたモデル構造は、共変量がグローバル、国、または現地レベルの要因として分類されているという点で、以前の分析と類似するものであった(SC65 Doc 42.1、CoP16 Doc 53.1)。今年の分析には新しい統計的アプローチが使用された。すなわち、Bayesian lassoによる階層回帰モデルである(Hauenstein他, 2018)。

47. 関連する生物物理学的および社会経済的要因の密猟レベルへの寄与を、統計モデルを用いて調査した。 図5は、主な共変量とPIKEの推定割合との間の条件付きの関係を示している。主な共変量は、a)乳児死亡率、b)年間降水量、c)腐敗認識指数、d)貧困密度、e)調査地の面積、f)法執行の妥当性、同様に年間の、g)大規模な象牙の押収、およびh)マンモスの象牙価格、である。図5では、誤差包絡線は、マルコフ連鎖モンテカルロ法(Markov chain Monte Carlo methods、以下MCMC)で3000回サンプリングした数値の90%の信頼性区間を表し、水平方向の破線は推定された切片の中央値を表す。この図では部分残差(y軸)は、PIKEの実測値と各共変量(x軸)との相関関係を示している。効果の大きさを直接比較できるように、すべての図は同じ縮尺になっている。

48. 調査地の面積(図5e)を除くすべての共変量はPIKEとの相関がゼロではなかったが、ゼロを除外した90%信頼区間(CIs)を示したのは、部分集合のみだった(図5b、cおよびh)。具体的には、マンモスの象牙価格とPIKEの年間変動の間に強い相関が見られ(図5h)、調査地レベルでの変動については、貧困密度(貧困者数/km2)および推定法執行の妥当性との相関がみられた(図5d、f)。国家の腐敗が収まるにつれPIKEが減少するという強力な証拠も確認された(図5c)。共変量に関する追加情報はこの文書の付録1に示されている。

49. これまでのすべてのMIKE分析にあるように、ガバナンス(CPIに示されているように)がゾウの密猟の国レベルでの最重要な予測因子であり続けている。ガバナンスの悪さは象牙のサプライチェーン全体に現れる可能性があり、違法な象牙の現地から輸出地までの移動を容易にする。以前の報告で指摘されたように、ガバナンスは人類の発展レベルと非常に関連が深く、それぞれの影響をひもとくことは困難である。ガバナンスと人類の発展との間には双方向の因果関係がある可能性があり、それによって、一方の制限が他方の改善を妨げるように見える(CoP16 Doc 53.1)。

原文:
https://cites.org/sites/default/files/eng/cop/18/doc/E-CoP18-069-02.pdf

注:2019年5月17日時に上記サイトに掲載されていた文書の一部を訳したものです。

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