サメのCITES附属書掲載種の違法取引を検出する多重リアルタイムPCR法
和訳協力:青木 恵子、校正協力:佐々木 美穂子
2018年11月5日 Science Reports掲載論文要約部分抜粋
CITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)は、絶滅のおそれのある種の国際取引を、禁止する(附属書I掲載種)、または合法的、持続的かつ透明性を確保した形で実施する(附属書II掲載種)ことを保証する、多国間環境協定である。
ヒレ、身およびその他の部分が利用されている、絶滅の恐れのあるサメ12種は、CITESの附属書IIに掲載されている。
サメはしばしば大量に取引されるが、取引される物の中には、視覚的に区別不可能なものもあり、大抵の輸出入国は、違法取引を見破り、規則を適用する能力に限度がある。
大量の貨物を、ほんのわずかの留置期間(例えば、最長24時間)の後に審査しなければならない。それに加えて、費用と能力の問題により、違法取引を特定するためのDNAアプローチの利用が制限されている。
ここに、我々は信頼性があり、現場ベースで、高速(4時間未満)かつ費用対効果の良い(1サンプルにつき、$0.94USD)多重リアルタイムPCR法を紹介する。この手法は、1度の分析でCITESに記載されているサメ12種のうち9種を検出することが可能である。
この手法は違法取引の検出を容易にする。また肯定的な結果は、一層確実な法医学的分析を実施するためであるという貨物を留置する理由をももたらす。
我々はまた、香港において実際の法を適用した実例も提供する。
このアプローチの採用は、加盟国がCITESの要件を満たし、将来の潜在的な国際貿易制裁を避けることに役立つ。
ニュースソース:
https://www.nature.com/articles/s41598-018-34663-6
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