東南アジア産の野生動物を救うための闘いが始まっている
和訳協力:伊川 次郎
極めて多数のNGO、関係する地域社会、そして委任された法執行機関が、1500億US$(約17兆円)に上る野生生物の違法取引にブレーキをかけ始めている。
2018年9月15日 Asia Times記事より一部抜粋
5月に、ジュネーブに本部を置く国際的な警察機関であるInterpol(国際刑事警察機構:インターポール)が、『サンダーストーム作戦』を実施した。
これは、世界92カ国におよぶ1ヶ月にわたるおとり捜査で、首尾よく密売人を逮捕し、違法取引された野生動物を押収した。
当時の新聞報道によれば、取り締まりにより、全世界で約1,400人の被疑者が特定され、大量の肉や象牙、センザンコウの鱗、および密輸された木材が押収された、とインターポールが発表したとのことである。
サンダーストーム作戦は確かに素晴らしい結果だったといえるが、巨額の利益を生み出す野生生物の違法取引は東南アジアでは高水準で維持されているようだ。
カナダ環境省の野生動物の法執行機関の長官であるSheldon Jordan氏は、サンダーストーム作戦の結果を評して「壮観でした」と述べた。
しかし彼はまた、世界の野生生物犯罪は一年につき約1500億US$(約17兆円)に上ると推測しており、世界の違法取引の犯罪総額は、薬物、偽造品、人身売買に次いで4番目に位置することとなる。
東南アジアでは、他のどこでも同じように、うまく組織された国際的な密輸団や犯罪ネットワークが、高額の利益を生み出す取引の背後に隠れており、そのことが事件の根絶を一層難しくさせている。
ニュースソース:
http://www.atimes.com/article/fight-is-on-to-save-se-asias-exotic-wildlife//
★ニュース翻訳を続けるためにご協力ください!
→JWCSのFacebookでページのイイネ!をして情報をGET
→JWCSの活動にクレジットカードで寄付
※日本ブログ村の環境ブログに登録しています。クリックしてランキングにご協力ください。
にほんブログ村
« カメルーンの内乱で数千人が保護地域に逃れ、野生生物が危機に | トップページ | オーストラリアの弁護士連合会、在来種の将来を懸念 »
「37 野生生物犯罪」カテゴリの記事
- ブラジルの先住民グループが違法伐採をめぐる数十年の争いに勝利(2022.04.19)
- 香港市場に出回る絶滅危惧種であるハンマーヘッドシャークのフカヒレは、主に東太平洋地域産であることが判明(2022.04.12)
- 空輸による動物密輸と人獣共通感染症拡散の防止(2022.01.11)
- 絶滅寸前のヨーロッパウナギが香港のスーパーマーケットに流通(2021.10.26)
- クマに注目―パンデミックでインドネシアのマレーグマの違法取引が悪化する可能性(2021.08.24)
「36 野生生物の利用と取引」カテゴリの記事
- ブラジルの先住民グループが違法伐採をめぐる数十年の争いに勝利(2022.04.19)
- 香港市場に出回る絶滅危惧種であるハンマーヘッドシャークのフカヒレは、主に東太平洋地域産であることが判明(2022.04.12)
- 空輸による動物密輸と人獣共通感染症拡散の防止(2022.01.11)
- 陸棲脊椎動物の絶滅が加速していることが調査により判明(2021.12.14)
- クロマグロ産卵場における致命的な漁具に対するトランプ政権による許可の差し止めを求め複数の団体が提訴(2021.11.02)
この記事へのコメントは終了しました。
« カメルーンの内乱で数千人が保護地域に逃れ、野生生物が危機に | トップページ | オーストラリアの弁護士連合会、在来種の将来を懸念 »
コメント