ライオンの骨の取引における南アフリカの役割:見過ごされている話
和訳協力:蛯名 郁矢
2018年8月21日 The Conversation記事より一部抜粋
アフリカに生息する野生ライオンの個体数は、2万~3万頭だと見積もられる。
研究者は、実際の数は2万頭に近いと考えるのが妥当だとする。
こうしたことから、ライオンの絶滅危惧種としてのカテゴリーは「絶滅危惧II類」とされている。
また南アフリカは、特異的に飼育下繁殖を認めているが、これらの個体は、ほとんど保全の価値はない。
同国内には、約300カ所の施設で推定7千~8千頭のライオンが飼育されている。
これらのライオンは主に、キャンド・ハンティングやアジアにおける虎骨の取引市場のために飼育されているのだ。
しかし、世界的なキャンペーンが行われ、キャンド・ハンティングの需要はここ数年で激減した。
環境ロビー団体は、現在ライオンはますます骨の取引のために殺されていると主張している。
慈善活動を行うNPOであるEMS財団と、ロビー活動を行う団体であるBan Animal Tradingの報告書によれば、ライオンの骨は虎の骨として闇市場で売られているとのことである。
そうした骨は酒樽に入れられ、リュウマチやインポテンツの治療薬としてアジア市場でもてはやされている虎骨酒として販売されている。
また虎の骨は、溶かした骨と亀の甲羅のような添加物とを混ぜ合わせ、小さな棒状に固めた、虎骨の塊を作るのにも用いられる。
報告書では、使用されているライオンの骨のほとんどが、南アフリカで飼育繁殖させたライオンの骨であるとしている。
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