サメとスターバックス:ブランドライセンシーが企業価値に与える影響
和訳協力:木田 直子
2018年7月2日 Greenbizニュースより一部抜粋
世界的なCSR(企業の社会的責任)やESG(環境・社会・ガバナンス)レポートの担当者たちにとって、興味深い力学が目下香港で展開中だ。
巨大な国際ブランドが、そのライセンスを持つ現地企業の「汚名」に引きずり込まれそうになっているのである。
問題は、そのブランドを冠したローカルパートナーとライセンスを提供する国際ブランドが、国内における自身の評判によって、国際的なブランドの価値を落とさずに済むような解決策を見つけられるかどうかだ。
簡潔に言えば、香港とマカオに180店舗以上を展開しているスターバックスのライセンシーMaxim'sは、香港最大手のレストランチェーンでもあるが、いまだにフカヒレを提供し続けている。
これは言うなれば、ゾウやサイをメニューに載せているようなものだ。
持続可能性が実証されたフカヒレ漁業は存在しないし、絶滅危惧種の保護を目的とした法のほとんどはこの種の救出には間に合いそうにない。
それは、海洋科学の進展にも、関係者らによって最終的に「絶滅危惧種」として世界な総意として承認されるのにも、とにかく時間がかかるためだ。
その間に、海洋生態系のバランスを保つにはサメが主たる役割を果たすため、サメだけでなく、海洋全体の健全性が危機的状況に陥ってしまった。
これはすべて文化の名において、フカヒレスープを供するといういわゆる「伝統」を守るためだ。
実際には、フカヒレスープは主に1970年代に売上増を狙って商業化された慣習で、薬効にも性的機能向上にもまったく関係がない。
それよりも、フカヒレを出すのは単に、食卓に着いた招待客にホストの富を見せつけ、面目を保ち、社会的な地位をひけらかすことだけが目的だ。
しかし、違法な野生生物取引はしばしば、危険な薬物や武器、人間を売買する多国籍犯罪シンジケートと結び付いている。
ニュースソース:
https://www.greenbiz.com/article/sharks-and-starbucks-how-brand-licensees-can-impact-your-value
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