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2018年10月 6日 (土)

3.3 ビカーラウナギ(ワシントン条約第30回動物委員会 議題18.1 付録2より一部抜粋)

和訳協力:平野 沙織、校正協力:伊川 次郎

分布:
ビカーラウナギ(学名:Anguilla bicolor)は、オオウナギ(学名:Anguilla marmorata)を除くウナギ類の中で地理的分布が最も広い種である(新井他, 2015)。ビカーラウナギはインド洋と太平洋の間で分化し、2つの亜個体群が存在するという仮説が導かれた(Ege, 1939)。それはすなわち、インド洋に生息するAnguilla bicolor bicolorと、太平洋に生息するAnguilla bicolor pacificaである(峰岸他, 2012)。ビカーラウナギは、オーストラリア、バングラデシュ、グアム、インド、インドネシア、ケニア、マダガスカル、マレーシア、モルディブ、モーリシャス、ミクロネシア、モザンビーク、ミャンマー、北マリアナ諸島、オマーン、パプア・ニューギニア、フィリピン、フランス領レユニオン、ソマリア、南アフリカ、スリランカ、台湾、タンザニア、タイ、ベトナム、イエメンの各国で見つかっている。

生態:
ビカーラウナギは、さまざまな水辺の生態系に生息しており(Pethiyagoda, 1991; Skelton, 1993; EPAA, 2002; Seegers他, 2003; 茅野・新井, 2010; Hamzah他, 2015; 新井・Kadir, 2017)、太平洋とインド洋の何カ所かで産卵している可能性が示唆されている(Jespersen, 1942; Robinet and Feunteun, 2002; 黒木他, 2006; 青山他, 2007; 黒木他, 2007; 青山他, 2014)。産卵のための回遊は、多くの熱帯種と同じように温帯種より大幅に短く、一年中産卵が起こっていると考えられている(新井他, 1999; 黒木他, 2006; 黒木他, 2007; 新井他, 2017; Kadir他, 2017)。

脅威:
現在までに、この種が直面している脅威について考察している調査や研究はわずかである。CITESの通達018/2018に対する、オーストラリア、フランス領レユニオン、インドネシア、マレーシア、フィリピン、アメリカ合衆国(グアムおよび北マリアナ諸島)からの6つの回答から、その生息域における脅威は、気候変動、生息地の消失および改変、水質汚濁、持続不可能で違法な形での漁穫および、または取引である、と特定された。ビカーラウナギにとっての大きな懸案事項は、この種の合法および違法な利用が、その生息域の大部分にわたって増え続けていることであると考えられる(白石・Crook, 2015)。ニホンウナギ(学名:Anguilla japonica)の漁獲量が低減している数年の間に、その需要を満たすために、ビカーラウナギやその他の熱帯ウナギに著しく輸入がシフトしている。

資源の状況:
ビカーラウナギは、過去10年間にわたるこの種の取引の増加を主因として、絶滅危惧種に関するIUCNレッドリストで準絶滅危惧に指定されている。CITESの通達018/2018に対する回答のうち、個体群の状況に関する情報を提供することができたのはインドネシア(安定的)とフィリピン(減少)だけであった。

利用:
この種がこのように広範に分布していることを考慮すると、ビカーラウナギはその他の複数のウナギと混獲されている可能性が高い。FAO(国連食糧農業機関)のデータによれば、インドネシアおよびフィリピンでは何らかのウナギの種が捕獲されており、そのかなりの割合がビカーラウナギのようである。インターネット検索によって、(生および冷凍の)ビカーラウナギをオンラインで簡単に大量購入できることが明らかになった。ビカーラウナギのシラスウナギは、ヨーロッパウナギ(学名:Anguilla anguilla)が2009年にCITES附属書Ⅱのリストに入り、2010年にEUがヨーロッパウナギのEU輸出入取引すべてを禁止して以来、東アジアの養殖場でますます飼育されるようになってきている。これは、ニホンウナギのシラスウナギの漁獲量が少ない年に増加しているようだ。東アジアの税関のデータは、ビカーラウナギおよびその他の熱帯ウナギの需要が2014年以降減少したことを示唆している。近年は、インドネシアとフィリピンで養殖されるビカーラウナギが増加していると考えられる(SEAFDEC, 2018, 未公表データ)。

管理:
ビカーラウナギ種に特化した政策は知られていない。フランス領レユニオンは、その領海に生息するウナギ類の保全計画を策定した。インドネシアには、すべてのウナギ類の取引に適用される法律がある。フィリピンはウナギ一般に適用される法令を2つ施行している。1つはFisheries Administrative Order(FAO:漁業措置命令) No. 233『水生生物の保全』であり、これは水生生物の捕獲・利用・取引を規制するものである。もう1つは FAO No. 242『シラスウナギの再輸出停止』であり、全長5cm以上で15cm以下のシラスウナギの輸出を禁止するものである。オーストラリアは、各州独自の法令でウナギを管理している(A. australisを参照)。ベトナムでは養殖ウナギを除くウナギの輸出が禁止されている(SEAFDEC、未公表データ、2018年)。

ニュースソース:
https://cites.org/sites/default/files/eng/com/ac/30/E-AC30-18-01-A2.pdf

注:この文章は2018年6月28日に上記サイトに掲載されていた文書を訳したものです。この文書はワシントン条約第30回動物委員会の議題18.1の付録の一部です。

 

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