野生生物保護区の3分の1が道路や町の建設により破壊されている―研究論文
和訳協力:福田 志保
2018年5月18日 ロイターニュースより一部抜粋
世界の野生生物保護区の3分の1が、道路建設や農場拡大、その他の人間が生み出す脅威の被害に遭っており、そうした脅威は、地球上の生命の多様性を守るという目標を台無しにするものである、と科学者らが2018年5月17日木曜日に述べた。
2010年に約200カ国が、汚染、土地開墾、および気候変動から動植物を守る計画の基礎として、2020年までに公園やその他の保護区の枠組みで、世界の陸地の少なくとも17%を確保することで合意した。
しかし、多くの保護区でこの目標に達していないということが、科学雑誌『Science』に報告された。
この研究はオーストラリアのクイーンズランド大学の研究者らが中心となって進めたものである。
「保護区域の32.8%にあたる600万㎢(23万mile2)が、人間による厳しい抑圧に晒されています」と科学者は記している。
その抑圧は、道路、都市、農場、鉄道のさらなる建設といった脅威によるものだという。
この広さは、インドとアルゼンチンを合わせた面積にほぼ等しい。
マングローブ、地中海の森林、草原やサバンナの数か所が、最も危険にさらされた保護区として挙げられる。
論文の共同執筆者であるクイーンズランド大学のJames Watson教授は、データを見て「愕然と」しているとロイター通信に語った。
「行政は、実際には保護していないのに、こうした場所の自然は保護されていると主張している」と彼は述べた。
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