相次ぐゾウのロヒンギャ難民襲撃により死者発生-バングラデシュが対策へ
和訳協力:日高 穂香
2018年5月9日 The Guardianニュースより一部抜粋
12歳の男の子がゾウに踏みつけられて死亡した事件を受けて、バングラデシュは、何十万人ものロヒンギャ難民が暮らす難民キャンプを襲い、死者も出ている一連のゾウからの攻撃に対し、対策を強化することを約束した。
命に関わるゾウの襲撃は2017年10月からの6か月間で少なくとも12回に上る。その回数は増加しており、森林破壊やモンスーン、難民危機によって、世界で最も弱い立場の人々がいかにして野生生物に翻弄される状況に置かれるのかという、大規模で悲劇的な状況を物語っている。
無秩序に広がるクトゥパロンキャンプに住む難民たちは、その多くが8月にミャンマーで起きた残忍で暴力的な運動から逃れてきたロヒンギャのイスラム教徒だ。彼らは雨季が近いこの時期に山肌がむき出しになっている斜面にひしめいており、既に厳しい状況の中で暮らしている。しかしこの難民たちのいる場所は、ゾウたちが何世紀にもわたって使ってきたミャンマーとバングラデシュの間の大切な”通り道”でもあるのだ。
今年、International Union for Conservation of Nature(IUCN:国際自然保護連合)は啓発プログラムを開始し、見張り塔56機とボランティアのゾウ対策チーム30チームを設置。ゾウがキャンプに侵入した際には、住民に警告するようにした。また、プログラムの一環として、ゾウに出くわしたときの対処法を教える活動も行われている。
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