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2018年5月 8日 (火)

損なわれた生態系を積極的に再生することが必ずしも自然再生より優れているわけではないとする研究

和訳協力:坂本 義教、校正協力:佐々木 美穂子

2018 年2月28日 Phys.org report

研究者らの国際チームは、損なわれた生態系を復活させようとする人為的活動は、単に自然の再生能力任せにした場合に比べ、必ずしも優れているわけでないことを示唆する証拠を発見した。
科学雑誌『Proceedings of the Royal Society B』に発表されたその論文では、研究グループが、生態系を回復させる活動を詳細に記録した400件以上の研究を分析したことが記され、その所見が報告されている。

人類が地球の自然が有限であることを認識して以来、劣化した自然を修復する試みがなされてきた。
例えば植林やダムの撤去などであり、石油流出により瀕死の状態になった動植物の再導入のような活動もしばしばそれに含まれる。
しかしこうした活動にかかわる研究者達は、このような活動が単に自然の再生能力任せにした場合よりも、果たして優れた取り組みなのかどうかを知りたがっていた。
その答えを見つけるため、研究者らは、個々の生態系を回復させる活動を調べた他の研究者による論文およびその他の資料を詳細に調べた。

研究者たちは、生態系を回復させる活動は、確かに比較的短期間で自然の状態へと回復した地域も一部にはあるように思われるが、成功したものと成功しなかったものが混在していると結論づけている。
しかしその他の地域は、自然に回復するよりうまくいったようには思われなかった。
まったく成功しなかったように思われる地域すらあったというのである。
研究者たちは、木々が伐採された地域での植林は、広大な不毛の地で苗木に生き残る道を探らせるよりも明らかに速く生態系が回復するとしている。
しかし単にダムを撤去するだけでは、河川水系を以前の状態に戻すには十分とはいえないようである。
例えば一部の事例では、動物がすでに絶滅している可能性すらあるのだ。

チームはまた異なる種類の生態系が回復する速度など、生態系の回復に関する統計を作成するために資料から得たデータを利用した。
チームの研究者らは、例えば生態系の回復率は平均で年1~10%であること、海洋生態系や湿地帯は湖や森林より速く回復する傾向があることを発見した。
研究者らは、生態系が決して完全には回復することはなかった多くの事例についても触れた。

研究者たちは、自分たちの分析を次のような提案により結論づけている。
計画の立案者は、生態系の回復を急いで行うよりも、もっと多くの時間をかけて自分たちがかかわっている地域特有の自然について研究するべきであり、その後に自らの活動が望ましい見返りを獲得できるかどうかを決定すべきである。

詳細はこちらの論文で:
Holly P. Jones et al. Restoration and repair of Earth's damaged ecosystems, Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences (2018). DOI:10.1098/rspb.2017.2577

論文要約

我々は、大規模な攪乱(農耕、富栄養化、水文学的崩壊、森林伐採、採鉱、石油流出)から、生態系がどれほど速く、またどれほど完全に回復するのか、ということに関する情報を照合した。さらに人間による特別な支援が行われていない生態系の回復尺度と、積極的に再生のための活動が行われた生態系の回復尺度を比較した。生態系はすべての場合で回復に向かうが、完全に回復することはほとんどないことが判明した。積極的な回復策は、生態系自身の力で回復させる場合と比べ、より完全な回復を促進することもなければ、完全な回復をもたらす結果となるわけでもない。我々は経済的、社会的および生態学的に健全な生態系を再生する技術を開発するために、地域社会、政府および利害関係者間で、革新的なパートナーシップを構築することを奨励する。

ニュースソース
https://phys.org/news/2018-02-ecosystems-nature.html

 

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