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2018年5月22日 (火)

ワシントン条約の「無害証明」-NDFsに関する最新の方針

和訳協力:原田 智美、校正協力:清水 桃子

生物多様性の持続可能な利用:アディスアベバ原則並びにガイドラインに関する決議13.2において、締約国はNDF (Non-detriment finding:無害証明、以降NDFとする) プロセスを適応し、CITES NDFsを発行する際に、国ごとの状況により定められる科学上、取引上、並びに法施行上の考慮点を踏まえ、生物多様性の持続可能な利用に関する原則とガイドライン (生物多様性条約事務局、2004年) を使用するよう勧奨された。
2007年にハーグで開催されたCITESのCoP14 (第14回締約国会議、以降締約国会議をCoPとする) では、締約国はさらにこの点について、動物委員会及び植物委員会が示すいくつかの勧告を考慮することに同意した。
これらの勧告は決議13.2 (CoP14改定版) の付記2に含まれる。
委員会は、CITESの下での意思決定プロセス、とりわけNDFs発行に関して、アディスアベバ原則並びにガイドラインは常に即座に適応されるものではないものの、NDFs発行のための現行のIUCN (国際自然保護連合) の指針を支持し得るものであるとされ、例えば樹木などの、特定分類群のガイドラインの策定に有益である、と勧告した。
中でも特に原則1、2、4、5、6、7、8、9、11及び12は、個別の場面に応じ、さらなる特定分類群のNDFガイドライン策定の検討余地があるとした。

CoP16 (バンコク、2013年) で最後に改定された、CITES戦略ビジョン:2008-2020に関する決議16.3において、締約国は、入手可能な最良の科学的情報をNDFの根拠としなければならない、という方針を定めた。
締約国会議からの委任を受けて、常設委員会は第57回会議でこの方針の指標について次のように合意した。

a)輸出国が行った次の内容のような調査の件数
i)附属書IIに掲載される種の個体群の状況、及び取引の動向並びに影響、
ii)附属書Iに掲載される種の動向及び状況、及び回復計画の効果
b)NDFs発行のための基本的な手順を採用した締約国の数
c)個体群調査に基づく1年ごとの輸出割当量の分量及び割合
d)Review of Significant Trade ((仮)重要取引の検証) に基づく勧告を実施した結果として、取引が種の生残に無害であると判断された附属書IIの種の数

国別に設定する輸出割当量の管理に関する決議14.7 (CoP15改定版) では、締約国は輸出割当量とNDFsの関連性を認識し、これらの割当量を管理するガイドラインを採択した。
特に、輸出割当制度は特定の種の標本の輸出が、その種の個体群に有害な影響を及ぼさないレベルに維持されていることを保証するために使用される管理ツールであることについて、締約国は合意した。

科学当局が勧告した輸出割当量の設定は、附属書I及びIIに記載される種のNDFsを発行すること、並びに附属書IIの種については、その種の生育・生息地域全体で生態系におけるその種の役割が、均衡が保たれるレベルで維持されていると保証することを目的とした、CITESの要求を事実上満たしている。
輸出割当量を初めて設定、あるいは改定する際、それは科学当局によるNDFを受けたものでなければならず、このNDFは毎年見直さなければならない。

CoPは、締約国に対してNDFs発行のための手法に関する拘束力のある具体的なガイダンスはいずれも採択しなかったものの、事実上、幾つかの状況における次のような結論には合意した。

a) 決議9.21 (CoP13改定版) によって、該当種の個体数が、該当種の生息国内で合意した割当量を維持できないことを示すような、新たな科学的データまたは管理データが浮上しない限り、CoPが設定した附属書Iの種の輸出割当量が、輸出入国によるNDFの要件を満たしているものと解釈するものとなった。

b)チーター (学名:Acinonyx jubatus) のハンティングトロフィーや生きた個体に関する年次輸出割当量 (ボツワナ:5、ナミビア:150、ジンバブエ:50) が、会議文書8.22 (改定版) に基づきCoP8 (京都、1992年) において合意された。これらは附属書の注釈としての効力を持つものとなった。

c) 加えて決議10.14 (CoP16改定版)、決議10.15 (CoP14改定版) 及び決議13.5 (CoP14改定版) では、アフリカの締約国の内12カ国からのヒョウ (学名:Panthera pardus) の皮またはほぼ全ての皮 (ハンティングトロフィーを含む) の輸出割当量、パキスタンからのマーコール (学名:Capra falconeri) のハンティングトロフィー及び、ナミビアと南アフリカからのニシクロサイ (学名:Diceros bicornis) のハンティングトロフィーの輸出割当量について合意した。CoPでの更なる指針は提示されはなかったが、附属書Iに含まれる種のこのような割当量を設定または改正しようとする締約国は、提案された割当量の科学的根拠の詳細を含んだ裏付けとなる情報を示すよう求められる。しかし、CoP13の会議文書19.1から19.4及びCoP14の会議文書37.1の文書に見られる最近の提案の成功事例では、CoPが次の情報を考慮に入れることを提示している:附属書Ⅰ掲載種にとって重要となる、分布、個体群の状況、個体数の動向、危機要因、利用及び取引、事実上または潜在的な取引の影響、個体数の長期調査、管理対策及び規制対策など。

d) 決議2.11 (改定版) では、附属書Iの種のハンティングトロフィーに関してより全般的に、別途示される科学的データまたは管理データがない限り、輸出国側の科学当局が提示するハンティングトロフィーの輸出が種の存続を脅かすこととならないとする証明を、輸入国側の科学当局が受け入れることが勧告された。しかしこの時も、締約国会議はこの問題についてのより詳細な指針は定めなかった。

メキシコの主導により、CoP14で提示されたCoP14の会議文書35を受け、締約国はCITES科学当局の能力向上 、特に方法、手段、情報、専門的技術、その他NDFの定型化に必要となる資源に関連する項目についての強化を目的とした、NDFsに関する国際的な専門家のワークショップの開催を求めることを決定した。

それを受けて「International Expert Workshop on CITES Non-Detriment Findings ((仮)CITES NDFsに関する国際専門家ワークショップ)」が2008年11月17日から22日、メキシコ・カンクンで開催された。CITES加盟国の内、6地域、33カ国から103名が出席した。ワークショップの議事や詳細はワークショップのwebサイトで閲覧できる[英語のみ]。

こうした新たな取り組みが契機となり、また動物委員会及び植物委員会からの提案に基づき、CoPはCoP16でNDFsに関する決議16.7を採択した。この決議は特に、科学当局が、取引が種の生残に害をもたらすかどうかを考慮するに当たっての、数多くの概念及び法的拘束力を持たない指導的な原則を示すものである。この決議はさらに、締約国がNDF評価に関する科学的知見に基づいた論理的根拠を示す文書記録を保持すること、NDFs発行の手法を検証すること、締約国同士で経験を共有すること及び発展途上国のNDFs発行の能力を向上させる援助を行うことを奨励している。

CoPは、AC26/PC20 Doc.8.4 (第26回動物委員会/第20回植物委員会 会議文書8.4) の付記に示される情報を、科学当局がNDFsを発行する際の参考資料として認めるよう勧告した。

原文:
https://www.cites.org/eng/prog/ndf/current_policies

注:2018年3月13日に上記サイトに掲載されていた文書を訳したものです。本サイトのwebサイトへのリンク切れ等があるため、故意に文書を変更している一部の箇所があります。

 

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