英国首相が、野生生物の違法取引根絶に向けて中国との新たな協力活動を発表
-政府が実施した調査によれば、圧倒的多数の一般市民が象牙の売買禁止を支持している-
和訳協力:立田 智恵子、校正協力:木田 直子
2018年2月1日 Gov. UK Press Releases
象牙売買の全面禁止という提案に対し、7万人以上から反響があった。
これは英国環境・食糧・農村地域省の歴史において最大の反響のひとつである。
当局は現在も反響を分析中だが、「圧倒的多数」が禁止を支持していることは明らかだという。
政府は、間もなく反響の詳細を発表する予定である。
野生生物取引の取り締まりを目的とした英国政府の世界的な取り組みの一環として、メイ首相は、国際協力を強化するために英国と中国間で一致団結すると発表。
2018年に開催される野生生物の違法取引に関するロンドン会議に先駆け、両国は南部アフリカの国々と、同分野における専門知識を共有する姿勢を示している。
英国国境管理隊は、野生生物の違法取引を食い止めるため、密輸された象牙を見つけるための専門知識を世界の同胞らと共有する。
また英国軍は、アフリカの国々で密猟者を取り締まる精鋭部隊の訓練を実施する。
今週、英国および中国の専門家による法施行ワークショップがヨハネスブルグで開催され、野生生物の違法な国際取引に対する最も効果的な対策方法が紹介される予定だ。
2017年10月、環境相は英国における象牙売買の全面禁止という提案についてパブリックコメントを募る調査を立ち上げた。
この提案は、犯罪者が違法に密猟して得た象牙を取引する機会がなくなり、ゾウの保護や密猟の根絶を支援するものとなる。
メイ首相の3日間の中国訪問中に、環境と野生生物の取引対策のための英国と中国の協力について議論が行われている。
メイ首相は昨日、武漢市内で揚子江を訪れ、地元の専門家から揚子江や市内の湖における、マイクロプラスチック汚染を含むの環境汚染軽減のための取り組みについて説明を受けた。
メイ首相は、Zoological Society of London(ロンドン動物学会)が地元の海洋生物学者と協力しながら進めているプロジェクト等によって水質が向上し、それがヨウスコウスナメリの保護や生息数の回復に役立っているという話を聞いた。
中国においてメイ首相は以下のようにスピーチした。
「私は、英国と中国が現在最も重要ないくつかの課題に協力して取り組むために中国を訪問しました。そしてこの訪問中に、英国のノウハウが、中国の野生生物保護や市民の生活の質を向上させる取り組みを支援している様子を直接見ることができました」。
「英国と中国が、違法な象牙取引との闘いにおいて協力を強化することで合意したことをうれしく思います」。
「私たちは、各国内で禁止令が施行され、この悪しき行いが根絶されるように、あらゆる手段を講じて他国に働きかけていくことを約束しました」。
英国政府は、国内外で密猟や違法な象牙取引に取り組むことになる。
2018年10月、英国は4回目となる違法な野生生物取引に関する国際会議のホスト国となり、世界のリーダーたちをロンドンに招集し、取引の戦略的な課題に取り組む。
この会議は、2014年に初めて野生生物の違法取引に関するロンドン会議が開催されて以降、ボツワナとベトナムでも開催されている。
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