イルカのための負債:セーシェルは世界初の財政機構による広大な海洋公園を建設
和訳協力:木村 敦子
2018年2月22日 The Guardianニュースより一部抜粋
熱帯の島国セーシェルは、巨額の国債を償還することと引き換えに、新しい2つの広大な海洋公園を建設することこととなった。
このような財政機構によるものは世界初である。
この新しい金融工学は、乱獲の嵐や気候変動の影響を受けるサンゴやマグロ、そしてウミガメに命綱を投じる目的で、国債とイルカや海洋生物らとを効果的に交換し合っているものである。
もしそれが上手く機能すれば、観光と漁業に完全に頼っている国の経済的な将来も保証されるだろう。
後に続くその他の海洋州と共に、この取り組みによって、世界的な問題を抱える広大な海洋地域を変えることができるだろう。
セーシェルのもつ課題は、キュリュ―ズ島周辺のサンゴ礁で明らかである。
ここはかつてはハンセン病患者の居住地であったが、現在は国立公園となっている。
2016年の海水温上昇を原因とした大規模な白化現象により、わずかなコバルトブルー色の生き残ったサンゴと、掘り返された墓場に落ちている骨のように白化した枝サンゴの枝ばかりが残っている。
乱獲や、マグロ漁でのイルカ、サメ、カメのまたは混獲による捕殺は、セーシェルの広大な海洋区域以外の場所にも被害を及ぼしている。
新たな海洋計画では生物多様性ホットスポット周辺の漁業を禁じており、海洋生物が健全に暮らし、また気候変動に対してよりうまく抵抗できるようにするものである。
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