ジャガー、拡大する漢方薬市場の犠牲に
和訳協力:清水 桃子
2018年3月4日 The Guardian記事より抜粋
南アメリカでジャガーの牙の違法取引が拡大していると公表した野生動物保護団体は、これが世界規模で野生生物に脅威を与える中国資本の建設計画と関連していると見ている。
専門家によると、発展途上国における大規模な中国資本の発電所や道路、鉄道建設事業が、絶滅の恐れのある動物の皮や骨、角の密売の主要な引き金となっているという。
現地の住民によれば、中国の建設作業員は動物の骨、角、体の部位に薬効があると信じているため、これらを買うことに関心があり、それによって違法取引が確立しているという。
「中国資本によるインフラ整備事業は本質的に、まるで巨大掃除機のように野生生物を中国本土まで吸い尽くしてしまうのです。これは深刻な懸念です」と、保全生物学の研究者で、オックスフォード・ブルックス大学のVincent Nijman教授は語った。
南アメリカでのこの問題は特に懸念すべきである。ジャガーは個体数が減少しているのだが、100頭以上がたった1年以内に中国との体の部位の取引のために殺害されている。
中国伝統医学の医師により珍重されているトラの部位が希少になっているため、ジャガーを含むトラ以外の大型ネコ科動物の体の部位の売買市場が拡大しているのだ。
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