皮肉な結果:コロンビアの農家が自ら所有する伐採された森林を再生
和訳協力:伊川 次郎
2017年12月29日 The Guardianニュースより一部抜粋
コロンビア南部、グアビアーレ県に位置するアマゾン流域のジャングルの街、エル・レトルノ市の郊外、轍の残る未舗装道路沿いのひんやりする森林の一画で、Luis Vergara氏は藪を切り開いて通路を作ろうとマチェーテ(山刀の一種)を振りかざす。
彼は、伐採したときにそこから得られる材を変えようとして、価値の高いアルバルコ材(コロンビアンマホガニー)に植え直した90haに及ぶ区画を歩き回る。
コロンビア革命軍(Farc)との52年間におよぶ戦闘が、広い範囲での森林伐採を防ぐ手荒い環境保護対策の役割を果たしたのだ。
なぜなら、森がゲリラの隠れる場所を提供したからだ。
Farcはジャングルの奥地からコカの葉を輸送するために、Vergara氏の農園の南に、上を森に覆われた道路を不法に建設した。
Farcが解散すると、コカの木を植えたり牧場にするために土地を開拓しようとしたりする土地の争奪戦が起こり、2016年には森林伐採が44%も急上昇した。
Farcが建設した道路は拡張され、戦闘による環境への傷跡を残しつつ、今ではアマゾンの奥地へとさらに延長されている。
コロンビアのアマゾン科学調査研究所(Sinchi)は現在、より多くのVergara氏のような農園主と協力して事業を進めていこうとしている。
Sinchiでは、アマゾンの森の農地開拓の進行を止め、アマゾンの森林をその生物多様性や地域の発展による潜在的収入などによって評価するよう、社会的な考え方を変えようと努めている。
コロンビアのアマゾン地域はまた、その広大な二酸化炭素吸収源としての働きで、世界気候変動合意から見ても重要である。
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