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2018年3月28日 (水)

規則遵守に関する報告書

和訳協力:松岡 淳子

1.本文書は、決定17.69に従い、事務局により制作されたものである。常設委員会の考えをより明確にするため、3部に分かれている:

― 第1部 条約第XIII条第1項に関する情報について;

― 第2部 Compliance Assistance Programme (CAP:(仮)条約遵守支援プログラム) の立ち上げの見込みに関して;

― 第3部 附属書掲載種の合法的な入手法を評価するための指針に関して

要請

2.条約第XIII条は以下のように定める:

1.事務局は、受領した情報を参考にして、附属書I又は附属書Ⅱに掲げる種がその標本の取引によって望ましくない影響を受けていると認める場合又はこの条約が効果的に実施されていないと認める場合には、当該情報を関係締約国の権限のある管理当局に通告する。

2.締約国は、本条第1項の通告を受けたときは、関連する事実を自国の法令の認める限度においてできる限り速やかに事務局に通報するものとし、適当な場合には、是正措置を提案する。当該締約国が調査を行うことが望ましいと認めるときは、当該締約国によって明示的に権限を与えられた者は、調査を行うことができる。

3.締約国会議は、締約国の提供した情報又は本条第2項の調査の結果得られた情報につき、次回の会合において検討するものとし、適当と認める勧告を行うことができる。

決定17.69には以下のように書かれている:

17.69    事務局への指示

事務局は、常設委員会及び第18回締約国会議に向けて、第XIII条の履行と遵守手順に関する決議14.3の報告を行わなければならない。

背景

3.第17回締約国会議 (CoP17、2016年ヨハネスブルグにて開催) において採択された、条約遵守に関する決定17.65から17.68の内容は以下である:

17.65    締約国への指示

締約国は、第III条第2項 (b)、第IV条第2項 (b)、および第V条第2項 (a) に従い、条約の順守状況の監視及び対象種の合法的な入手の立証のために、その方法論や実用的手段、法律的な情報、法医学的見解等の他、あらゆる情報を事務局に提供することが奨励される。

17.66    常設委員会への指示

事務局の支援を受け;

a)資金調達も含め、条約の順守が困難な国を支援するためにCAPを立ち上げるべきかを検討すること;

b)附属書掲載種の輸入に関して、合法的な入手の立証のための指導の改良を検討すること;

c)附属書掲載種の飼育繁殖用の創設個体の輸入に関して、合法的な入手の立証のための指導を提供すること;

d)第18回締約国会議で適切な勧告を行うこと。

17.67    事務局への指示

事務局は外部資金の獲得状況に合わせて、他の関連施設や協力団体、潜在的な寄付者らと提携し;

a)附属書掲載種の輸入に関する合法的な入手の立証のため、管理当局が必要とする基本原則や方法論、実用的手段、情報、法医学的見解、遵守のリスクアセスメント、その他合法的な資源についての国際ワークショップを組織すること;

b)附属書掲載種の輸入に関する合法的な入手の立証のため、更なる指導の提案を常設委員会が検討するために、準備および提言を行うこと。

17.68    事務局への要望

決定17.66の履行にあたり、事務局は常設委員会がその見解をまとめ、勧告を行う準備の支援を行うべきである。

4.決定17.65から決定17.69は、CITES遵守問題に関するCoP17 Doc. 23 (第17回締約国会議 提案23) の文書の議論ののち、CoP17で採択された。

第一部 - 第XIII条第1項に関する通告

5.第XIII条第1項、並びに常設委員会からの以前の指示に従い、事務局はコンゴ民主共和国、ギニア、ラオス人民民主共和国各国の管理当局に通告を行っている。これらの3カ国における条約の効果的な履行状況に関する進展は、別紙に報告する。

6.決議14.3の付録には、CITESの関連組織の遵守問題を取り扱う際に助けとなる遵守手順の手引きが記載されている。手引きの目的は、「締約国およびその他の組織にCITESの手続きを周知させ、条約における義務の遵守を促進し、達成すること及び、特に締約国が遵守に関する責任を果たす際に支援すること」である。手引きは、「一貫性を促進するための既存の手続き及び効果的な遵守問題の取り扱い」について述べている。長期的な遵守を保証するために「支援的で友好的であること」が遵守問題への対応である。

7.手引きは、例を用いて4つの段階を説明している。

a)潜在的な遵守問題の特定;

b)遵守問題についての考察;

c)解決方法;

d)長期観測と解決方法の実施や報告。

8.事務局は、潜在的な遵守問題がある数か国に常設委員会の懸念を伝えている。具体的には、北太平洋でのイワシクジラ (学名: Balaenoptera borealis) の海からの持ち込みの件で日本の管理当局に、アフリカローズウッド (学名: Pterocarpus erinaceus) の取引の件でナイジェリアと中国に対してである。また、コソボとの貿易に関するCITES文書発行の件で、セルビア、スロベニア、南アフリカとも接触している。

日本-イワシクジラ北太平洋個体群の海からの持ち込み

9.第67回常設委員会 (SC67、2016年9月にヨハネスブルグで開催) の概要でも示されているように、捕鯨問題についての日本とのやり取りに留意して、第XIII条の事前協議の様子を、常に事務局に報告するよう常設委員会に通告した。

10.2016年9月12日、事務局は第III条の履行状況、とりわけ北太平洋のイワシクジラ90頭の海からの持ち込みの件で 5項 (a) と5項 (c) で求められる内容に関する情報を要求した。また、このやり取りはSC67の議題項目第12号 (第XIII条の準用) に基づき、口頭で行なわれることも言及した。

11.2016年9月22日付けの日本政府からのeメールでの返答によると、日本はInternational Convention for the Regulation of Whaling (ICRW:国際捕鯨取締条約、以下ICRWとする) の第VIII条第1項が定める「研究目的」であるとして、Japanese Whale Research Programme under Special Permit in the Western North Pacific (JARPN II:第2期南極海鯨類捕獲調査計画、以下JARPN IIとする) を行ったということだ。2016年に90頭のイワシクジラを捕獲したことも認めている。

12.日本政府は、イワシクジラの海からの持ち込みに関して、鯨類の管理を担当している水産庁はJARPN IIを実施している財団法人日本鯨類研究所に許可証を出している、とも述べている。

13.イワシクジラの北太平洋個体群の海からの持ち込みの許可証の発行に必須の科学的な「無害証明 (NDF) 」に関しては、日本は調査区域にいるイワシクジラを68,000頭と推定し、2016年の調査ではそのうちの90頭を捕獲したと報告している。68,000頭という推定個体数は2003年に (2003年以降、頭数データは更新されていない) Scientific Committee of the International Whaling Commission (IWC:国際捕鯨委員会、以下IWCとする) に報告したものである。決議16.7 (Cop17改訂版) に則り、日本の科学当局である水産庁が作成したNDFガイドラインによると、この捕獲量が調査区域のイワシクジラ群に及ぼす影響はごく僅かであるとされる (推定総個体数の0.7%以下)。したがって、日本の科学当局は、この捕獲がCITES (絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称「ワシントン条約」。以下CITESとする) 第III条5項(a) の定める「種の存続への脅威」には当たらないとしている。

14.さらに日本政府は、生きたイワシクジラの標本を国内に持ち込まないため、CITES第III条第5項(b) も適応外だとしている。また、科学調査を目的とするJARPN IIはICRW第VIII条第1項に従い、国により管理されているとも述べた。つまり、日本の管理当局の立場から見るとJARPN IIによるイワシクジラの捕獲は科学調査が目的であり、「主には商業目的ではない」ということである[CITES第III条5項 (c) ]。

15.最終的に日本は、「特別許可書に基づいて捕獲したクジラは実行可能な限り加工し、また取得金は許可を与えた政府の発給した指令所に従って処分しなければならない」とするICRW第VIII条第2項について指摘した。日本はこの条項を適切な形で実施してきた。さらに、日本はすでに説明したように、JARPN IIは同条約の第VIII条第1項に準ずる調査捕鯨であり、これを商業捕鯨とする申し立てにはあたらないと繰り返した。

16.2017年9月22日付けで事務局は、2017年の北太平洋でのイワシクジラ134頭の捕獲におりた特別許可の件で、日本に正式文書を送った。

17.条約の第XIII条の規定に従って、事務局は、上の段落に示された情報もまた今回の捕鯨に当てはまるかどうかを報告するようにと、日本の管理局に要請した。さらに、管理当局が海からの持ち込みを認可する許可証の例や、そのような文書の発行件数、許可した量、そして2016年から2017年に発行された許可証に用いた単位と由来を示すコードを提出するよう求めた。

18.この点ては、許可と許可証に関する規定、CITES第VI条や決議12.3 (CoP17改訂版) について、特にCITESの許可と許可証の規格化に関する段落ついて、日本の管理当局に注意喚起を行った。

19.また事務局は日本の管理当局に、捕獲されたクジラの加工品や派生物の使用目的や、その利用によって発生する収益に関するより詳細な情報の提供も要請した。第III条5項 (c) が求める要件は、決議5.10 (CoP15改訂版) の定める「主として商業目的 」の定義と併せて読み取るべきであることを考慮し、事務局は、科学的調査の特定の目的、生検サンプリングのためにクジラを殺す必要性があるのかの根拠も含めた捕鯨の方法、使用する船舶や調査海域の説明等の情報について、さらに知ろうとしている。

20.日本政府は、この予備協議から1か月以内 (2017年10月22日まで) に返答するよう求められている。

原文:https://cites.org/sites/default/files/eng/com/sc/69/E-SC69-29-01-R2.pdf

注:こちらの文書は、2017年10月5日版の文書の4ページ目項目20までを訳したものです。文書がその後改定され、一部が変わっている場合もあります。

 

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