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2018年1月30日 (火)

ユキヒョウを絶滅の縁から救え

和訳協力:青木 恵子、校正協力:榛木 久実

2017年2月6日  CMS News

ハリウッドのヒット作「LIFE!(原題:The Secret Life of Walter Mitty(ウォルター・ミティの秘密の生活))」(2013)で、冒険好きな写真家のSean O’Connell氏は、捕え難くて美しい「幻のネコ」を見つけるという貴重な瞬間を心から大切にして欲しいと願い、ユキヒョウの写真を撮らないと決心する。

将来的には、この絶滅危惧種は絶滅してしまうか、写真や画像の題材として見られるだけになる可能性がある。
2008年から2016年の間、1日につき1匹の割合でユキヒョウが殺され、また取引されており、現在野生下で生き残っているものは3,500~7,000頭ほどとされている。
この割合では、今後10年以内に絶滅するかもしれない。
ユキヒョウは現在、違法取引、密猟、餌動物の減少、生息地の喪失、気候変動などに脅かされており、16年間で20%減少するに至っている。
現在は、Convention on Migratory Species(CMS:移動性野生動物種の保全に関する条約、通称「ボン条約」)の附属書Iに指定されており、Central Asian Mammals Initiative(CAMI:(仮)中央アジア哺乳類イニシアティブ)も適用されている。

Global Snow Leopard and Ecosystem Protection Program(GSLEP:世界ユキヒョウ生態保護プログラム)は、2017年1月17~18日にかけて、ネパールのカトマンズでSnow Leopard Landscape Management Planning Stocktaking Workshopを主催し、引続き1月19日~20日にかけてGSLEPの第2回運営委員会を開催した。
このワークショップと第2回運営委員会は、この種の保護に対して決定的なもので、ユキヒョウが生息するアジアの12か国が、2020年までに少なくとも20頭のユキヒョウを保護する方法について議論した。

ユキヒョウの生息する国がこの種を保護することに同意した2013年のビシュケク宣言に引続き、締約国は後の2015年、GSLEPの第1回常設委員会で再び集まり、ユキヒョウの生息環境を特定し、分布図と保全計画を提示し、National Snow Leopard and Ecosystem Protection Priorities(NSLEPs)の実施のために3千万USドル(約34億2780万円、2017年5月11日付換算レート:1USドル=114.26円、以下同レートとする)を獲得することに尽力した。

2017年1月のワークショップと会議では、加盟国による進展についての評価を行った。
また、能力構築、違法取引、気候変動への適応、ユキヒョウの生息環境を管理するための資金調達の重要性に焦点を充てた。
ネパールのPushpa Kamal Dahal首相は、Himalayan Research Centre((仮)ヒマラヤ研究センター)の設立に加えて、自国のユキヒョウの保全に46万USドル(約5,256万円)の資金を用意することを誓約した。
さらに、Global Environment Facility(GEF:地球環境ファシリティ)は、4千万USドル(約45億7040万円)以上の価値があるプロジェクトとともに、GSLEPのプログラムの実施を支援している。

国連環境計画のBert Lentenボン条約事務局次長は、2017年9月に開催されるSnow Leopard Summit(ユキヒョウサミット)に先立ち、分布図作りと実施計画のおよそ80~90%がすでに進められていることを会議で報告した。
さらに、気候変動がユキヒョウの本来の生息環境を狭め、家畜を高地で放牧させることによって人間と野生生物との対立を深めることにつながることで、ユキヒョウにとって最も大きな脅威の一つとなっていると述べた。

GSLEPは、国境管理の改善や、地域コミュニティにおける意識向上、ユキヒョウの生息環境の効果的な管理、地域住民との衝突を回避するための家畜の囲い柵の設置、などといった新たな取組みを提案することで、これらの課題に立ち向かうための重要な進展を成し遂げた。
キルギス人の中には、自分たちがユキヒョウの末裔であると信じている人もおり、この生物的遺産と文化的遺産の重要な一部が確実に失われないようにするために、できる限りのことを実施することを願っている。

ニュースソース:
http://www.cms.int/en/news/saving-snow-leopards-brink-extinction

 

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