海洋哺乳類保護の日に、ロシアでニシコククジラの保護活動を紹介
2017年2月17日 IUCN News
和訳協力:木南 誠、校正:鈴木 康子
ロシアでWorld Day of Marine Mammal Protection(海洋哺乳類保護の日)またはWhales Day(世界クジラの日)の前日に、IUCN(国際自然保護連合)主導の独立した専門家パネルがサハリン島沖に生息するニシコククジラ注1)の保護に果たしている役割について、IUCN、WWF(世界自然保護基金)そしてInternational Fund for Animal Welfare(IFAW:国際動物福祉基金)が共同でまとめた報告書のロシア語版が発表された。
このロシア語版の報告書は、ロシアのすばらしい科学者であり、大学教授を務め、さらに海洋哺乳類の専門家でもあったAlexey V. Yablokov氏の追憶としてささげられた。
Yablokoy氏は、IUCN理事会およびWestern Gray Whale Advisory Panel(WGWAP:ニシコククジラ専門家パネル)のメンバーを長年勤めていた。
報告書の趣旨は、「Russian Year of Ecology 2017」注2)の方向性とも一致している。
「独立した科学委員会は、今日、最も差し迫っているいくつかの環境問題に対して、効果的な対策を打つことができます」、とIUCNのInger Andersen事務局長はいう。
「IUCNのニシコククジラ専門家パネルはそういった協働の一つの成功例であり、サハリンとその他の地域において、環境保全とビジネスの双方に多面的な利益をもたらしています」。
より詳しく知りたい方は、共同プレスリリースの全文(ロシア語)、もしくは報告書「WGWAP Stories of Influence」全文を参照のこと。
IUCNのオンラインライブラリまたはWGWAPのウェブサイトには、英語とロシア語の両方の報告書が掲載されており、閲覧が可能である。
注1:コククジラは太平洋の東と西の沿岸部に生息し、アメリカ大陸沿岸に分布する東部系群(ヒガシコククジラ)と、北太平洋西部に生息する西部系統群(ニシコククジラ)で遺伝的に区別されるとされている。
注2:ロシア大統領による、2017年を環境問題や生態系・生物多様性の保護などへの関心を高める1年にするとした宣言のこと
★ニュース翻訳を続けるためにご協力ください!
→JWCSのFacebookでページのイイネ!をして情報をGET
→gooddoでクリックやFacebookいいね!をしてJWCSを支援
→JWCSの活動にクレジットカードで寄付
※日本ブログ村の環境ブログに登録しています。クリックしてランキングにご協力ください。
にほんブログ村
« 世界規模で増加する侵略的外来種 | トップページ | 集約農業と野火により欧州のバッタやコオロギの1/4以上が危機に »
「35 レッドリスト 絶滅危惧種」カテゴリの記事
- 香港市場に出回る絶滅危惧種であるハンマーヘッドシャークのフカヒレは、主に東太平洋地域産であることが判明(2022.04.12)
- スリランカがゾウ保護のためプラスチック製品の輸入を禁止へ(2022.01.25)
- 陸棲脊椎動物の絶滅が加速していることが調査により判明(2021.12.14)
- キツネザル類のほぼ3分の1とタイセイヨウセミクジラが絶滅危惧IA類に―IUCNレッドリスト(2021.11.16)
- クロマグロ産卵場における致命的な漁具に対するトランプ政権による許可の差し止めを求め複数の団体が提訴(2021.11.02)
「17 海洋生物」カテゴリの記事
- 香港市場に出回る絶滅危惧種であるハンマーヘッドシャークのフカヒレは、主に東太平洋地域産であることが判明(2022.04.12)
- ガラパゴス諸島の貴重な海洋生物を中国の巨大漁船団からどのように守るか(2021.09.21)
- 増大する中国漁船団により世界の海洋資源が枯渇(2021.09.14)
- ウミガメと陸ガメの受難(2021.08.10)
- 国際的規制当局の世界最大のマグロの売り尽くし方(2021.07.20)
「05 クジラ・イルカ」カテゴリの記事
- キツネザル類のほぼ3分の1とタイセイヨウセミクジラが絶滅危惧IA類に―IUCNレッドリスト(2021.11.16)
- ワシントン条約第70回常設委員会 議事要旨(2019.02.26)
- 日本が「科学」のために絶滅の危機に瀕したクジラを殺し、肉を販売。これは取締規定違反だ。(2018.12.20)
- 商業捕鯨を再開しようとする日本の努力が激しい論争の引き金に(2018.10.30)
- 日本、年次南極海調査捕鯨で120頭を超える妊娠クジラを捕殺(2018.09.06)
「12 哺乳類」カテゴリの記事
- Covid-19によりコウモリと疾病論争が再燃(2022.03.22)
- スリランカがゾウ保護のためプラスチック製品の輸入を禁止へ(2022.01.25)
- 陸棲脊椎動物の絶滅が加速していることが調査により判明(2021.12.14)
- キツネザル類のほぼ3分の1とタイセイヨウセミクジラが絶滅危惧IA類に―IUCNレッドリスト(2021.11.16)
- ディスコライトでパニック:ボツワナのチョベ地区におけるアフリカゾウの侵入を防ぐ太陽光発電ストロボライト(2021.10.19)
「40 保全対策」カテゴリの記事
- スリランカがゾウ保護のためプラスチック製品の輸入を禁止へ(2022.01.25)
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の先にある未来には地球の健康の再生が必要(2021.12.28)
- 陸棲脊椎動物の絶滅が加速していることが調査により判明(2021.12.14)
- クロマグロ産卵場における致命的な漁具に対するトランプ政権による許可の差し止めを求め複数の団体が提訴(2021.11.02)
- ディスコライトでパニック:ボツワナのチョベ地区におけるアフリカゾウの侵入を防ぐ太陽光発電ストロボライト(2021.10.19)
「34 IUCN 国際自然保護連合」カテゴリの記事
- キツネザル類のほぼ3分の1とタイセイヨウセミクジラが絶滅危惧IA類に―IUCNレッドリスト(2021.11.16)
- 野生生物取引により絶滅の危機にある種が保護対象となるには10年の歳月が必要(2019.10.29)
- カメルーンのセンザンコウ乱獲 国際的な保護でも食い止められず(2019.01.08)
- 最新報告:フカヒレへの食欲が絶滅危惧種のサメの個体数を減少させる(2018.12.08)
- 巨木林の減少に伴いヨーロッパのクワガタムシの5分の1が絶滅の危機に(2018.03.22)
この記事へのコメントは終了しました。
« 世界規模で増加する侵略的外来種 | トップページ | 集約農業と野火により欧州のバッタやコオロギの1/4以上が危機に »
コメント