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2017年10月17日 (火)

絶滅危惧種のケープペンギンが乱獲により陥る生態学的な罠

和訳協力:赤瀬 エリサ、校正協力:鈴木 康子

2017年2月16日African Conservation Foundation News

調査により、若いケープペンギンが、気候変動や魚の乱獲により食料が入手しにくい場所で、継続的に採食していることが示された。
3年にわたる国際的な科学者グループによる調査は、すでに絶滅の危機にあるアフリカのペンギンが危機的な状況にあると警告しており、その唯一のペンギンはアフリカ大陸の固有種である。

その調査は、エクセター大学(英国)のRichard Sherley博士と、南アフリカ、ナミビアおよび英国からの研究者で結成されたチームによって2011年から2013年の間に実施された。
対象となったのは、Southern African Foundation for the Conservation of Coastal Birds(南アフリカ沿岸鳥保護財団:SANCCOB)によって保護・養育された14羽を含む、54羽の巣立ちしたばかりの若いケープペンギンである。
研究者はペンギンに発信器を付け、人工衛星を使って、初めて外洋に出てから数週間の行動を追跡した。

この調査によって、若いペンギンは主に3つの海域で採食していることが判明した。
ナミビア中央部のスワコプムント沖、南アフリカのウェスト・コーストにあるセント・ヘレナ湾の北、南アフリカの南海岸のアガラス岬周辺の3か所である。
東ケープ州(南アフリカ)の若鳥だけはアガラス岬の東海域で採食していたが、ウェスト・コーストの若鳥はケープ・タウンの北海域およびナミビア近海で採食していた。

歴史的にみれば、これら3か所はすべてイワシやマイワシ等が豊富な海域だった。
SANCCOBの研究マネージャーであるKatrin Ludynia博士と本研究の共著者らは次のように説明する。
「かつては豊富な食料を探す手掛かりだった低い水温と高い一次生産性が、環境変化にさらされながらもこれらの海域で保たれているため、未熟なペンギンたちは食料の乏しい海域を生息地に選ぶという間違いを犯してしまうのです。
これらの海域でも十分な量の魚が採れるだろうと思うかもしれませんが、気候変動と過去10年以上にわたる乱獲とが重なることで、ウェスト・コースト沿岸ではほとんど魚の姿が消えてしまいました」。
この結果、食料を求めるペンギンは「生態学的罠」に陥っていると言える。
先行するほかの研究と同様に、未熟なペンギンが十分な食料を確保できないという事実は、外洋に出て1年目の生存率が低いことの裏付けとなっている。

急激な個体数減少のため、ケープペンギンは2010年に絶滅危惧IB類に再分類された。
今日の野生の個体数は、過去の個体数の2%に満たない(つがい数では23,000組を下回る)と推測されている。
現在の調査に基づくモデルを使った個体数予測によると、これらの海域で十分な捕食ができれば、南アフリカのウェスト・コーストに生息するケープペンギンの個体数は現在の2倍になるであろうと示唆される。

SANCCOBとこのプロジェクトの協力者らは、Chick Bolstering Project(CBP:(仮)ヒナ鳥支援プロジェクト)の一環として、病気になったり、怪我をしたり、育児放棄されたケープペンギンのヒナを保護し、西ケープ州のテーブル・ビューと東ケープ州のケープ・セント・フランシスの2か所にある施設でリハビリを行っている。
このプロジェクトは、絶滅危惧種の減少を食い止めるための取組として、国際的にも最も成功している保護活動のひとつと認識されている。
2006年のプロジェクト開始以降、SANCCOBと協力者らは4,000羽以上のヒナを飼育し、再び自然に戻すことに成功している。

「本調査によれば、SANCCOBに保護・養育されたヒナは、野生のほかのペンギンと同じ様に行動しています」と、Katrin Ludynia博士は述べる。
「残念なことに、それは自然に戻された若鳥が、ほかのペンギンと同じ問題に直面することを意味しています。ですから私たちは、ケープペンギンが長期間生き残っていけるように、政府およびその他の保護団体と協力しています」。

この調査は、絶滅の危機に瀕しているアフリカのペンギンたちを救うためには、異なるレベルでの様々な保護対策を実施する必要があることを強く訴えている。
貴重な繁殖コロニーを守り、見放されたケープペンギンのヒナを育てるのとは別に、これらの鳥たちが外洋で最初の1年を生き延びられるように、今まで以上に魚資源を保護していかなければならない。

ニュースソース:
https://www.africanconservation.org/wildlife-news/endangered-african-penguins-stuck-in-ecological-trap

 

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