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2017年9月 1日 (金)

致死ウイルスによりモンゴルでサイガが大量死

和訳協力:山田 由加里、校正協力:鈴木 洋子

2017年2月7日 WCS News Releases

アルタイ山脈と中国に隣接するモンゴル西部のGreat Lakes Depression(大湖低地)において、サイガが2ヵ月以上にわたり大量死をとげている。

現地にてモンゴル人および他の国際的な協力者らと活動を共にするWCS(Wildlife Conservation Society:野生生物保護協会)の科学者によると、2016年12月以来、モンゴルのホブド県およびゴビ・アルタイ県のDurgun steppeやKhuisiin Gobiにおいて、およそ2,500頭のサイガが死亡している。
現在、モンゴルのサイガは、モンゴル特有の亜種Saiga tatarica mongolica(モンゴルサイガ)なのだが、その個体数はわずか約1万頭と推測されており、そのためこの大量死により、モンゴルサイガ個体群の25%が急激に失われたことになる。

原因はPPR、またはPeste des Petits Ruminants(小反芻獣疫)として知られる家畜のウイルスである。
科学者によると、モンゴルサイガを襲った病気は、2016年9月、まずはサイガの生息地域のヤギや羊から伝染し、その後サイガに蔓延していった。

「このよう致死感染病の発生がモンゴルサイガに起こったには、初めてのことです」と、獣医師であり、アジアにおけるWCSのWildlife Health Program((仮)野生生物保健衛生プログラム)の副代表であるAmanda Fine博士は以下語った。
「以前、一部のサイガの死亡原因としてパスツレラ症が記録されたことがありましたが、これほどの急速な蔓延と大量死が起こったことはありませんでした。状況は悲惨で、広範囲にわたっています。この大量死はサイガの個体群に影響を与えるだけでなく、生態系に対しても連鎖的に壊滅的な影響を与える可能性があります。例えば、アイベックスやアルガリも影響を受けるでしょうし、希少種のユキヒョウも餌動物の減少の影響を受ける可能性があります」。

WCSのMongolia Program(モンゴルプログラム)の代表であるEnkhtuvshin Shiilegdamba博士および、WCSの生物学者であるBuuveibaatar Bayarbaatar博士をはじめとするWCSチームは、FAO(国際連合食糧農業機)/OIE(国際獣疫事務局)のCrisis Management Center(危機管理センター)およびAnimal Health rapid response team((仮)動物保健衛生緊急対応チーム)を支援してきた。
緊急対応には、死亡したサイガの検体の採取、死亡後間もないサイガの剖検(動物遺体の解剖)の実施や病気のサイガの評価、イギリスのRoyal Veterinary College(王立獣医科大学)のRichard Kock博士やモンゴルの獣医学専門家チームへの助言の提供等が含まれる。

このチームはまた、死亡したサイガから検体を採取して、罹患したサイガの年齢と性別を評価し、このような破滅的な出来事からサイガを回復させる最善の方法を明確にしようとししている。

「現在、サイガの死亡率は低下しているようですが、大量死の発生が終息に向かっているという保証はありません。春まで続くかもしれないのです」と、Fine博士は語った。

この病気の大発生を止めるために精力的に活動するMongolian National Emergency Committee((仮)モンゴル国家緊急委員会)は、National Emergency Management Committee(国家危機管理委員会)、Ministry of Food and Agriculture(食糧・農牧業省)、Ministry of Environment(環境省)およびGeneral Agency for Specialized Investigation(特別調査局)から構成されている。
この委員会のメンバーは、詳細な助言を与え、支援する作業部会を整備してきた。
この作業部会はMinistry of Environment and Tourism(自然環境観光省)主導の下、National Emergency Management Agency(国家危機管理庁)、食糧・農牧業省、Veterinary and Animal Breeding Agency(家畜衛生・繁殖庁)、State Central Veterinary Laboratory(国立中央獣医研究所)、特別調査局、Institute of Experimental and Exploratory Biology((仮)生物実験・調査研究所)、国際連合、FAO、WCSおよびWWF(世界野生生物基金)で構成されている。

WCSのFine博士は、また以下のように語った。
「全体としてWCSは、他の二次的な細菌感染が現在発生している場合に、生き残ったサイガの個体群への将来的なリスクを予測できるように、サイガ個体群のどれだけの割合に影響が出るか、またどんな年齢が影響を受けるかを明らかにしようとしています。そして、サイガの繁殖期になってサイガの大群が群れになる次の春と夏に起こるかもしれない、さらなる大量死を防ぐ方法を特定するために調査を行っています。特にShargiin Gobiにおける罹患していない個体群に病気が蔓延していないことを確認する必要があります」。

モンゴルの家畜では2016年9月に初めて、モンゴルサイガでは2017年1月に初めてPPRと診断がくだされた。
被害のあった地域の家畜にはワクチン接種を行った。
群れの免疫レベルは、効果的なワクチン接種の重要な指針となり、十分な監視が必要となる。

PPRの大発生に加えて、サイガの角を目的とした密猟や死亡したサイガの角の違法採取が起こっており、現地の法執行機関職員の監視および通報が必要となっている。

世界的に、伝統薬に使用されるサイガの角の密漁が熾烈になっており、ここ数十年でサイガの個体数は90%以上激減した。

「PPRを予防する最善策は、サイガの生息地域だけでなく他の罹患した種の生息地域も含めた家畜に対し、更なる予防接種を行うことです。モンゴルサイガの最後に残された個体群を絶滅から救うためには、サイガを回復させるためのストレスのない状況と食糧や水資源を得る手段が用意されていなければなりません」とFine博士は語った。

モンゴルの国家危機管理委員会は、PPR大発生を抑制し、終息させるために精力的に活動している。
しかし、現在のモンゴルの経済危機が効果的な抑制策実施の障害となっており、そのため現地の職員は、国際社会に支援を探し求めている。
WCSは、緊急かつ長期的なサイガ保護および保全対策の実施のために、様々な資金をモンゴルに結集させるよう、世界の自然保護にかかわる組織とともに取り組んでいます。

ニュースソース
https://press.wcs.org/News-Releases/articleType/ArticleView/articleId/9836/A-Deadly-Virus-is-Killing-Saiga-Antelope-in-Mongolia.aspx

 

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