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2017年6月27日 (火)

生物多様性は極端な気候現象時に生態系を安定させる

和訳協力:鈴木 亨、校正協力:久保 直子

2015年10月15日 UFZ Press Releases

国際的な草地の研究で、湿潤、乾燥状況下で多数の種の存在がもたらす恩恵を発見

生物多様性は、極端な気候現象から生態系を守る一助となり得るのだろうか。
気候変動がより不安定な状況をもたらすのと同時に、人間の営みによって、食料となり酸素を生み出すことができる種や、地球の均衡を保つ助けとなっている種の数が減少するにつれ、この疑問が、多くの科学者や政策立案者の頭によぎる。
現在、北米や欧州の46か所の草地研究で、期待できる回答が示されている。
植物の多様性が高いほど、極端に湿潤または乾燥状況下における草地の生産力の低下の程度を低くさせる(あまり低下させない)、というものである。

「生物多様性に生産力を徐々に安定させる効果があることは、かなり以前から知られています」と、論文の筆頭著者であり、本プロジェクトの主任研究員で、研究で対象とした調査地のひとつのミネソタ大学のCedar Creek Ecosystem Science Reserve(シーダークリーク生態系科学保護区)の副所長でもあるForest Isbell氏は述べる。
「しかし、その効果が現れるのは極端な気象減少が起きている最中なのか、起きた後なのか、それともその両方なのかについては、定かでありませんでした。この研究で、極端な気候現象の起きている間に群落が耐久性があることを示したので、多様性の高い群落がより安定している、ということが明らかになりました」。

これに反して、研究対象とされていなかった他の種は、実に多くの被害を受けていた。
農薬は最終的に草地に留まらず隣接する森林や水域に行き着く。
しかし、そこに生息する昆虫が持つ耐久力はずっと低い。
「時間の経過とともに、こうした種は農薬使用に対する耐久力が2倍から4倍増加します」とUFZ(ヘルムホルツ環境研究センターのDepartment for System Ecotoxicology((仮)生態毒性システム部)部長のMatthias Liess教授は述べた。
これに対し、害虫は10倍から1000倍に増加する。

10月14日のオンライン版の科学雑誌Natureに掲載された研究には、アメリカ、ドイツ、イギリス、アイルランド、フランス、スイス、オランダ、チェコ共和国、そして日本の、36名以上の研究者が携わった。
研究者たちは、年毎の実験を極端な乾燥から湿潤までの5段階評価に分類することから始めた。
次に、それぞれの調査地の生産力が基本的にどれほど高いのか――植物の多様性の段階ごとに、それぞれの年に生産した、植物の地上部の重量を計測した。

46か所の調査地での結果を合わせ、研究者たちは、植物の多様性が高いほど、湿潤なまたは乾燥した気候現象が起きている間の生産力の変動幅が小さくなることを発見した。
全体的に、1種または2種だけからなる群落の生産力は、気候現象が起きている間に平均50%の変動があったのに対し、16種から32種が生育する群落の生産力は、変動幅がその半分に過ぎなかった。
しかし、湿潤または乾燥現象の後、その草地がどれほど早く正常の生産力に戻るかについては、生物多様性が大きく影響するようには見えなかった。

ミネソタ大学College of Biological Sciences(生物科学部)の非常勤講師でもあるIsbell氏は、研究チームの予想とは少々異なる結果だったと述べた。
「私たちの多くは、生物多様性は、極端な気候現象が起きている間には耐久力を、起きた後には回復力を、しばしば増進させるのではないかと予想していました」。
しかしそうではなくて、気候が変化している最中に生物多様性が生態系の安定性を維持する一助となる主な仕組みとしては、明らかに耐久力が回復力より勝っていた。

本プロジェクト共同研究責任者でドイツのGerman Centre for Integrative Biodiversity Research(iDiv:ドイツ生物多様性研究センター)およびライプツィヒ大学の教授であるNico Eisenhauer氏は、iDivのbiodiversity synthesis center((仮)生物多様性総合センター)から資金提供を受けたこの研究は「生態系が自然の耐久力や回復力を人間が破壊していることを包括的に示しています」と述べた。
また、この発見は自然界における天候が直面する激しい変動を乗り切る助力となる、生物多様性の役割に関する理解を深める、とも語った。

さらに、「研究者たちは何十年ものあいだ、生態系を安定させる特徴を調べてきました」と彼は言った。
「今回の結果は、世界規模の気候変動に直面した時に、生態系サービスを安定させる要因が生物多様性であるということで、生物多様性の重要性を、改めて科学者や、土地の管理者、政治家に強く実感させるものです」。

iDivおよびライプツィヒ大学に所属し、本プロジェクトの博士研究員で共著者であるDylan Craven氏は「残る課題は、極端な気候現象に続く生態系の回復を決定する要因がもし生物多様性でないならば、どのような要因かを突き止めることです」と語った。
さらに、「私たちはまた、極端な気候現象が起きている間に、生物多様性が耐久力をどのように高めるのかを理解する必要があります。そうすれば、逆境を耐え抜くためには、どのようなタイプの生物多様性が必要かを特定することができるからです」と、付け加えた。

ニュースソース
http://www.ufz.de/index.php?en=35162

 

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