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2017年5月25日 (木)

アナンキョクオットセイを予想外の海域で発見

和訳協力:坂本 義教、校正協力:成田 昌子

2015年7月24日 FFI News

sub-Antarctic fur seal(アナンキョクオットセイ)がケニア北部の沿岸――この種の一般的な生息範囲から210kmも離れている場所――で発見されたことは、保護活動家間でも地元住民の間でも同様に、大きな興奮を引き起こした。

ケニア北部のKiunga Marine National Reserve(キウンガ国立海洋保護区)沿岸の漁師は最近、漁の最中に驚くべき出来事に遭遇した。
網を引き寄せたところ、その中に一頭の大きな哺乳類がからまり、身動きがとれなくなっていたのである。

困惑した乗組員は、これまでそのようなものを見たことがなかったため、この生き物を「アザラシ」と呼んだ。
しかしその生き物をどうすればよいというのだろうか。
網を切ってはずしてやり、健康状態はわからずとも海に戻してやるべきか。
自分たちの網を守って、この生き物をただ殺せばよいというのか。

しばらく考えた後、乗組員が下した最善策は、地元で活動をしている顔見知りの保護活動家とレンジャーのチームに助けを求めることだった。

一旦陸に上げられた後、この動物はアナンキョクオットセイの雄の成獣であることが確認された。
アシカ科(もしくは「アシカ類」)の一種であり、実際にいわゆるアザラシよりアシカに近い。

その名前が示するように、アナンキョクオットセイは普通はインド洋や太平洋、大西洋の南部で見られるものだが、ケニアで記録されたのは今回が初めてである。

実際に、The Nature Conservancy(ザ・ネイチャー・コンサーバンシー、自然保護NGO)によれば、この個体は同種の従来の確認記録から北に210km離れているという、驚くべき場所で発見されたのである。

このオットセイの記録破りの泳ぎは、急増する個体数がその一因ではないか、と専門家は考えている。
しかしながら気候の変化も一つの役割を果たしているのだろう。
この種の通常の生息域の海が温かくなり、個体群は食糧とより水温の低い海水を求めて、新たな海域へと探検に赴いたのであろう。

保全を確約

自分が網に絡まっていることに気づくことは一般的な意味での最良の日とは言えないが、さまよい続けていたオットセイがこの地域で捕獲されたのは幸運だったのだ。

Fauna & Flora International(FFI:ファウナ・フローラ・インターナショナル)は、Northern Rangelands Trust(NRT:ノーザン・レンジランズ・トラスト)と、その下部組織であるNRT-Coast((仮)NRTコースト)、その他のパートナーとともに保護活動を進めている。
その他のパートナーには、The Nature Conservancy、ケニアのカウンティ注1)や郡の漁業部門、Kenya Wildlife Service(ケニア野生生物公社)、そして海洋や沿岸の資源を持続可能な方法で管理しているケニア北部沿岸の地域コミュニティを援助する、その他の政府組織や地方組織などがある。

この活動の目標は、地域コミュニティが生計を立てていけるようにするのと同時に、依存している豊かな海洋環境の保護の両立が確実にできるようにすることである。

課題は、被害を受けやすい地域を守るために必要となる生態学的知識をもって、沿岸の水域管理に責任を負う人々に公式な権限を与え、また法規則の施行に必要な法律上の権限を与えることである。

NRT-Coast(ラムに本拠を置くNRTのサテライトセンター)はこれを達成するために、現在、キウンガ、パテ、Awer、イシャクビニ、Ndera、Lower Tana Delta(タナ川下流のデルタ地帯)および Hanshak-Nyongoroにある6つの沿岸地域の管理委員会を支援している。

キウンガとパテの両地域管理委員会では、FFIとパートナー団体がBeach Management Unit(BMU:沿岸管理組合)――漁場の管理と地域の暮らしの改善のために、政府機関や他の利害関係者と連携して活動することを目的とした、漁業者を集める地域コミュニティを基盤とした組織――の発展を支援している。

それぞれの地域管理委員会には、特定の地域を超えて管轄権を有するいくつかのBMUがある。
BMUは、国が定めた漁業に関する法制を補完し、地域管理委員会組織の発展を導くものとして法的に承認されている。

BMUのメンバーは漁場と沿岸の資源管理、諍いの解決、財政管理を学んでいる。
一方で地域コミュニティはより広域を管理するための共同管理計画を立案中である。

FFIはこの10年、NRTの強力な支援者であった。
財源を提供しただけではなく、NRTがする支援組織と地域管理委員会の発展に対して的を絞った技術支援をも行ってきたのである。

地元の名士

この地域でのオットセイの発見はキウンガ海洋保護区の重要性に光をあてるものだ。
一方で同時にその後の救出劇は、知識と技能を地域コミュニティに与えることにおいて、保全モデルが実にうまく機能することができたかを示している。

漁船の乗組員が(簡単ではあるがより残酷な解決策よりむしろ)、地域の自治体の保護活動家やレンジャーに援助をを求めるほうを選んだだけではなく、オットセイが浜に連れてこられたときには、動物自身もちょっとした有名人だと思われた。

キウンガの人々は、この訪問者を本来の生息地へ返す前に、今回の出来事を無傷で乗り切った祝福の儀式を即興でとり行った。
ことによると、この祝福の儀式を行ったこと以上に、アナンキョクオットセイ自体と彼らの保全に対してキウンガの人々が抱く情熱を物語るものは、存在しないのかもしれない。

注1:2013年に新憲法により制定されたケニアの新しい行政区画の名称。以前使われていた州の下にあった県に近い領域が多い。

ニュースソース
http://www.fauna-flora.org/news/sub-antarctic-fur-seal-found-in-unexpected-waters/

 

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