南アフリカで世界渡り鳥の日を祝う
和訳協力:吉田 淳子、校正協力:稲垣 語祐
2015年10月23日 CMS News
2015年10月15日、南アフリカでWorld Migratory Bird Day(WMBD:世界渡り鳥の日)を祝う第1回公式式典が開催された。
式はEdna Molewa環境大臣が中心となり、ハウテン州にあるマリーベール鳥類保護区で行われた。
会場となった保護区はラムサール条約登録湿地のBlesbokspruitの南端に位置し、多種多様な水鳥の休息地になっている。
世界渡り鳥の日は、渡り鳥とその生育地の保護の必要性についての関心を高めるために、Convention for the Conservation of Migratory Species of Wild Animals(CMS:移動性野生動物種の保全に関する条約、通称「ボン条約」)と、Agreement on the Conservation of African-Eurasian Migratory Waterbirds(AEWA:アフリカ・ユーラシア渡り性水鳥保全協定)のもと、2006年に発表された。
南アフリカ共和国は、1991年12月1日にCMSの、2002年4月1日にAEWAの締約国になった。
国際的には5月第2週の週末となっているWMBDは、北半球では夏に合わせて鳥たちが帰ってくるタイミングに行われる。
つまりその時期に、渡り鳥は南アフリカから飛び去ってしまうのだ。
そのため、南アフリカでは鳥たちが冬を過ごすために戻ってくる10月に行われたのである。
今年の世界渡り鳥の日は、「Energy - make it bird-friendly!:渡り鳥への影響の少ないエネルギー」がテーマだ。
再生可能なエネルギーシステムとテクノロジーの発達が、渡り鳥とその生息地に及ぼす影響を、最小化または軽減させることに焦点を当てている。
電気の供給は、産業やビジネスの発達に欠かせないだけでなく、多くの人々が医療や教育の恩恵を確実に受けるために必要だ。
しかし、野生動物や環境へ悪影響を与える可能性をできる限り小さくするように、エネルギー基盤の導入を管理する必要がある。
Molewa大臣は、次のようなメッセージを持ち帰ってほしい、と参加者に呼びかけた。
「わたしたちの空の上を何千羽もの渡り鳥が飛び交うこの素晴らしい光景を、今だけでなく、また将来昔話や、絵画や、絵本の世界に追いやってしまわないように、より一層の努力をしていきましょう」。
ニュースソース
http://www.cms.int/en/news/south-africa-celebrates-world-migratory-bird-day
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