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« ロシアでは伐採業者がフクロウの最愛の友? | トップページ | ウナギ属の保全と取引について(CITES CoP17の決議案) »

2016年9月15日 (木)

国内象牙市場の閉鎖(CITES CoP17の決議案)

-特定種に関する問題:ゾウ (ゾウ科)-

和訳協力:ジョンソン 雅子、校正:JWCS

1. 本文書は、アンゴラ、ブルキナファソ、中央アフリカ共和国、チャド、コートジボワール、エチオピア、ガボン、ケニア、ナイジェリア、セネガルによって提出された。
*本文書に使用される地理的指示は、一切の国、領土若しくは地域に関連する法的状況若しくは国境または境界限界の設定に関連し、CITES事務局一環による如何なる意見も示唆するものではない。本文書の内容の責任は著者が単独で有する。

2. ゾウの違法捕殺及び象牙の違法取引は大部分のアフリカで大きな問題となっている。そのため、これまで安全と考えられていたものも含め、サバンナゾウ及び森林ゾウの多くの生存が脅かされている。そして、アフリカの森林及びサバンナの生態系の健全性を脅かすことになっている。

3. 違法捕殺と違法象牙取引は、地域社会とともに広くゾウ生息国の持続可能な経済発展に支障を与えている。

4. ゾウ密猟と象牙取引は国際的な犯罪者ネットワーク及び犯罪組織が援助しており、汚職を促進し、また汚職によって促進され、法及び保安規定を脅かし、そして市民軍及びテロリストの活動に関わる者に資金を提供しているケースもある。

5. ゾウ密猟と象牙取引は安全を脅かすとともに、アフリカのゾウ生息域にある地域社会、とくに遠隔の脆弱な地域社会の安全と生活を脅かしている。そして、ゾウやその他の動物保護の任務を課された人の命やその家族にはとくにリスクとなっている。

6. 法的な国内市場のものを含む全ての象牙販売には、ゾウの生息数と地元の地域社会へのリスクを高める可能性を元来持つもので、それは国内象牙市場が生息域、通過、または消費者国のいずれにあっても、合法的と装う違法な象牙の浄化に大変有利な状況を与えているからである。

7. アフリカゾウ活動計画とは、 アフリカゾウ生息域にある全ての国が第15回締約国会議にて合意し締結された協定である(CoP15)。これによって合意された優先目標と活動が定められた。もしこれが、アフリカゾウの生息域で実行されれば、現在のアフリカゾウ密猟の危機が大きく対処されることになる。

8. 保管され増加し続ける象牙の安全と管理には累積的に費用が発生する。少ない資源がゾウの保全と保護及び野生生物法執行の最前線から外れ、象牙が不法取引の経路に入り、思索を駆り立て密猟や売買を助長する可能性がある。

9. 生息域、通過及び消費者国での象牙取引に対する国際的な関心はCoP16以来劇的に変化し、締約国及び非締約国がともになって、今日ゾウの密猟とその象牙取引停止のための活動に密接に関わっている。

10. 2014年2月14日、ボツワナ、ガボン、チャド及びタンザニアの大統領、そしてエチオピア外務大臣によるゾウ保護イニシアチブ(EPI)が始動した。これは、10カ国以上のメンバー国が参加する成長中のアフリカ主導のイニシアチブで、とりわけ国内象牙市場の閉鎖を呼びかけ、アフリカゾウ活動計画の実行をサポートするものだ。2016年1月、CITES常設委員会の第66会議でEPIは歓迎を受けた。

11. 2015年9月25日、アメリカのオバマ大統領と中華人民共和国の習近平主席が、共同で野生動物の密売の撲滅を目指す誓約を発行。両国による「狩猟トロフィーとしての象牙の輸入の重要で適時な規制を含む、象牙輸出入のほぼ完全な禁止の制定、そして国内の象牙の商取引を止めさせる重要でタイムリーな行動をとる」取り組みに関する声明を発表した。

12. 2015年7月30日、国連総会で初めての野生生物取引決議が採択された(UNGAA/69/L.80「野生生物の合法的取引」)。

13. 2015年9月25日、国連の2015年以降の発展アジェンダのための持続可能な開発サミット(全員出席の国連総会ハイレベル会合)で、193の国連加盟国による合意取り組みを表明する持続可能な開発目標(SDG)が採択された。多くの重要問題の中で、SDGの中のゴール15の目標15.7では、とくに違法な野生動物取引を取り上げ、これには、緊急に野生動植物の保護種の密猟と不正取引を止めさせるための行動を起こすこと、そして、違法野生生物製品の需要と供給に対処することが記載された。本文書の第9節には、世界観も含められた。「人間が野生生物やその他の生物種が保護される自然とともに生きる世界」。 この決議草案を支える精神である。

14. 2016年1月13日、香港行政長官は2016年の施政方針演説で、香港行政自治区は「ゾウの狩猟トロフィーの輸出入の禁止を早急に行うこと、及び象牙輸出入の禁止を更に進め国内象牙取引を段階的に廃止する法律の制定といった、他の適切な対応を積極的に模索する」と発表した。

15. 2016年2月26日、EUは野生生物取引に対応する活動計画を採択した。これはとりわけEU内の市場(アンティークを除く)を閉鎖し協定前の製品化されていない象牙の輸出を禁止したものである。

16. CITES締約国会議および常設委員会は、アフリカゾウが直面する進行中で深刻なレベルの危機、違法捕殺によってアフリカ全域の個体数が継続して減少している現実、そして違法取引への対策を強めてきたこと(特にCoP16、常設委員会の第65回及び第66回会議で)をこれまで表明してきた。これらは、 (決議10.10 (Cop16で改正)、決議16.9、およびその先駆けの決議、また決議 14.78 (CoP16で改正)、決議 16.78から16.83とその先駆けの決議)、そして常設委員会による提言を含む。

17. Cop16以来、多数の政治的重要イベントで、象牙を含む野生生物取引の阻止のための対策が更に加えられた。これにより、違法な野生生物取引(象牙を含む)による損害に対する注目度が高まり、またこのためのハイレベルな政治的支援が確保された。このようなイベントと活動とは、アメリカのオバマ大統領の野生生物取引と戦う上での大統領令(及び関係する野生生物取引方略と履行計画)、世界野生生物の日(2015年3月ニューヨーク)のイベントやその他の世界野生生物の日のイベントでの違法野生生物取引についての首脳級の利害関係者間の対話、緊急対策などに合意が見られたアフリカゾウサミット(2013年12月及び2015年3月ボツワナ)、野生生物の違法取引に関するロンドン国際会議(2014年)、そして野生生物の違法取引に関するカサネ会議(2015年3月)などである。これらの全てが急務であるが、違法な国内象牙市場が存続する限り、こうして結ばれる誓約や提言のアフリカゾウたちが直面する危機への対処は完璧ではない。限定はされないが、消費国では特にそうである。

18. 多くのゾウ生息国は、通過国及び消費国に、これらの国での合法的な国内象牙市場を閉鎖することで、生息域のゾウの個体群保護のための取り組みを援助するよう要請している。2015年11月4日、25のアフリカゾウ生息国の代表が、コトヌー協定を採択。これは、多くの問題を取り上げるとともにアフリカゾウ活動計画が象牙取引の撲滅あってのみ効果的に履行されるものであるとし、「世界中の国内象牙市場の閉鎖のために国内外レベルでの全ての提案と活動を指示する」ことに合意した。

19. チベットアンテロープに関しては、先例が現在施行されている。チベットアンテロープ製品の違法取引を減少させるため、決議11.8(CoP13で改正)で、締約国会議が「a)全ての締約国及び非締約国、とくに消費国及び生息国が、チベットアンテロープの標本と派生物(特に毛織物シャトウーシュ)の商業取引廃絶を目的に、包括的な法律と執行管理を緊急の課題として取り入れることを提言」している。

20. 多くのゾウ生息域及び消費国は、合法的な国内の象牙市場を閉鎖するために、法的及び規制措置をこれまでに行い、また現在も行っており、もしくはその意向を持つことをすでに表明している。

提言

21. 添付の決議草案を締約国が採択するよう提案する。

事務局からのコメント

A. 事務局はCoP17Doc.57.2が、CoP17Doc.27文書の「国内象牙市場」の節で採り上げられた問題と重複している点について触れている。添付の決議草案から現在の文書についても、CoP17Doc.27で提案された決議10.10(Cop16で改正)の改正案と大幅に重なっている。事務局は、現在の会議でこれらの問題について話し合うことが最良であるという意見である。

B. 事務局は、国内の象牙市場に関する既存もしくは新たな規程が、ゾウの標本商売に専門に取り組む決議10.10(Cop16で改正)と統合されることが最良であると考える。そのため、国内象牙市場閉鎖の決議を別に進展させるよりも、決議10.10(Cop16で改正)を改正することを提案している。 このアプローチの方がわかりやすく実用的であり、加えてCoP17Doc.27の内容も取り入れられる。

C. 決議草案のいくつかの序文の節は、CoP17Doc.27付録1で提案する文章とすべて、またはそのほとんどが同じ内容であるため、整理すれば統合が可能である。さらに、提案された序文が最初に想起されたとき、常設委員会が現会議にて削除するよう提案していた決議を参照していたと、事務局は補足説明している(CoP17 Doc.57.1を参照)。

D. 決議草案の修正可能な部分が、決議10.10(Cop16で改正)に統合されたならば、 第2、第3、第4段落はほとんど重複になる。これは決議10.10(Cop16で改正)がすでにアフリカゾウ行動計画に対する緊急援助、常設会議及び(直接締約国に向けず事務局経由での)締約国会議への報告に関する内容を包含しており、さらに決議文に勧告を履行のための資金援助に関する条項を盛り込んでいるからだ。

E. 事務局は、CITES附属書掲載種の合法的標本の国内取引市場閉鎖と国際的取引の閉鎖を提案するのは複雑で微妙な問題であると指摘。それは協定の第1条で、「取引」を輸出、再輸出、輸入及び海からの持ち込みと定義していることがあるためだ。

F. 締約国は、生物多様性に関する条約の第3条と環境と開発に関するリオ宣言の第2原則を基準とすることを望むかもしれない。これによれば「国家は国際憲章及び国際法の原則に従い、自国の資源を利用する国権を有し、権限もしくは管理内におけるその活動が他国もしくは国家権限外の地域の環境損害の原因にならないよう保証する責任を有する」とされている。

G. 事務局は、例えば合意の遵守をむしばむ国内及び国際間の違法取引の結びつきが十分に明らかな場合には、ごく希に締約国が国内市場に対処を行ってきたということを指摘。このような場合では、締約国は、これらの市場の完全閉鎖を推奨するよりも、国内市場の規制と管理をもっと効果的に行うことに合意してきた。象牙取引を考える上で、このアプローチは決議10.10(Cop16で改正)の「象牙加工産業、合法的な象牙の国内取引、違法象牙取引のための無規制市場若しくは違法象牙取引、または貯蔵象牙の存在する法的権限の管轄にある締約国、及び象牙輸入国として指定されている国」に対して、「生牙及び加工象牙の国内取引を規制し」、付加的な規制処置を行うことを促す決議に反映されたものである。

H. 事務局はまた、国別象牙行動計画についてその手順をCoP17のDoc.24に記録するよう締約国に対し呼びかけた。これは、国内象牙市場との関連も含む違法な象牙取引を撲滅する国内的処置の強化に使用される。

I. 事務局はさらに、締約国が違法に取引された標本の所持を協定第8条に従い国の法令によって確実に罰し、加えて国の法令がこのような問題を国が保有する違法標本として対処すべきであると加えたい。

J. これらを検討の上で事務局の意見は以下である。生牙及び加工象牙の商業取引の国内市場の閉鎖を締約国に推奨することは、協定の範囲を超える可能性がある。代わりとして、締約国は国内市場の閉鎖を検討するよう求められる可能性もある。これに関連し、事務局は締約国に、協定第14条下でさらに厳しい国内措置をとる権利を締約国が有すること、そして締約国会議は締約国がそのような措置を取ることができる旨、注記を希望できることを再認識するよう促す。

K. 締約国が、CITESの附属書掲載種の合法的な国内市場をこの方法で規制したいのであれば、協定の条文、とくに取引の定義について、を変更する必要があるかもしれない。

ニュースソース
https://cites.org/sites/default/files/eng/cop/17/WorkingDocs/E-CoP17-57-02.pdf

 

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