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2016年7月29日 (金)

ヴィルンガ中央山塊でマウンテンゴリラの個体数調査が始まる

翻訳協力:山本 真麻、校正協力:佐々木 美穂子

2015年10月7日 FFI News

マウンテンゴリラの個体数調査を新しく実施することは、国境を越えた今後の保全活動に必要不可欠だ。

本日開始される、Virunga Massif(ヴィルンガ中央山塊)に生息するマウンテンゴリラ(学名:Gorilla beringei beringei)の最新の個体数調査は、同地域での保全活動の効果の評価に役立つのみならず、絶滅危惧IA類のマウンテンゴリラとその脆弱で限られた生息地を守るための今後の取り組みを方向付けるという、重要な役割を担うだろう。

個体数調査は2010年以来初となり、Greater Virunga Transboundary Collaboration(GVTC-ヴィルンガ山地の維持管理を行う国境を超えた協力組織のこと)が指揮をとり、International Gorilla Conservation Programme(IGCP:国際ゴリラ保護計画)とその他のパートナーを通じて、Fauna & Flora International(FFI:ファウナ・フローラ・インターナショナル)とWWF(世界自然保護基金)が支援して実施される。
その2010年の調査では、ヴィルンガ中央山塊の451km2の範囲に、マウンテンゴリラ480頭が生息していると推定された。
この調査地はコンゴ民主共和国、ルワンダ、ウガンダにまたがり、マウンテンゴリラが今でも生息しているたった2つの場所のうちのひとつだ。

「レンジャー、保護活動家、近隣の地域コミュニティの人々による献身的な活動と、ゴリラの生息する3か国の協力し合った取り組みのおかげで、ヴィルンガ中央山塊に生息するマウンテンゴリラの個体数は、ここ20年は着実に増加する傾向にあります」と、IGCP代表のAnna Behm Masozera氏は話す。
「今回の個体数調査がこの増加傾向が続いていることを裏付けてくれることを願っています 」。

多数の参加団体から派遣されたスタッフで構成される6つのチームが、組織だってヴィルンガ中央山塊を歩き回り、マウンテンゴリラの形跡を探し、寝床(マウンテンゴリラは毎晩植物を使ってベッドを作る)の場所を記録し、遺伝子分析に使用するために糞のサンプルを集める。

「個体数調査では、ゴリラ一頭一頭を実際に目で確認するわけではありません。代わりに、フィールドワークと、チームが集めた情報やサンプルを解析するラボワークとの組み合わせによって、調査を進めるのです」。
Behm Masozera氏はそう説明する。

今回の個体数調査は最新の科学技術に基づいて行われ、過去最高の正確な調査になると期待されている。
フィールドでの電子データ収集から、Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology(マックス・プランク進化人類学研究所)で実施される遺伝子分析や、データを解析する際の統計分析まで、最新の科学技術を利用するのだ。

「個体数調査により、ヴィルンガに生息するマウンテンゴリラの総数に関する最も詳細なデータが手に入ります。過去の保護活動の成功を踏まえた上で、私たち人間に最も近い種のひとつを今後も長きにわたって守るための保護戦略を練り直すのに、そのデータが役立つでしょう」と、WWFの種の保全プログラムの包括代表であるCarlos Drews氏は述べる。
「さらに、今回の個体数調査で、3か国の各地域コミュニティの生計を支えるためにも、マウンテンゴリラとその生息地の保護が必要だということも明らかになるでしょう」。

この調査は長くそして詳細な過程を経るものとなる予定で、最終的な予測個体数は2017年に発表されるだろう。
調査からは、個体数のみならず、ヴィルンガ中央山塊に生息する個体群の人口統計学的データ(年齢と性別の割合)や、国境をまたぐ保護区内で、相互関係にあるグループがそれぞれどこに位置するかの情報も得られるだろう。

「ヴィルンガのマウンテンゴリラ保護活動の要となっている、各国政府と保全団体との協力体制の強固さを、この個体数調査がしっかりと証明してくれるでしょう」。
FFIのChloe Hodgkinson氏はそう述べる。
「コ ンゴ民主共和国、ルワンダ、ウガンダ間が最近、この調査から得た結果から起こす行動を承認するための正式な体制を取り決める条約を結ぶなど、協力体制はますます強固になっています。調査結果は、ヴィルンガと威厳のあるマウンテンゴリラにとっての真の希望となる情報なのです」。

現在、個体数が世界中でおよそ880頭と見積もられているマウンテンゴリラは、その約半数がヴィルンガ中央山塊に生息している。
残りはコンゴ民主共和国のSarambwe自然保護区と隣接するウガンダのBwindi Impenetrable National Park(ブウィンディ原生国立公園)に生息している。

ニュースソース
http://www.fauna-flora.org/news/mountain-gorilla-census-set-to-begin-in-the-virunga-massif/

 

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