セレブらが、Wild About Gardens Weekにあわせて、庭でのハリネズミの保護を園芸家に呼びかける
和訳協力:池田 磯香、校正協力:佐々木 美穂子
2015年10月19日 The Wildlife Trust News
Twiggy氏、Ben Fogle氏、Bill Oddie氏、そしてChris Beardshaw氏は、今秋「Wild About Gardens Week((仮)庭の野生生物愛護週間、2015年10月26日から11月1日まで)」の支援を行っており、園芸家に対しハリネズミの保護を呼びかけている。
Royal Horticultural Society(RHS:王立園芸協会)とThe Wildlife Trusts(野生生物トラスト)が主催する、庭に生育・生息する野生生物のための年次イベントが、今年は自然保護団体のHedgehog Street(ヘッジホッグ・ストリート)と協力する形で行われた。
人々に非常に愛されているものの急激に生息数が減少しているハリネズミを守るために園芸家ができることを訴えるためである。
ウェブサイトwildaboutgardensweek.org.ukでは、あなたにできることや写真コンテストについて、またイベントやブックレットに関する情報を見ることができる。
Wild About Gardens Weekをサポートする著名人らが、私たちに何ができるかについて説明している。
British Hedgehog Preservation Society(BHPS:英国ハリネズミ保護協会)の後援者、Ben Fogle氏は、次のように述べている。
「皆ハリネズミが大好きなのです!彼らを保護するのはとても簡単なことだというのに、彼らがこんなに急速に姿を消しているのは悲しいことです。私たちは誰もが、ハリネズミたちのために生け垣を植え、彼らが通り抜けられるようフェンスに隙間を作り、彼らに住処を与えるために葉や丸太を積み重ね、庭の一部を整備しないで自然のままにしておく、などの方法を試みることができるのです」。
RHSのコミュニティガーデニングプロジェクトの代表であり、BHPSの後援者でもあるChris Beardshaw氏は次のように語っている。
「庭がそこを訪れる小さな生き物たちの隠れ家である、ということを、園芸家も、私たちもしばしば忘れてしまいますが、彼らの多くが、屋外環境に対する私たちの認識を方向づけ、影響を与えるのです。コウモリやフクロウ、リスなどは子供向けの詩や物語の中で主役として登場します。そのため、私たちの目を庭や景色に向けて開かせてくれるだけではなく、子供時代を思い出させる役割を果たします。こうした特徴的な生き物の中には姿を消しつつあるものがいます。特に、不思議なくらい内気で、園芸家にほとんど何も要求しないハリネズミがそうです。実際彼らは、木々の葉や枝を住処として使い、そしてその代わりに私たちが大切にしている植物を食い荒らすナメクジなどを喜んで食べてくれます。そのおかげで私たちは少々庭の手入れを怠けていられるのです。庭の手入れをする際は、そこに住んでいる生き物や訪れる生き物たちに少し注意を払ってください。彼らは私たちの庭から恩恵を得つつ、私たちに様々な方法で報いてくれるのです」。
野生生物トラストのBill Oddie副会長はこのように語っている。
「正直に言って私は、森でも野山でも、庭園でも、自分の家の庭でも、ここ3、4年ほど、野生のハリネズミに出会っていません。これは本当に悲しいことです。なぜなら、彼らは誰もが知っている小さな生き物のひとつですから。そう、童話に登場するハリネズミの「ティギーおばさん」を皆さんご存知ですね。皆に愛される動物で、彼らを怖がる人はいません。ハリネズミはあなたの家の庭ですばらしい仕事をしてくれます。ナメクジを食べてくれることがありますし、また敢えて言いますが、彼らはカタツムリも少し噛み割って食べることが知られています。基本的にハリネズミは園芸家の友達なのです。それについては議論の余地はありません。しかしハリネズミたちは、庭にいる動物達、鳥や獣、昆虫などの愉快な仲間として、そこにいるだけではありません。私たちには彼らが必要なのです。彼らは庭の生き物たちに入れられるべきなのです。しかし、もし幸運にも彼らがあなたの庭に現れたなら、彼らが出入りできるようにしてあげてください。それは、ハリネズミが食べ物を食べたり、冒険したり、家に帰ったりするときに通るドアのようなものだと考えてください」。
BHPSの後援者であるTwiggy氏はこのように語る。
「子供のころ庭でハリネズミを見ることは魅惑的な体験でした。今、私たち皆がこのすばらしい哺乳類を保護しなければなりません。そして、ハリネズミの減少を食い止めるために園芸家にできることはたくさんあります。庭のフェンスの下部に小さなハリネズミ用の穴を開け、彼らに自分たちで巣作りをし、冬眠するための場所を残してやりましょう。ナメクジ駆除剤は捨て、焚き火をするときには、火をつける前によく確認しましょう!どれもとても簡単なことです。どうかこのすばらしい生き物を守ってください」。
ハリネズミは、衰退の危機に陥っている。
People's Trust for Endangered Species(絶滅危惧種保護国民トラスト)が行った研究によると、ハリネズミは過去10年間で30%減少しており、現在の英国での生息数は100万匹を割っていると考えられている。
どのようにしてハリネズミにやさしい庭や学校やコミュニティスペースを作るかについて考える英国中の人々を奨励し、支援するため、今年のWild About Gardens Weekは、行動の呼びかけ役となるだろう。
また、イベントやコンテストのほか、行動を起こすきっかけを満載した、謙虚なハリネズミのための祝典となるだろう。
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