チーターの違法取引をやめさせよう
和訳協力:矢仲 裕紀子、校正協力:鈴木 康子
2015年11月6日 Born Free Foundation News
チーターの専門家、政府職員、そしてBorn Free USA(ボーンフリーUSA)のスタッフを含む動物保護団体らは、今週クエートで開催された、チーターの世界的な違法取引という重要な問題についての利害関係者向けワークショップに出席した。
この地上最速のネコ科動物は、様々な脅威に直面している。
アフリカのボツワナ、ナミビア、ジンバブエでは、わずか10,000頭を残すのみという、極めて深刻な絶滅の危機に瀕しているにもかかわらず、戦利品として狩ることのできる頭数の割り当てがある。
また、スーダンでは伝統的な紳士靴に用いるように、いまだにチーターの皮を利用している国もある。
生きているチーターの取引はさらに大きな脅威となっている。
特に、「アフリカの角」と呼ばれる地域(アフリカ大陸東端のソマリア全域とエチオピアの一部などを占める半島)から中東にかけての地域では、チーターがペットとして飼われている。
生きているチーターが国際取引において死亡する確立は、70%ほどという高い数値に達しているのだ。
ボーン・フリー財団は、生きているチーターの取引の影響をすべからく把握しており、数多くのチーターを救出しては、エチオピアの財団の救済センターで一生面倒を見ている。
今週の会議は大変有意義なもので、Convention on International Trade in Endangered Species(CITES:絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称「ワシントン条約」)の締約国に対して、以下のような多くの意義深い提案がなされるだろう。
・違法取引行為に関してより多くの情報を収集し、報告するよう奨励する
・需要を抑制するために普及啓発のキャンペーンを実施する
・取引阻止のための取り締まりを著しく強化する
・違法行為に対する処罰を厳重にする
・違法取引から助け出した生きているチーターが人道的に扱われるように保証する
ボーン・フリー財団は、チーターが危険にさらされている限り、今後もこの問題に取り組んでいく。
ニュースソース
http://www.bornfree.org.uk/news/news-article/?no_cache=1&tx_ttnews[tt_news]=2004
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