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2016年3月23日 (水)

花粉媒介者の個体数増減についての初の世界的評価で、花粉を媒介する鳥類や哺乳類の減少が明らかに

和訳協力:蛯名 郁矢、校正協力:成田 昌子

2015年3月13日 IUCN International news release

IUCN(国際自然保護連合)と協力諸機関らによって行われた新たな研究によれば、花粉媒介をする鳥類や哺乳類の保全状態は悪化しており、絶滅から遠ざかる種より多くの種が絶滅に向かっている、とのことである。

花粉媒介をする鳥類や哺乳類のうち、ここ数十年間、毎年平均2.4種でIUCNのレッドリストカテゴリーが1段階絶滅の方へと進み、哺乳類と鳥類のどちらもが絶滅リスクが大きく増加していることを示している。

筆頭著者である、UNEP(国連環境計画)のWorld Conservation Monitoring Centre(世界自然モニタリングセンター)に所属するEugenie Regan氏は、次のように述べている。
「我々の研究で、花粉媒介者の個体数動向が初めて世界的に評価されました。その結果、地球上の受粉サービスに悪影響を及ぼしていると思われる憂慮すべき傾向があることが示され、その影響は、2150億ドル(約26兆5千億円、2015年6月18日付け換算レート:1USドル=123.39円)以上に相当すると見積もられています」。

現在確認されている鳥類や哺乳類のうち、9%が花粉媒介者だと分かっているか、もしくは推測されている。
哺乳類の中ではコウモリが主要な花粉媒介の担い手で、リュウゼツランやサボテンなどの経済的にも生態学的にも重要な数多くの植物の花粉を媒介している。
主な花粉媒介をする鳥類には、ハチドリやミツスイの仲間、タイヨウチョウ科やメジロ科の鳥などがいる。

顕花植物の約90%が動物を介して受粉しており、人間は食料、家畜の飼料、薬、原料、その他の様々な目的のために、これらの植物の多くの種に大きく依存している。

「花粉媒介の大部分は、ハチなどの無脊椎動物によって行われていますが、残念なことに、種の評価のために利用できる情報が不足しており、これらの花粉を媒介する種の状況についての世界的な動向を、いまだ把握しきれていないのです」と共著者でIUCNのSpecies Survival Commission(SSC:種の保存委員会)のシニア・サイエンティストであるMichael Hoffmann氏は述べている。
「しかしながら、今回初めて明らかにされた花粉媒介を行う鳥類や哺乳類についての調査結果は、昆虫の花粉媒介者の動向を考える上で良い前兆とは言えません」。

持続可能でない農業による生息環境の喪失が、哺乳類にせよ鳥類にせよ、かなりの割合の種が減少している主な要因だと分かった。
体の大きいオオコウモリなどの花粉媒介をする哺乳類もまた、その肉を目的とした狩猟による影響が深刻である一方で、鳥類は侵略的外来種による影響を受けている。

1988年から2012年までの間に、花粉媒介を行う鳥類18種が、より絶滅の危険性が高いカテゴリーへ「引き上げ」となった。
干ばつ、かつてない規模での農業用地開墾による生息地の消失、あるいは他の種との競合に起因する急激な個体数の減少により、Regent Honeyeater(学名:Xanthomyza phrygia、キガオミツスイ)がEndangered(絶滅危惧IB類)からCritically Endangered(絶滅危惧IA類)へと引き上げられたのはその一例である。
危険性の低いカテゴリーへの「引き下げ」に該当した鳥類の花粉媒介種は皆無だった。

1996年から2008年の間に、花粉媒介者とされる13種の哺乳類が絶滅の危険度の高いカテゴリーに「引き上げ」られ、また2種は絶滅の危険度の低いカテゴリーへの「引き下げ」られた。
例えば、Choco Broad-nosed Bat(学名:Platyrrhinus chocoensis、ヘラコウモリ科の1種)は生息地がカカオ農園にされたことから、Vulnerable(絶滅危惧II類)から絶滅危惧IB類に引き上げられた。
また、飛ばない哺乳類であるSunda Slow Loris(学名:Nycticebus coucang、スンダスローロリス)は、ペット取引のための捕獲と、生息地の消失が原因でNear Threatened(準絶滅危惧)から絶滅危惧II類へと引き上げられた。
一方で、特定地域においてねぐらを保護する個体群保護事業が功を奏し、絶滅危惧IA類から絶滅危惧IB類へと引き下げられた、Pemba Flying Fox(学名:Pteropus voeltzkowi、ペンバオオコウモリ)のような種もいる。

花粉を媒介する鳥類や哺乳類の世界的な個体数動向を判定するため、著者らはRed List Index(RLI:レッドリストインデックス)を用いた。
これは、IUCNレッドリストのデータを用いて、複数種の生存可能性の時間の経過による傾向を明らかにする確立した方法である。
RLIは、時間の経過とともにIUCNのレッドリストカテゴリー内での位置づけが変化した種の割合に基づいている。
ここでの変化とは、絶滅の可能性が高まることも低くなることも含まれている。

この取り組みを今こそ、ハチ類やスズメバチ類(Hymenoptera:ハチ目)、そしてチョウ類(Lepidoptera:チョウ目)のような、哺乳類よりも花粉媒介により寄与する分類群に拡大する必要がある、と著者らは述べている。

研究論文『Global Trends in the Status of Bird and Mammal Pollinators(花粉媒介を行う鳥類および哺乳類の個体数の世界的な動向)』は、UNEPの世界自然モニタリングセンター、IUCN、Sapienza University of Rome(ローマ・ラ・サピエンツァ大学)、BirdLife International(バードライフ・インターナショナル)による共同研究である。
当研究は、Conservation Letters誌にてオンライン上で公開されている。

ニュースソース
http://www.iucn.org/news_homepage/?19038/Pollinating-birds-and-mammals-declining-reveals-first-global-assessment-of-trends-in-the-status-of-pollinators

 

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