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« ヨーロッパに生息する野生ミツバチ類の約10%が絶滅に直面しており、50%以上の状況が不明 | トップページ | 世界野生生物の日2015―今こそ野生生物犯罪について真剣に考えるべき時 »

2016年2月18日 (木)

地域社会による主体的な取り組み:野生生物犯罪対策のカギとなる力

和訳協力:木田 直子、校正協力:松岡 淳子

2015年3月2日  IUCN News story

世界野生生物の日(3月3日)の前夜、illegal wildlife trade(IWT:野生生物の違法取引)を撲滅するためには、現地の地域社会の協力を仰ぐべきだとする一連の勧告が、5大陸から参集した70人を超える研究者、地域社会の代表者、政府官僚、国連機関やNGOからなるグループによって発表された。

これらの勧告には、「IWTに対処し撲滅するうえで、野生生物の生息地に隣接する地域社会の中心的な役割を認識すること」、「IWT撲滅のためのイニシアティブを計画する際には、地域社会の権利や要求、優先事項の理解とその対応に努めること」、「IWTと合法な野生生物取引、また野生生物資源の持続可能な利用と単なる取引との違いを認識すること」などが含まれており、国連のconvention on the international trade in endangered species(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称「ワシントン条約」)や、convention on biological diversity(CBD:生物多様性条約)、また2015年3月下旬にボツワナのカサネで開催される、IWT首脳会合に提出されることになっている。

シンポジウム「Beyond enforcement: Communities, governance, incentives and sustainable use in combating wildlife crime ((仮)取り締まりを越えて:野生生物犯罪撲滅の取り組みにおける、地元社会、統治、奨励制度、持続可能な利用)」の目的は、野生生物と共に生活している地域社会の未来の保証と規制対象種の保護を両立するために、どのように地元の協力を取り付けるべきか、を特定することだった。

「野生生物犯罪の撲滅をテーマとする国際会議では、地域社会が主導して野生生物犯罪と戦うというアプローチは見逃されがちです」と、International Union for Conservation of Nature(IUCN:国際自然保護連合)のCEESP(環境経済社会政策委員会)およびSSC(種の保存委員会)下にあるSustainable Use and Livelihoods Specialist Group(SULi:(仮)持続可能な利用・生計専門家グループ)の議長であるRosie Cooney博士は言う。
「シンポジウムの結果、このような違法取引に対する真の解決方法を見つけるためには、多くのこういったアプローチがカギとなることがわかりました」。

アフリカ、ラテンアメリカとアジア各地で、野生生物の違法取引網の末端に位置する地域社会から得られた最先端の事例研究が紹介され、共有された。
また、野生生物の違法取引の経済性から野生生物犯罪に手を染める動機を理解するための犯罪理論の活用まで、さまざまな主題に関する世界中の革新的な研究についても報告された。

南アフリカ環境省のEdna Molewa大臣は、オーストリア、ボツワナ、ドイツ、ナミビア、タンザニア、英国および米国からの政府代表を含むシンポジウムの出席者たちに向かって挨拶を行った。

「密猟と野生生物の違法取引を減らすためには、地域社会の協力が欠かせません」と、TRAFFIC(トラフィック)のNick Ahlers氏は断言する。
「我々は今まさに密猟による重大な危機の真っただ中にあり、多くの国がそれぞれNational Ivory Action Plans(国家象牙行動計画)を実施しています。そのため、シンポジウムの勧告は非常にタイムリーで関連性の高いものだと言えます」。

野生生物の違法取引はこれまで以上に増大しており、人の暮らしや種の保全にますます大きな影響を与えるようになっている。
近年は、いっそう高度に複雑化し、危険度を増している。

世界的に高い関心をあつめる野生生物犯罪だが、これまでの国際社会の対応策としては、法制度の強化と違法な野生生物製品に対する消費者の需要削減ばかりであった。
今後は、先住民や地域社会が果たす役割により多くの焦点を向けることが必要であり、また持続可能な開発についての広い議論の場では、このことが重要課題の一つとされるべきである。

「地域社会と信頼関係を構築し、地域住民を雇用し、地域社会に権限を移譲することは、自然保護の社会的および経済的な利点を増強するものであり、それは野生生物犯罪の取り締まりと同じくらい重要なことです」と、International Institute for Environment and Development(IIED:国際環境開発研究所)の生物多様性チームのリーダー、Dilys Roe博士は言う。
「彼らが、違法取引の対象とされる種を保護しながらも、野生生物を対象とした観光や持続可能な利用から利益を得られるべきなのです」。

農村部の地域社会にとって野生生物は貴重な資産であり、例えば観光や森林製品の取引などを通じて、投資や経済成長の基礎となり得る。
違法取引の結果、この資産が枯渇すればこの基礎が根底から覆され、地域的にも国的も持続可能な開発の選択肢は限られたものとなる。

主催者側は、シンポジウムの要点を野生生物の違法取引を撲滅するための包含的な取り組みとしてまとめ、密猟対策への地域社会主導の取り組みにより恩恵を受けそうなところがあれば、自然保護部門以外にも共有するつもりだ。

シンポジウムは、SULi、IIED、オーストリア環境省、クイーンズランド大学/ARC(オーストラリア研究会議)のCentre of Excellence for Environmental Decisions(CEED)、ノースウェスト大学(南アフリカ)のAfrican Centre for Disaster Studies(アフリカ災害研究センター)および野生生物取引監視ネットワークであるTRAFFICらが主催した。

グループの勧告全文:
以下は、IWT対策を策定および実施する政府、国際組織、NGO、海外開発機関、寄贈者と多国間政策の策定過程に宛てるものとする。

以下を通じて地域社会の権利と責任を支持する
・IWTは自然保護の問題であるだけでなく、開発の問題でもあることを認識すること
・IWTに対処し撲滅するうえで、野生生物の生息地に隣接する地域社会の中心的な役割を認識すること。
・IWT撲滅のためのイニシアティブを計画する際には、地域社会の権利や要求、優先事項の理解、尊重とその対応に努めること。
・IWTと合法な野生生物取引、また野生生物資源の持続可能な利用と単なる取引との違いを認識すること。
・規制が地域社会にとってはマイナスの影響を及ぼす可能性があり、しかるべき財政的責任を伴うことを保証すること。
・地域社会に野生生物の管理を任せ、野生生物の保全と持続可能な利用から地域社会が恩恵を受けられるようにする環境を認識、支持、提供すること。

以下を通じて地域社会の意見を強化する
・IWTの影響を受ける地域社会が情報交換を行い、国内および国際的な政策が話し合われる場にその声を届けるためのメカニズムを支援すること。
・地域社会が野生生物の利用と管理を含むIWT撲滅対策に関わる意思決定に携わるようになり、また野生生物の保全によって利益を得られるようにするため、地域社会の能力強化をすること。

以下を通じて連携を強化する
・IWTへの取り組みにおいて、地域社会、自然保護NGO、法執行機関のつながりを強化すること。
・野生生物から生み出された利益によって保護活動に携わる地域社会を支援する民間団体の役割を理解すること。

活動の根拠をかためるために
・IWTの動機、引きがね、変遷、およびIWTへの対応に関する知識と理解を深めること。

このシンポジウムは、German Federal Ministry for Economic Cooperation and Development(BMZ:ドイツ連邦経済協力開発省)の委任と資金提供を受け、オーストリア環境省、United States Agency for International Development(USAID:アメリカ合衆国国際開発庁)の支援と、GIZ(ドイツ国際協力公社)の強力のもとに実施された。

ニュースソース
http://www.iucn.org/news_homepage/?18968/Community-led-solutions-key-force-in-tackling-wildlife-crime

 

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