フォト
無料ブログはココログ
2022年7月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

にほんブログ村

  • にほんブログ村

« 農業関連企業がチンパンジーなどの大型類人猿にとって重要な熱帯雨林の生息地を破壊 | トップページ | 各国が野生生物犯罪に真剣に取り組み、密猟者とそのリーダーへの罰則の強化を誓う »

2015年9月 4日 (金)

保全活動の成功にもかかわらず、ヨーロッパの鳥類の13%がまだ絶滅の危機に

和訳協力:戸井田 若菜、校正協力:星子 啓子

2015年6月3日 IUCN Redlist News Release

European Commission(欧州委員会)とBirdLife International(バードライフ・インターナショナル)が作成し、本日発表した新たなEuropean Red List of Birds(欧州版鳥類レッドリスト)によると、ヨーロッパの鳥類の13%が絶滅の危機にあり、その主な原因は生息地の喪失、生息環境の悪化、気候変動であるという。

「欧州版レッドリストを見ると、個体数があまりにも減ってしまった種を救うために、残された最後の生息地を保護し、外来種の根絶や命取りとなる送電線の絶縁対策といった活動を行うなど、私たちが適切な対策に取り組んできたことがわかります」と、バードライフのEuropean Species Programme((仮)欧州種プログラム)の責任者であるChristina Ieronymidou氏は語る。
「しかし現在私たちは、農地における生態系の劣化から気候変動に至るまでの、さらに大きな問題に直面しています。このような問題には、より広範囲にわたる厳しい対応が迫られるのです」。

全ヨーロッパレベルにおいて評価された533種の鳥類のうち、67種(13%)は地域的絶滅の危機にあり、6種はすでに絶滅している(1800年以降)。
2004年以降、レッドリストで格上げされた鳥類は全部で29種にのぼる。
それらはかつて、ヨーロッパでは軽度懸念と考えられていたが、現在は絶滅が危惧されるかまたは準絶滅危惧種とされている。

例えば、かつては非常によくみられた海鳥2種が、現在は絶滅危惧IB類に指定されている。
Atlantic Puffin(ニシツノメドリ)とNorthern Fulmar(フルマカモメ)は北大西洋の象徴的な鳥であるが、その個体数は近年、魚の乱獲と気候変動の両方の影響により激減し始めた。

現在絶滅危惧IA類に指定されているSociable Lapwing(マミジロゲリ)は、中央アジアの大草原に巣を作り、アフリカやアラビア、インドで越冬する。
かつてはウクライナやヨーロッパロシア南部でも繁殖していたが、そうした繁殖地の多くが農地の拡大によって失われたため、現在ではヨーロッパロシアに数ペアが生息するにすぎない。
カザフスタンに残された最後の生息地では、生息地の維持や狩りのために必要とされる草食動物がいなくなったことにより、絶滅に瀕している。

「こうした報告には憂慮すべき統計結果もありますが、生物多様性を保護するための対象を絞り込んだ活動を行う重要性も示しています。生物多様性は、それがもたらすサービスを通じて、経済的かつ社会的に私たちが依存しているものです」と、European Commissioner for Environment, Fisheries and Maritime Policy(欧州連合環境・海事・漁業担当委員)のKarmenu Vella氏は語る。
「そうした活動を成功させ、それを他の地域へも拡大する手段を見つけることが私たちの仕事です。また、こうした報告は私たちが現在進めているFitness Checkにとって有益な情報でもあります。ヨーロッパには、目的に適った自然関係法令が必要なのです」。

徹底した保全活動により、全部で45種の鳥類が絶滅の危険度の低いランクへと格下げされた。

Azores Bullfinch(アゾレスヨーロッパウソ)は、サンミゲル島で絶滅に瀕していた。
アゾレスヨーロッパウソはこの島の固有種であり、主に侵略的外来植物が島本来の森林にはびこったことの影響によるものであった。
生息環境を修復したことで個体数が復活した結果、アゾレスヨーロッパウソは絶滅危惧IA類から絶滅危惧IB種へと格下げされた。
個体数は40からおよそ400ペアまで大幅に増加している。

Lesser Kestrel(ヒメチョウゲンボウ)は20世紀後半、生息地の喪失と生息環境の悪化により減少したが、その減少のスピードは緩やかになり、最終的には減少はほぼ終息した。
これはSpecies Action Plan(種行動計画)の策定に伴い実施された活動と、その実施にかかる財源が増加されたことによる成果である。
具体的には、EU関係諸国すべてにおける完全な法的保護、繁殖コロニーの管理、人工巣箱の設置、農業環境計画を通じたえさ場の保全、普及啓発活動などである。
結果としてヒメチョウゲンボウは、絶滅危惧Ⅱ類から軽度懸念に格下げされた。

「レッドリストのデータは、ヨーロッパにおける生物多様性の将来の動向を継続的に監視し、保全活動を進める上で信頼できる基準値です」と、IUCN(国際自然保護連合)のGlobal Species Programme(グローバル種プログラム)のRed List Unit(レッドリストユニット)長であるCraig Hilton-Taylor氏は語る。
「ヨーロッパにおいて生物多様性の喪失を食い止めようとするなら、絶えず警戒し、さらに活動を進める必要があることを、欧州版鳥類レッドリストは示しています」。

ニュースソース
http://www.iucnredlist.org/news/despite-conservation-successes-13-percent-of-european-birds-still-at-risk-of-extinction

 

★ニュース翻訳を続けるためにご協力ください!
→JWCSのFacebookでページのイイネ!をして情報をGET
gooddoでクリックやFacebookいいね!をしてJWCSを支援
クリックで守ろう!エネゴリくんの森でゴリラの保全に協力
→JWCSの活動にクレジットカードで寄付

※日本ブログ村の環境ブログに登録しています。クリックしてランキングにご協力ください。
にほんブログ村 環境ブログ 自然保護・生態系へ
にほんブログ村

« 農業関連企業がチンパンジーなどの大型類人猿にとって重要な熱帯雨林の生息地を破壊 | トップページ | 各国が野生生物犯罪に真剣に取り組み、密猟者とそのリーダーへの罰則の強化を誓う »

35 レッドリスト 絶滅危惧種」カテゴリの記事

23 ヨーロッパ」カテゴリの記事

13 鳥類」カテゴリの記事

34 IUCN 国際自然保護連合」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

« 農業関連企業がチンパンジーなどの大型類人猿にとって重要な熱帯雨林の生息地を破壊 | トップページ | 各国が野生生物犯罪に真剣に取り組み、密猟者とそのリーダーへの罰則の強化を誓う »