アンテロープのための行動
和訳協力:菅原 美香子、校正協力:佐藤 綾子
2015年5月26日 IUCN Article
Marwell WildlifeがIUCNの種の保存委員会と協力して、ASGの新しい計画事務局を担当する
アンテロープ類はその1/4が絶滅の危機に瀕し、個体数が60%以上減少している。
そのためMarwell Wildlifeは、IUCN(国際自然保護連合)のSpecies Survival Commission(SSC:種の保存委員会)と協力して、新しくAntelope Specialist Group (ASG:アンテロープ専門家委員会)の計画事務局を設立した。
ASGは、アンテロープ全種の状態と保全に関する科学的および実践的な専門知識を持つ世界有数の組織である。
アンテロープは森林や砂漠、草原や山岳環境のあらゆる所で、生態系を形成するのに重要な役割を果たし、また多くの世界最大級の肉食動物にとっては餌の役割を果たしている。
アンテロープには謎が多く、ほとんど知られていないものもあれば、巨大な群れを成して移動し、自然界の最も壮大な光景を見せてくれるものもある。
したがって、アンテロープの健全な個体群を維持し回復させることは、アンテロープの生態学的価値や経済的価値、文化的価値を保持するために大変重要である。
ASGの新しい計画事務局はASGの共同議長と共に、IUCNのRed List of Threatened Species(絶滅危惧種に関するレッドリスト)のために全91種のアンテロープの保全状況を更新する予定だ。
また、地球上のアンテロープの保全の優先順位の特定に役立つ研究も請け負う。
ASGの共同議長であるDavid Mallon博士は以下のように述べた。
「我々はMarwell Wildlifeから実践的で技術的な支援を受けることをとても嬉しく思っています。それにより、世界中のアンテロープを保全するという使命を果たすためのASGの能力は大いに高まるでしょう」。
Marwell WildlifeがASGの計画事務局を担うことは、ASGのネットワーク能力を高め、アンテロープ保全の御旗をかざすためのより広範な強調戦略の一部である。
この強調戦略には、パリのFondation Internationale pour la Gestion de la FauneやフロリダのWhite Oak Conservation Foundationによる支援も含まれる。
保全生物学者のTania Gilbert博士は、Marwell WildlifeおよびUniversity of Southamptonの野生生物保全のマスターコースを卒業したRobert Cooke氏の支援を得て、ASGのプログラムオフィサーも務めることになった。
IUCN-SSCのASGはDavid Mallon博士とPhilippe Chardonnet博士が共同議長を務める。
ニュースソース
http://www.iucn.org/news_homepage/news_by_date/?21390/action-for-antelope
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