オンタリオ州 シャチの入手・繁殖を禁止へ
和訳協力:佐藤 綾子 校正協力:長谷川 祐子
2015年6月3日 Bone Free Foundation News
カナダ・オンタリオ州は、法案第80号の策定を進めることになった。
これにより海洋哺乳類の取り扱いに関する基準が一層高まることとなる。
本法案は去る5月28日の木曜日、オンタリオ州議会にて3度目となる最終の読会が行われた。法案はすでに議決され、ただちに施行される流れとなっている。
これによりオンタリオ州では現在、シャチの買上や繁殖は違法となる。
カナダには、最後に残ったシャチのKiskaが、オンタリオ州の水族館Marineland(マリンランド)でただ一頭飼育されているが、Kiskaはこの法案の対象外となり、寿命が来るまでただ一頭で過ごすことになるだろうと思われる。
元はオンタリオ州のYasir Naqvi地域安全大臣が提唱した法案だが、これにより海洋哺乳類を飼育するあらゆる施設において、動物福祉委員会が設置されることが予定されている。
また、同州の技術諮問委員会も設置され、海洋哺乳類用の水槽の大きさの新基準を決めるほか、雑音・照明・動物間の相互作用などに関する新しいガイドラインも作られる。
同委員会には、Marineland、Zoocheck(動物保護団体ズーチェック)、Canadian Council on Animal Care(カナダ動物管理協会)、Ontario Society for the Prevention of Cruelty to Animals(オンタリオ動物虐待防止協会)の代表者が参加する予定だ。
Naqvi氏は、7月末までに諮問委員会で新基準が決まるだろうと明かした。
さらにはもし必要であれば、Marinelandがこの新基準を満たすための“移行期間”が設けられるだろうとした。
Naqvi氏は加えて、「新基準によって設備投資が必要になる場合もあります。我々は現実的にならなければなりません」と述べた。
この報道を受け、Born Free Foundation(ボーン・フリー財団)はこの法案にKiskaが含まれてないことについて大きな失望感を表明した。
そしてこの新基準によって、オンタリオ州内の捕らわれている海洋哺乳類それぞれにとって良い変化がもたらされることを望む、と発表した。
ニュースソース
http://www.bornfree.org.uk/news/news-article/?no_cache=1&tx_ttnews%5Btt_news%5D=1865
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