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2015年7月21日 (火)

どうなる? タイの悪質なタイガーテンプルから没収されたトラ

和訳協力:菊地 清香、校正協力:鈴木 洋子

2015年4月17日 OneGreenPlanet Animal Monster

トラでいっぱいの寺院を救出するには軍隊一部隊が必要かもしれないが、そのトラ達によりよい生活を与えるにはひとつの村が必要だ。

どんなサクセスストーリーも始まりはひとつの思いつきだ。
まもなくタイガーテンプルから救出される146頭のトラにとっての完璧な結末を想像してみよう。
次に、真の保護区を思い描いてみよう。
その保護区は、とらわれた状態であれ、これらのトラたちに似つかわしく、幸福な生活を提供するためだけに運営されている。
人々は一致団結し、保護区を見事実現するために必要な要素を提供してきたのだから。

トラたちはどこへ行く?

DNP(国立公園・野生動物・植物保全局)が、146頭のトラすべてを4月末までに没収するという大いに称賛される発表をしてから、そのトラたちの救出後の生活の保護についての疑問が生じてきた。

囚われの身として生まれ育ち、大部分が雑種のトラたちは、野生に戻される可能性はない。

トラたちは「王国に保護されている動物」として、ラチャブリー県にある2つの別々の施設、Khao Prathap ChangおよびKhao Sonに送られる予定であり、現在これらの施設では適切にトラを収容するための準備が進められている。

しかし、トラたちは新しい施設に行く前に、まず移送されなければならない。

「多くのトラを一度に運ぶのは大仕事です」と話すのは、WFFT(タイ野生動物友好基金)のEdwin Wiek氏である。
「当局が、トラたちを移送するために寺院に到着した際には、予想される僧侶や支援者からの抵抗に対処せねばならないだけでなく、146頭のトラを一度に運ぶという移送上の困難な要因もあります―その移送は、たった1頭のトラでさえ、心に傷が残るような体験なのです」。

タイ政府は今後トラの餌を与え飼育する責任があるが、トラを飼育し続けるための施設や資金を調達するための、長期的な解決策が必要であることも理解している。

DNPのNipon Chotibarn局長は、里親による「養子縁組」が資金調達のひとつの方法となるだろうと示唆した。
DNPはまた、これらの野生ネコ科動物の飼育を引き継ぐための国際基準を満たしている動物園や動物施設にも門戸を開くだろう。

しかし、これらのトラたちを別々の施設に送れば、トラの生活の監視が難しくなり、営利目的の商売人の手によってトラはさらに虐待を受ける危険がある。

闇市場では、トラ1頭が生死を問わず3万米ドル(およそ370万円、2015年6月23日付換算レート:1USドル=123.4円、以降同レートとする)で取り引きできることを考えれば、トラが悪意を持った人間の手にかかれば搾取される危険性は極めて高い。

トラの飼育

動物愛護的な飼育環境でトラを飼うには、資金だけでなく専門知識が必要であり、またこれらのトラがそれにふさわしい生活を送ることを保証する真の責任を負うことになる。

「真の保護区は、トラ3、4頭につき1,500㎡の屋外の囲い地があり、トラが十分に駆け回るスペースのある場所です」とWiek氏は話す。
「国際基準は、さらに約6m×4mの屋内の囲い地を設けて、トラが夜間や、群れの中で攻撃的な行動があったときに、独り静かに身を隠せるようにすることを求めています」。

Wiek氏の見積もりでは、餌の赤身の肉と適切な医療処置をもってトラ1頭を飼育するには、1日当たり約25ドル(およそ3千円)かかる。
トラの生涯にわたってもちこたえるような大きな囲い地を建設するには、約5,000ドル(およそ62万円)かかる見込みだ。
さらに、保護区は高さ4mの電気柵で囲い、トラの脱走や密猟者の侵入を防ぐ必要がある。

「タイには広大な国有地や国立公園があることを考えれば、政府が、最終的には少なくとも一部は自主運営できるような、適切なトラの保護区の設置に必要な土地を確保するのは考えられないことではありません」とWiek氏は語った。

残念ながら多くの人が、タイガーテンプルがトラを閉じ込めて繁殖させることで種の保存にいくらか貢献してきたのだと信じ込まされてきた。
人々が気づいていないように思われるのは、増やす必要があるのは野生にいるトラの個体数であるという点である。
トラは食物連鎖の頂点に位置する生物であるため、トラの保護は私たち皆が依存している生態系そのものを維持するために極めて重要である。

商業利用のためだけにトラを繁殖させることで、私たちは実質的には自然の法則をかく乱してきた。
このようなトラが野生で生き延びることは決してない。

「DNPと協力し、これらのトラのための真の保護区を設置するお手伝いができることをうれしく思います」と、Wiek氏は語った。
「NGOやタイ政府の力を借りれば、このような施設が建設できない理由はありません。タイの人々だけでなく、国際社会にも真の保護について啓蒙することにつながるでしょう。さらに、囚われの身のトラも、彼ら自身の種の中で、自然に近い環境でよい生活を送ることができることを人々に示すことにもつながるでしょう」。

よりよい未来への希望

間近に迫っているトラの没収は、タイガーテンプルでの商業的で違法な野生生物の利用に終止符を打とうという、DNPの称賛に値する意志と決断を示している。
この動きはすでに世界中の何十万人もの人々に称賛されている。

おそらくより重要なことは、捕らわれたトラたちに対して私たちが本当に状況を改善して、ふさわしい家を与えることができるように、世界中からの支援や専門知識を呼び起こすタイムリーな機会をこの動きが象徴している点である。

真のトラの保護区は、トラが他になにもする必要はなく、余生を幸せに送れる場所だ。

あなたにはそれが見えるだろうか?

ニュースソース
http://www.onegreenplanet.org/animalsandnature/what-will-become-of-the-tigers-confiscated-from-thailands-cruel-tiger-temple/

 

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