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2015年7月 7日 (火)

世界の欲求が新たに野生生物種を絶滅の淵へ-IUCNレッドリスト

和訳協力:石塚 信子、校正協力:杉山 朝子

2014年11月17日 IUCN International news release

Pacific Bluefin Tuna(タイヘイヨウクロマグロ)、Chinese Pufferfish(カラスフグ)、American Eel(アメリカウナギ)、Chinese Cobra(タイワンコブラ)およびオーストラリアのチョウが絶滅危惧種に

漁業、森林伐採、採鉱、農業などのほか、ますます増大する資源への世界的な欲求を満たすための活動が、タイヘイヨウクロマグロ、カラスフグ、アメリカウナギ、タイワンコブラの生存を危うくしている。
生息地の破壊が、マレーシアの貝や世界最大のハサミムシを絶滅に追いやり、その他の多くの種の生存を脅かしている。
これらは、オーストラリアのシドニーで開催中のIUCN(国際自然保護連合)のWorld Parks Congress(世界公園会議)で本日発表された、最新のIUCN Red List of Threatened Species™(絶滅危惧種に関するIUCNレッドリスト)によるものだ。

今年50周年を迎えるIUCNレッドリストは今回の発表で76,199種を評価し、そのうち22,413種が絶滅の危機にある。
新たに評価された種の約半数は保護地域内に生息し、さらなる生物多様性の減少をくい止めるためにも、IUCNは保護地域のよりよい管理を求めている。

「IUCNのレッドリストが更新されるたびに、私たちの暮らす地球上から信じられないほど素晴らしい生物の多様性が失われ続けていることに気づかされます。その多くは、私たちのますます大きくなる資源への欲求を満たすために行っている破壊行為が原因です」と、IUCNのJulia Marton-Lefevre事務局長は言う。
「しかし、保護地域がこの傾向を覆す中心的役割を担うことができるという科学的証拠もあります。専門家は、保護地域内であまり見られない絶滅危惧種は、保護地域内でよくみられる絶滅危惧種と比べると、倍の速さでその個体数を減らしていると警告しています。私たちは、保護地域の数を増やし、私たちの地球の生物多様性を守ってくれるように、保護地域の効果的な管理を確実に行う責任があるのです」。

本日の更新では、タイヘイヨウクロマグロ(学名:Thunnus orientalis)のカテゴリーが、Least Concern(軽度懸念)からVulnerable(絶滅危惧II類)に移った。
つまりタイヘイヨウクロマグロが現在、絶滅の危機に瀕していることを意味する。
タイヘイヨウクロマグロは、主としてアジアでの寿司や刺身市場のために、広く漁業対象種となっている。
その多くは稚魚で捕獲されているためその時はまだ繁殖の機会はなく、過去22年間でその個体数は19%から33%ほど減少したと推定される。

現在の海洋保護区では、タイヘイヨウクロマグロの保護は十分ではない。
沿岸から繁殖地を含めて200マイル(約320km)以内に海洋保護区を拡大すれば、この種の保全に大きく貢献するとIUCNの専門家はみている。

「タイヘイヨウクロマグロの市場価値は高まり続けています」と、IUCNのSpecies Survival Commission (SSC:種の保存委員会)のTuna and Billfish Specialist Group(マグロ・カジキ類専門家グループ)議長のBruce Collette氏は言う。
「漁業関係者が、幼魚の漁獲数削減を含めて、西部太平洋と中部太平洋のための保全管理対策を実施しない限り、短期間でこの状態を改善することは期待できません」。

カラスフグ(学名:Takifugu chinensis)は、IUCNレッドリストにCritically Endangered(絶滅危惧IA類)として記載された。
過剰捕獲により、地球上に生息する個体数は過去40年で99.99%減少したと推測される。
日本では人気のある食材で、刺身で食べられる代表的な4種のフグの1つである。
世界でも最も強い毒を持つ魚の1つであり、ふぐは食べる前に専門的な加工が必要である。
カラスフグは中国沿岸の海洋保護区の一部にも生息している。
年に一度はトロール漁を禁止する海洋保護区を作るといった保護対策は実施されてきた。
しかし、カラスフグの絶滅を防ぐには、さらに漁獲量を緊急に規制する必要があるとIUCNの専門家は指摘する。

Endangered(絶滅危惧IB類)として記載されたアメリカウナギ(学名:Anguilla rostrata)は、回遊の阻害、気候変動、寄生生物、汚染、生息地の破壊、商業目的の漁獲のなどに脅かされている。
同様に絶滅危惧IB類として記載されるニホンウナギ(学名:Anguilla japonica)の減少により、東アジアの養鰻業は、アメリカウナギなどほかの種を養殖用の稚魚として求めている。
これにより米国でアメリカウナギの密漁の報告が増えることになった。
アメリカウナギはこれらの複合的な脅威にさらされている一方で、積極的な保全活動により状況を改善することができている。

タイワンコブラ(学名:Naja atra)が絶滅危惧II類に新しく指定された。
その個体数は、過去20年にわたり30%から50%ほど減少してきた。
タイワンコブラは中国南東部、台湾、ベトナムとラオス人民民主主義共和国の北部などに生息しており、中国本土から香港の食品市場への輸出量が最も多い動物の1種である。
タイワンコブラは、哀牢山自然保護区、大圍山(雲南省)、および墾丁国家公園(台湾)、などの保護地域に見られる。
タイワンコブラの国際取引は規制されてはいるものの、その生存を確実にするには、国が主導的に進める保全対策を緊急に強化する必要がある。

「成長する食品市場は、これらの種やほかの種に持続性を不可能にするような圧力を与えています」と、IUCNの生物多様性保全グループのグローバルディレクターであるJane Smart氏は言う。
「私たちは早急に収穫量に厳格な規制を設け、生息環境を保護するために適切な措置を取る必要があるのです」。

今回のレッドリストの更新では、その一部が保護区に生息するにもかかわらず絶滅危惧種に指定されている66種のカメレオンを含み、生息地の破壊による影響を受けている種も目立った。
Giant East Usambara Blade-horned Chameleon(学名:Kinyongia matschiei)は、タンザニアの東ウサンバラ山脈に固有なカメレオンで、絶滅危惧IB類に指定されている。
ほかの多くのカメレオン同様、この種もコミュニケーションの手段として、体色を使う。
さらに、ストレスを受けると黒くなり、安全のために枝に尾を巻きつける。
保護地域であるアマニ自然保護区に生息しており、この爬虫類は、農業、木炭製造および木材の採取による森林破壊に脅かされている。

Black Grass-dart Butterfly(学名:Ocybadistes knightorum)は、絶滅危惧IB類としてIUCNレッドリストに記載された。
オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州北部の沿岸地域だけに生息するチョウで、主に外来雑草の侵入、沿岸開発による生息地の破壊により脅威にさらされている。
ボンギル・ボンギル国立公園、Gaagal Wonggan(South Beach)国立公園などの保護地域にその大半が生息しており、このチョウの未来を守るためには、これらの保護地域を効果的に管理することが重要な役割を果たすことになる。
草刈りにうまく適応している、重要なパッチ上の生息地があるいくつかの保護区では、雑草の侵入を管理しており、結果として生息地の回復につながっている。

生息地の破壊のため、2種が絶滅を宣言された。
Plectostoma sciaphilumは、マレーシア半島の1か所の石灰岩丘陵に生息していたカタツムリで、大企業による石灰岩の切り出しによって丘陵が全面的に破壊された結果、現在絶滅種としてリストに掲載されている。
この地域の他の数種も、同様の理由でその先行きは不透明である。
いくつかの鉱業会社では、影響を少なくしようと必要な措置を取り始めているが、IUCNは、これ以上の絶滅を食い止めるため、より強力な誓約を求めている。

セントヘレナオオハサミムシ(学名:Labidura herculeana)は、体長が8cmにおよぶ世界最大のハサミムシで、同様に絶滅してしまった。
以前は、セントヘレナ島の保護地域であるHorse Point Plainで確認されたが、最後にこの昆虫の成虫の生息が確認されたのは、1967年5月である。
1960年代始めから、その生息地では、建材として利用するために、ハサミムシの避難場所となっていた表面を覆う岩がほぼすべて除去され、環境は悪化した。
マウスやラット、無脊椎動物を捕食する侵略的外来種などによる捕食圧が高まったことも、ハサミムシを絶滅に追いやる要因となった。

「近年の絶滅は、生息地をより適切に保護すれば避けることができたものです」と、IUCN-SSCのSimon Stuart委員長は言う。
「今回の更新では、コロンビアのRanita Dorada保護区に生息する2種の両生類が、維持管理の成功によって状況を改善できたことも目立つ結果でした。私たちはもっと行動に責任を持ち、このよ うな成功事例を増やす必要があります。そして地球環境に良い影響を与えなければならないのです」。

IUCNレッドリストのパートナーのコメント

Birdlife(バードライフ)の科学部門の代表Stuart Butchart博士:
「絶滅危惧種を救うためには、自然の中でも最も重要な場所の特定とその保全が必要になります。バードライフのImportant Bird and Biodiversity Areas(鳥を指標とした重要生息環境)は、世界中の政府が保護地域の指定に役立てるために利用しています」。

Conservation International(コンサベーション・インターナショナル)の副会長、Russell A. Mittermeier博士:
「私たちは、以前になく自然が追いつめられている時代に生きています。そして、自然は人間を必要としないことを認識しなければなりません。ですが人間には自然が必要です。これらの種が生存する権利はもちろん、人間の生存にとっても必要不可欠です。なぜなら彼らは、新鮮な水、気候の調節、防災、その他の多くの生態系サービスを人間に提供してくれる、複雑で繊細な生態系の重要な歯車の一部だからです」。
「シドニーで開催されている第6回世界公園会議に私たちは参加しますが、保護地域は絶滅危惧種が長期間にわたって生き残るために不可欠なだけでなく、私たちの地球が直面している大きな課題に挑むためにも基本的に重要なのです。気候変動に適応するための持続可能な発展の道筋に社会を導いていかなくてはなりません。今ほど緊急に、公園や保護区を設立し、効果的に管理し、そこに資金を供給することが求められている時代はありません。また、保護地域が与えるあらゆる便益のために、保護の規模を世界規模へと変えていく大きな誓約がこの会議で成されることを願っています」。

テキサスA&M大学のDepartment of Wildlife and Fisheries Sciences((仮)野生生物・水産科学部)のThomas Lacher博士:
「特別に気がかりなのは、乱獲によるタイヘイヨウクロマグロなどの魚類の減少です。Atlantic Cod(タイセイヨウダラ)と同様に、既に規制が不十分なためには絶滅寸前となっている種を我々は知っています。このことは海洋漁業をもっと規制しなくてはならないという明らかな警告です。それとともに、海洋保護区域を設置し、激減する資源の回復させるために重要な産卵場所を確保しなくてはなりません」。
「オーストラリアのシドニーで最近開催されている世界公園会議は、数多くの討論や会合によりこれらの問題に対処していますが、これらの計画を実現するために、私たちにはより国際的な協力が必要です」。

Botanic Gardens Conservation International(植物園自然保護国際機構)の事務局長であるSara Oldfield氏:
「多くの植物種が初めてレッドリストに掲載されたことは励みになります。たとえば、カバノキ科は現在評価中で、どの樹木が差し迫って保護の必要があるのかを示しています」。
「カバノキ類は、温帯の生態系の必須要素であり、ただの一種さえも失うわけにはいかないのです」。

NatureServeの社長兼最高経営責任者のMary Klein氏:
「改めてレッドリストは、種の変遷を追い続けることがどんなに重要かを示してくれました。その種がかつては普通に見られる種であったとしてもです」。
「新たな脅威が地球上のどの場所であっても生物を脅かしていることが、ここ最近の世界公園会議と今回更新されたレッドリストによってはっきりと示されました。これらの課題に光を当て、またこのような流れを食い止めるためのデータに基づいた保全の取り組みを可能にするためには、IUCNやNatureServeなどがしっかりと貢献することがますます重要になっているのです」。

ニュースソース
http://www.iucn.org/news_homepage/?18621/Global-appetite-for-resources-pushing-new-species-to-the-brink--IUCN-Red-List

 

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